↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[愛の形、孤独の形]Episode Crys&Pearl  作者: Emotional
3章『法ここに非ず』
PR
46/60

#43『Destination』

〈本能の街、?????〉



『ん?どうした』


ダマスケナが祈りを捧げる中、ふと背後から気配を感じ振り向く。するとそこには、操作盤に吊られた烏を1羽引き摺る少女が居た。


『リマイトが死んだ。』


『こらこら、あまり神聖な聖堂の中でそんな直球な言葉を吐くんじゃない。』


『...ごめんなさい』


『分かればいいんだ。それで、それだけじゃないんだろう?』


『—――そろそろ、襲撃が来ると思う。』


『......そうか。』


『—―?驚かない?』


『あぁ。まぁ、少なくとも、今の俺達に太刀打ちできる手段は無い。だが、策が何もない訳では無いからな。そうだろう?』


『—―――!!忘れてた。』


『ハッハッハ。それに、エリナも協力してくれるだろうさ。まぁ、その先に待つのは奴らにとっての破滅、俺達にとっての救済だけだがな』



〈本能の街、入口〉



再び街の入口の戻ったカルサイトは、無線でエリナと繋ぐ。


「—――って訳だ。んで、ちょっと頼みついでにいくつか聞きてぇことがあってな。」


≪あぁ。どうした?≫


「あんたの言う情報筋ってやつは、人で合ってるか?」


≪あぁ、人だよ。ただ戦闘には向かないから、諜報員として雇っている。≫


「んじゃあよ、さっき言った奴で、情報を集めて貰うのって出来るか?」


≪うーむ......敵地のど真ん中とまでは難しいかもしれんが、相談してみよう。≫


「んじゃあ、一応もう一つな。珊瑚とトリカは、生存していた。ってか、本能の街の主がトリカだ。」


≪—――そうか。≫


カルサイトからの1報に、エリナはしばらく黙り込んでいた。


≪カルサイト。≫


「なんだ?」


≪—――いくら時が経ったとしても、彼らが謀反者である事には変わりない。本能の街は、そうして出来たのだからな。だから、後は分かるな?≫


「.........あぁ。」


≪頼んだぞ。≫


エリナはそう言うと、無線を切った。


「—――結局、分からずじまいか......俺は、どうすりゃいいんだ?」


カルサイトはしばらくここからも見えるタワーの頂上の方を見つめた後、本能の街に戻った。



〈本能の街中央部、武器庫前〉



「っすー......」


トリカは街の人々を全員集めると、武器庫の前に配置した木箱の上に立ち、メガホンを構えた。

その中にはオーキッドもおり、彼女は見慣れない黒い装甲を纏っていた。


「あれ、その装備どうしたの?」


「あぁ、これですの?これなら、ドロマーと言うおじさまが、わたくしの機関銃を改良してくださいましたの。ボディーガードに護られずとも、これなら機関銃を握るよりも素早く動けますし、ある程度の攻撃なら防げますわ!」


「鎧、重くないのか?」


「機関銃って1発撃つだけで人によっては余裕で後ろに倒れますのよ?それを普段から扱っているのですから、これくらいドレスを着るより軽いですわ!」


「かっこいい!」


「ふふっ♪初めて言われましたわ!」


「はいそこ!人が折角指揮を執って喋ろうとした時に喋らない!!」


「あ、すいません...えへへ」


トリカは改めて一呼吸置くと、メガホンのスイッチを入れた。いつの間にかカルサイトも街の入口から戻って来ており、珊瑚の居る位置とちょうど反対の建物の壁に寄り掛かった。


「さてと、俺らは本能の街の連中だ!!堅苦しいしきたりだの何だのはめんどくせぇから、こういう段上での社交辞令だのなんだのは全部端折る!!言いたい事は一つだ!!貸したもんはきっちり返してもらう!!いいな!!!!」


「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」」


「うるせぇ!!騒いだら今からカチコミに行くのがバレんだろうが!!!!!!」


「えぇ......」

「何のための指揮だよ......」

「ふふっ、本能の街の主って意外と面白い方なんですのね」


「とにかく!!返しさっさと済ませんぞ!!!!決行は夕方!!解散!!!!」


トリカがそう言うと、本能の街の住人達はぞろぞろと元の場所に戻って行った。トリカが木箱から降りると、珊瑚とカルサイト、クリス、パール、オーキッド達が残った。


「そんで、なんで夕方なんだ?」


「こんだけ騒いだら連中も警戒すんだろ。だから、そっから少し経った後なら、ちょっとくらいは油断して、そっからパニックにでもなってくれてたらラッキーってだけだ。大した意味は無いさ。そんで?あんたらはなんかあんのか?」


「......なぁ、俺らって、あの石に関する事件を巡って、その元凶を討つってのが目的だったよな?こんなあっさりいけるもんなのか?」


「さぁな。でもよぉ、これ以上なんか出来るか?街の人間の中にも、行方不明になった奴が少しずつ増えてってるし、急いだ方が良いだろ。」


「—――それもそうだな。」


カルサイトは頭の中の問いを1つ消化したが、それでも頭のもやは晴れずに居た。


「—――なんか悩みがあるなら言え。これでも、元同僚なんだしな」


「—――だったら、俺らはなんでこうして目的を同じにして、同じ方向を向いて、同じもんを相手してるってのに、対立しなきゃならねぇんだ?」


「......」


トリカは沈黙を貫く。隣に居た珊瑚は少し考えた後、口を開いた。


「なぁトリカ、」


「ん?どした」


「俺はよ、そろそろ話しても良いんじゃねぇかって思うんだ」


「—――理由は?」


「これは仮説の話だが、これだけ何も動きが無いにしてもだぞ。『もし、続いてるとしたら』だ。それに、俺らは俺らが正しいと思った事をした結果、今の俺らがある訳だ。だったら、今のカルサイトになら、話しても良いと俺は思うんだが。」


「......そうか。」


トリカは微笑むと、ポケットから棒付きキャンディーを取り出し、1度噛み砕いた。


「—―じゃあ、カルサイトに1つだけ質問だ。」


『お前はエリナを裏切れるか?』


「—――あ?」


「どういう事ですの?」


「オーキッド、ちょっとこっち」


クリスとパールは3人の置かれている状況を悟ると、オーキッドを他の場所に移すと共に、本質には触れず軽く事情を話し、戻って来た。


「あんたが知ろうとしてる事は、それと同等の事だ。これを知れば間違いなくあんたも私達みてぇに始末される。それと、あんたは、「私らを」裏切らねぇ保証があるか分かんねぇからな。」


「......」


「カルサイト......?」


「...俺は、何にも知らねぇよ。いつもそうだ。皆、俺の知らねぇ所で、どっか行っちまう。だから、そうならない様に指揮を執っていた。姉貴も、お前らも。ゾイサイトも。皆俺に何も言わねぇでどっか行っちまった。誰も俺を信用なんかしちゃあくれねぇ。なんでだ?俺が、「エリナに拾われた赤子」だったからか?」


  To be continued.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。