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第六話:日常に潜む殺意と、五代の守護者

※本作は一次創作です。

※AIは執筆補助として使用しています。

(筋肉痛が一周回って、もはや自分の神経が自分じゃないみたいだ……)

上原海斗は、重鉛のような体を震わせながら歴史の教科書を開いていた。数日前の本部連行から始まった地獄の「実験」。昨日などは碧の放った『弐の柱』の幻惑により、一晩中巨大な狐に追いかけ回される悪夢を見た。

放課後の拷問、そして日常への侵食。海斗の感想はただ一つ。「あの2人は、俺を人間だと思ってない」。

午後の五時限目。睡魔が襲うはずの、気が緩む時間。

刹那、海斗の背筋に氷を叩きつけられたような戦慄が走った。

(――来る!)

反射的に首を右へ傾ける。そのコンマ数秒後、耳元を「何か」が音もなく通り過ぎ、背後の壁際でパチンと弾けるような音がした。

海斗が恐る恐る振り返ると、教室の隅にひっそりと潜んでいた低級の妖が、声を上げる間もなく霧散していくところだった。

『……お見事。暗殺防止訓練、継続中。さあ、授業に集中して?』

脳内に直接響く、碧の冷たく甘い声。**『陸の柱:宇迦うか』**による精神共有だ。

海斗は引きつった顔で、斜め前方に座る「完璧な学級委員長」の後頭部を睨みつけた。

(妖を退治するついでに俺を狙うな! 怖くて集中できねぇーよ!)

『……ついでは、低級妖よ? メインは上原くんの反射チェック。あんな雑魚、狙うまでもないし』

(……こいつ、俺を殺しかけるのがメインで、妖退治をオマケだと言い切った……!)

海斗は震え上がりながらも、必死に教科書を凝視した。そうでもしなければ、次の「おまけ」で首が飛ぶ気がしたからだ。

放課後、夕闇に包まれ始めた裏路地を三人は歩く。

「ちぇ、今日も依頼デッドが無いのか…上は、海斗の試験やらせる気ないのね」

碧が不満げにタブレットを叩く。隣を歩く愛が、冷徹に補足した。

「そうね。このままじゃ胴体と頭がお別れしちゃう」

「本当にまじで冗談でもやめくれ…」

海斗の叫びも虚しく本部に到着すると、そこには圧倒的な威圧感を放つ男女が立ちはだかっていた。

「!碧久しぶりだな!最後に会ったのは…」

「お久しぶりです。豪徳寺さん…最後に会ったのは、前回の合同任務での報告会以来かと」

「そうだったな…裏宮の隣にいる小僧は…」

「最近拾った上原海斗。新たに建勲神社代行者になった者です」

「海斗こちら私の教育係だった豪徳寺 猛(ごうとくじ たける)さん…五代神社の一角・鹿島神宮の代行者様よ」

「鹿島神宮…武と剣の……?!ま、まさか…日本五代神社の一つ…?」

(そんな人がこの人の教育係?…バケモノが生まれるわけだ)

 かつて碧を鍛え上げた古参の一人であり、その武神の加護による筋力は、立っているだけで周囲の空気を歪ませる。そんな人を見て海斗は、顔が真っ青になる。

「……おい裏宮……碧が怪我でもしたら許さないからな?」

「……善処するわ。豪徳寺さん」

愛が気まずそうに目を逸らす。豪徳寺の視線は次に、ゴミを見るような温度で海斗へ向けられた。

「そして貴様か。碧が目をかけていると聞いたが、分を弁えろ。その薄汚い視線を向けることすら許さんぞ、ガラクタ」

海斗が言葉を失っていると、今度は冷徹な、刃物のような声が響いた。

「……神宮。いつまでその『借り物の椅子』に座っているつもり?」

碧は、能力の宇隠で海斗に話す。

西園寺 澪(さいおんじ れい)さん。亡き前任の後釜として選ばれた熱田神宮の代行者様よ。名門の血筋を誇る彼女は、家系不明の成り上がりである私や分家の愛を公然と蔑んでいるのよ』

(熱田神宮も日本五代神社の一つじゃねぇか!)

そう思っている海斗をよそに西園寺は、

「三種の神器の末端に触れる私たちが、なぜ貴女のような泥棒猫と同じ席に座らねばならないの? 反吐が出るわ。……あら、連れているのは新しい『ゴミ』かしら?」

一瞥して鼻で笑う西園寺。碧はそれに対し、表情一つ変えずにタブレットを閉じた。

(……最強の味方はドS。唯一の理解者は見捨ててくる。そして新しく出てきた連中は、殺す気満々の過保護か、嫌味な名門エリートかよ……俺の人生、詰みすぎだろ!)

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