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[愛の形、孤独の形]Episode Crys&Pearl  作者: 情緒不安定
1章『愛を望む双子』
11/16

#11『ブラックジャック/ルーレット』

「...とりあえず、ルールは分かったわ。」


「それで、やるのか?」


「うーん...私は遠慮しとくわ。」


「ほぉ?お前さん達随分退屈そうだな。安定ばっか取ってちゃ人生面白くなんねぇぜ?」


「...分かったわよ。じゃあやってやろうじゃない」


「ちょっろ。」


「悪い!!?」


ゾイサイトは一度席を立ったが、挑発にあっさり乗せられチップを交換して戻って来た。


「それでは、始めましょうか。」


ディーラーはカードを配り始める。男は1+5で6、カルサイトは3と6で9、ゾイサイトはQと1で21となった。


「お前...やるな。ビギナーズラックってやつか。」


「どういうこと?」


「1は先程お伝えした通り11も兼ねていますので、貴方の合計は21となります。」


「じゃあ、勝ちって事ね」


「まだ分からんぞ。ディーラーが21を出せば―――って」


言ったそばから、ディーラーの出した数字はK(キング)と1となった。


「え、負け?」


「いや、引き分けだ。俺とこいつだけチップ没収される。お前はチップ返還だ。」


「へッ、次は勝つぜ」


「まだやりますか?」


その後は、皆平等に勝ち負けが続いたが、気付けばチップは半分近くまで減っていた。


「うーん......席変えるか。」


「それでは、カラーアップを行いましょう。」


「カラーアップ?」


「はい。チップにも種類があり、上の位と同じ値分下の位のものを持っている場合、上の位に交換するというシステムです。要するにチップの整理ですね。」


「そうか。じゃあ、頼む」


「意外と骨のあるやつじゃねぇか。気に入ったぜ。またやろうや」


2人は席を立つと、今度は奥の方にある席に着いた。そこにも1人座っており、カルサイトは1つ跨いだ席に着いた。


「あら、カップルのお客さん?」


「カカっ、カップルですって!?」


「ハァ......変に焦ると余計ややこしくなるからやめろ。ただの連れだ。」


赤面するゾイサイトの横で、カルサイトが冷静に静止を促す。


「へぇ......そこの人、結構楽しめそうね。」


「それでは、始めます。」


ここのディーラーも先程と変わらず、淡々と優しい口調で延べる。

ゲームを始めてみると、初っ端からディーラーが勝利を重ね、あっさりチップが無くなってしまった。


「はぁ...?イカサマじゃないの!?」


「まぁまぁ見てなさい貴方達、取り返してあげるわ。」


「え?」


「貴方達すごい勢いでチップを溶かすんですもの、それを見てて笑わずにはいられないわ。まぁ、その気概を買ってあげるって事ね。」


一緒に座っていた女性が賭け始める。最初は拮抗していたが、すぐに流れが訪れ、気付けば女性の隣にはチップの山が出来ていた。


「ほら、この1列持ってって良いわよ」


「ありがとう...ございます?」


「いいのよ。」


2人はその場を後にし、チップを紙幣に変換した。


「最終的にはマイナスだな。ってか、やけに少なくねぇか?」


「カジノってそう言うものでしょ?それを誤魔化す為のチップよ」


「まぁ、それもそうか。一旦入口戻るぞ。」


2人はエントランスに戻り、他2人が戻るのを待つ事にした。



〈カジノ2階、ルーレットエリア〉



カラコロと心地の良い音が鳴り、思わず円盤の上で転がる球を目で追ってしまう。


「そういえばパールさん、今おいくつですか?」


「ん?1ヶげ―――18だよ?」


「えぇ!?じゃあゲームできないじゃないですか!?」


「そうなの?」


「せめて20は行ってないと...」


「ん?そこの嬢ちゃん、もしかして未成年?」


「すみません、この娘は私の妹で、」


パールがマーカサイトの発言に疑問を持つよりも先に、耳に着けている無線から目の前で喋っているはずのマーカサイト声がした。


(合わせてください。立ち回りやすいように努力しますから)


