第十七話 ダイエット甲子園始まる 「罰ゲームは怖くないかー!」
「博多へ行きたいかぁぁぁー!!!」
うおおおおおおおお!!!
会場が揺れた。
「罰ゲームは怖くないかぁぁぁ!!!」
うおおおおおお!!!
「リバウンドは怖くないかぁぁぁ!!!」
「それは怖い」
僕は真顔で呟いた。
*
全国高校ダイエット甲子園・関東予選会場。
場所はなぜか巨大イベントホールだった。
照明。
大型モニター。
変な熱気。
そして。
異常にテンションの高い観客。
なんなんだこの大会。
ステージ上。
司会者が叫ぶ。
「さあ始まりました!全国高校ダイエット甲子園!!」
拍手。
歓声。
スポットライト。
「司会の高島政伸です!!」
似てる人なのか本人なのか微妙にわからない。
「今日は全国予選会場八ヶ所と繋がっています!」
モニターへ各地の映像が映る。
「まず北海道会場盛り上がってるかぁぁ!!」
うおおお!!
「仙台会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「新潟会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「埼玉会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「横浜会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「石川会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「長野会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「博多会場ぉぉぉ!!」
うおおお!!
「……北に集中してない?」
僕は小声で言った。
「博多の人、勝ち上がっても博多ってかわいそう」
「確かに」
周瑜先輩が真顔で頷く。
その時。
高島政伸がさらに叫ぶ。
「さあ今回も団体競技はくじ引きで決まります!!」
ざわっ。
会場が緊張する。
「去年は野球でした!!」
モニターに映像。
デブ高校生たちが必死に走っている。
地獄絵図だった。
「六人一組!!どこに守備を置くかが勝負の分かれ目でしたぁぁ!!」
「ダイエット甲子園って何なんだ……」
僕は頭を抱えた。
高島政伸が封筒を持ち上げる。
「今年は何になるのかぁぁ!!」
会場静止。
緊張。
照明。
ドラムロール。
そして。
「発表します!!!」
ビリッ。
封筒が開かれる。
高島政伸が絶叫した。
「モルックです!!!」
…………。
「えええええええええええ!!!!」
僕たちは立ち上がった。
会場もざわつく。
「モルック!?」
「今年モルックなの!?」
「ガチ勢有利じゃん!!」
劉備部長がこちらを振り向く。
目が完全に輝いていた。
「まさか孔明……」
「いや知らないです」
「ここまで読んで!!」
「読んでません!!」
だが。
正直。
鳥肌が立っていた。
モルック。
あの時、
退屈しのぎで始めた競技。
女子とLINE交換した競技。
黒龍工業と戦った競技。
それが。
全国大会の団体競技。
「……来たな」
曹操会長が静かに笑う。
今日も普通に応援席にいる。
もう顧問だろこの人。
周瑜先輩はニヤニヤしていた。
「おもしれぇ」
関羽先輩は拳を握る。
「リベンジだ……!」
その時。
モニターへ、
参加校一覧が映し出された。
『聖マリア学園』
「!!」
関羽先輩の姿勢が良くなる。
『黒龍工業高校』
「うわぁ……」
『白凰体育大学附属高校』
「強そう」
『鹿児島実践学院』
「ガチ勢っぽい」
『織冠高校ダイエット・モルック戦略研究部』
「長ぇぇぇぇ!!」
全国放送で長さが際立った。
会場の笑いを取ってしまった。
劉備部長がドヤ顔している。
「全国に名が轟いたな!」
「長さでね」
その時だった。
司会が再び叫ぶ。
「さらに!!」
ざわっ。
「敗北チームには恒例の罰ゲームがあります!!」
「え?」
僕たちは固まった。
「敗北チームは――」
嫌な予感。
「一週間・糖質制限強化メニューです!!!」
会場悲鳴。
「怖ぇぇぇぇ!!」
関羽先輩が叫ぶ。
「白米なし!ラーメンなし!唐揚げなし!」
「拷問だろ!」
劉備部長が震える。
「これは……負けられん……!」




