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夢と私。でも朝が来た。

 夢について。

 夢について語ろうと思う。島世要の夢について。

 はたして秘密のノートなどというものを作ろうとする人間などというものが本当に存在するのだろうか。存在したとして賦星真知子に不可能が無い世界などというものがありうるだろうか。秘密を抱くことで人はすごくなることができるものだろうか。そうだ。また、一年生から、役を貰えるような演劇部があるだろうか。そう。そもそも、演劇部に賦星真知子、白鳥壮士のような美女が集まるだろうか。

 夢について語ろうと思う。賦星真知子の夢について。

 はたして不可能とは何であろうか。全知全能たるべくや。万物の支配者たるべくや。あるいはせめて人の支配者たるべくや。今河豊の心すら自由にすることができないにもかかわらず、何を持って不可能は無いと言い切れるのだろうか。はたしてや、演劇部が六月まで完璧な台本もなしにいられるだろうか。そうだ。また、今河のような実直な男が別れることなどがありえるだろうか。そう。そもそも、島世要のような後輩は存在するだろうか。

 夢について語ろうと思う。


 日時:六月十四日早朝。場所:自宅。目的:なし。

 昨日はおかしな夢を見た。私が夢で、夢が私で。そんな夢だ。

 朝一には起きて、それから目玉焼きとご飯を交互に口に運ぶと、学校に向かうまでの時間をリビングのソファーの上でぼんやりとテレビのニュースを眺めて過ごす。

「要。そろそろ行かなくていいの」

「はーい。お母さん」

 ソファーから立ち上がって、大きく伸びをすると私は傘を手に家を後にする。今日は、雨の予報。三十%だ。

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