デミトリウス東方異聞録2
'"外気温はマイナス35℃です。大丈夫ですか?"
「あぁ、特に問題ないよ。ここから一番近い集落はどこかい?」
'"そこから北西に30kmで大きめの集落があります"
「ならまずはそこを目指すか。僕はあまりこの辺り詳しくないから国民性と背景を教えてくれ」
'"今私たちがいるのはハプネという島国です。主要大陸とは離れておりそれほど攻め込まれてはないようです。なので外敵よりも同国内の戦争が多いようです。"
「同国内?ずいぶんと血気盛んだね」
'"彼らは人間同士や妖怪との戦争が起きています"
「妖怪?なんだいそれは?」
'"怪物のような存在です。村人を誘拐したりもっと被害の大きいことも起きています。"
「こっちの怪物は知らないから楽しみだね」
'"何かサンプルがあれは持ち帰ってください。ヴァルデミリアンが強くなります"
「そうだね。何か精のつくものでもプレゼントしよう」
デミトリウスはしばらく雪道を歩くと集落を見つける。
「お、あそこか。念のため宣教師の格好でもするか」
'"とりあえずハプネの言葉はインストールしていますが、最新版ではありません"
村を徘徊していると、自警団に止められる。
「何者だ?」
「私は宣教師として派遣されてきました」
「宣教師?そんな話受けていないぞ」
「はい。当日に行けと言われたので」
そのやり取りを見ていた武士が助け舟を出す。
「まぁまぁこんな吹雪の中で話すのも大変だし、一旦、長のとこに行こう」
一番大きい屋敷に通され大広間に待たされる。数分すると5人の男と二人の女が入ってきた。
「我が名は阿曽沼信辰、この辺を治めている。お前は誰だ?」
「私の名前はデミトリウス。イーザス会の宣教師を
しております。」
「今はどこもかしこもイザース会じゃのう。新しい神がきてるのに悩みは尽きない」
「何かお困り事でも?」
「そうじゃな!まずは酒を飲むか!」
信辰は破顔し、デミトリウスを受け入れる。
男衆とは打ち解けたが、女衆は離れたままだった。
その一人の首元には霊的な蛇が巻かれていたのをデミトリウスは見逃さなかった。