パールはマーカサイトの発言と同時に耳に入った声に疑問を抱いたが、とりあえずは演じる事にした。


「へぇ、まぁ事情は聞かないでおくよ。それで?姉ちゃんの方はやるのかい?」


「はい。っと言っても、ルーレットは初めてで...」


「そうかいそうかい。じゃあチップ交換して来な。俺がルール教えてやるよ!」


「ありがとうございます、行きましょうか。」


(こちらから出す情報は最小限に、極力名前も出さないようにしてください。)


「うん!」


マーカサイトはチップを交換すると、先程の男の居る卓に戻った。


「よし、来たな。それじゃあ教えてやるよ。っといってもそこまで難しくねぇ。ホイールに投げ込まれたボールが、何処の番号に入るか当てるってだけだ。カードゲームみたいに実力が絡まず、平等に勝負出来るってんで、結構人気なんだぜ?」


「なるほど...赤と黒があるのも、関係あるんですか?」


「あぁ。良い質問だ。単純に数字を当てるだけでもいいんだが、それだと難し過ぎるだろ?だから、赤か黒の数字だったり、奇数(ODD)か偶数(EVEN)で賭けたりな?

そこの表にある「1st12」「2nd12」「3rd12」ってのは、36を3等分したどれかの数に入るって感じだ。それと似たので、「1to18(LOW)」と「19to36(HIGH)」ってのもある。これは前半の数字か後半の数字かって話だ。」


「なるほど...意外と簡単?」


「あぁ。それに、複雑なルールなんかも存在しない。ただ、ディーラーがノーモアベット(no more bet)って言うまでに賭ければ良いだけだ。他にもいろいろ賭け方があるが―――話してるだけじゃ面白くない。やってみた方が早いだろう。ほら、チップを置きな。」


2人は卓を囲う。


「どうする?お姉~ちゃんっ」


「えぇ!?あぁ、そ、そうですね。確率的には―――ん?」


マーカサイトは表の端に、0と00と書かれたものを見かける


「0と00というのは?」


「あぁ。さっき言った1から36のどれにも、赤にも黒にも該当しない数だ。これが出たら全員負け、この店だと、そうなってるな。場所によっちゃあそれに賭けれる場所もあるらしい。」


「なるほど...とりあえず、「19to36(HIGH)」に入れてみます」


「初っ端1000チップかい、攻めるねぇ。じゃあ俺は、真ん中の「2to1」に賭けるぜ」


「そこは...もしかして、縦1列ですか?」


「ご名答!その通りだ。表の見方は完璧みたいだな」


「貴方は何処に入ると思います?」


「うーん......じゃあ、「24」!!」


「いきなり1本勝負かい!?若いにしては度胸あるじゃねぇか!」


そう言っている内に、ディーラーが賭けを締め切り、ホイールが回転を始める。白く軽い球が投げ込まれ、カラコロと心地の良い音を立てた後、ポケットに収まった。ディーラーがルーレットをゆっくり止めると、球は24に入っていた。


「すごいです!!」


「マジか......」


結果はHIGHに賭けたマーカサイトと、ピンポイントに24に賭けたパールの勝ちとなった。


「1/2は1倍、単一賭けは35倍だ。やるじゃねぇか!」


その後も何度か賭けを行い、男はバランスよく勝ち負けが分かれたが、パールは凄い勢いでマーカサイトのチップを増やして行った。


「へぇ......?なぁあんたら、当てすぎるのは悪い事じゃねぇが、周りに疑いの目を向けられちまうからな。—――そうだ、ちょっと一緒に来な。休憩がてらちょっと話そうや。」


3人は卓を離れると、1階にあるバーへと案内された。


  To be continued.

ルーレット、払い戻し倍率


1つの番号:35倍

2つの番号:17倍

3つの番号:11倍

4つの番号:8倍

6つの番号:5倍

楯列12個:2倍

1st12:2倍(2nd、3rdも同様)

1to18:1倍(19to36も同様)

EVEN/ODD:1倍

赤or黒:1倍

(倍率は、元の賭け金に加えて得られる数)

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