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諸葛亮と呼ばないで〜陰キャ高校生ダイエット部の軍師になり無双  作者: 座山食空
第二章 勝ち得たもの、失われていくもの
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第七話 曹操会長サザン上手いけど、メジャーな曲しか歌わない説

十月某日。


放課後。


旧校舎第三準備室。


僕は真顔で言った。


静寂。


「何がだ?」


周瑜先輩が炭酸水を飲む。


僕はゆっくりホワイトボードへ向かった。


そして。


書く。


『曹操会長

サザンメジャー曲しか歌わない説』


「暇か?」


周瑜先輩が言った。


だが。


僕は本気だった。



事の発端は、

文化祭前夜祭。


曹操会長は、

またしてもサザンを完璧に歌い上げた。


だが。


選曲。


『真夏の果実』


前回。


『TSUNAMI』


その前。


『いとしのエリー』


全部。


超メジャー。


「……」


僕は気づいてしまった。


この人。


マニアック曲を歌わない。



「確かに……」


劉備小桃が腕を組む。


「会長、“匂艶 THE NIGHT CLUB”とか歌わんな」


「逆に部長知ってるんですね」


「父親の車で流れてた」


妙にリアルだった。


その時。


関羽先輩が言う。


「でも、メジャー曲しか知らないだけでは?」


静寂。


その可能性。


あった。



「いや待て」


周瑜先輩が言う。


「桑田慶介だぞ?」


確かに。


名前からしてサザン圧が強い。


「そんな奴が“愛の言霊”止まりなわけない」


「愛の言霊十分濃いですよ」


すると。


呂布が静かに口を開いた。


「……“慕情”歌えたら本物です」


全員振り向く。


「お前知ってんの?」


「母がファンなので……」


呂布、

妙に守備範囲が広い。



「つまり」


僕は言った。


「曹操会長が本当にサザンガチ勢か確かめる必要がある」


「なんで?」


「知的好奇心です」


「お前最近青春を無駄遣いしてるぞ」



翌日。


放課後。


カラオケボックス。


なぜか全員いた。


「なんで俺まで……」


関羽先輩が困惑している。


「会長を自然に誘うためだ」


「自然とは?」


その時。


ドアが開く。


「……」


曹操会長だった。


圧。


「貴様ら」


低い声。


「なぜ俺を呼んだ」


怖い。


アウトレイジ感ある。


だが。


劉備小桃は笑う。


「今日は親睦会だ!」


絶対違う。



数十分後。


普通に盛り上がっていた。


関羽先輩、

ゆずを歌って泣いていた。


「夏色ってなんか泣ける……」


「情緒どうなってるんですか」


石嶺先輩は普通に上手かった。


なんか悔しい。


そして。


ついに。


「次、桑田会長お願いしまーす!」


来た。


全員が静かにモニターを見る。


曲名。


『希望の轍』


「あっ」


メジャーだ。


またしても。


「……」


僕たちは顔を見合わせた。


やはり。


疑惑は深まる。


その時。


周瑜先輩が小声で言った。


「やるぞ」


「え?」


「揺さぶりだ」


怖い。



歌い終わる。


大拍手。


うますぎる。


そして。


周瑜先輩が自然を装って言う。


「会長って、“シャ・ラ・ラ”とかも歌うんですか?」


静寂。


空気が止まる。


会長の眉が少し動いた。


来た。


「……」


会長は静かに水を飲む。


そして。


言った。


「……あれは」


ゴクリ。


「難しい」


「うおおおお!!!」


部室メンバー大興奮。


「やっぱり!」


「メジャー以外弱い!」


「孔明当たった!」


「違う!」


曹操会長が立ち上がる。


珍しく動揺していた。


「俺は!!」


ドン!!


机。


「“栞のテーマ”まではいける!!」


「微妙なライン!!」


店員が覗きに来た。



その夜。


帰り道。


秋風。


笑い声。


なんか。


どうでもいいことを本気で騒げるのって。


少し幸せだった。


その時。


曹操会長が隣で小さく言った。


「……孔明」


「はい?」


「次は“Ya Ya”練習しておく」


「なんの宣言なんですか」


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