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歪しい人の愛し方  作者: お麩の府


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4話 事前準備

1日1話17時くらいの投稿をしようと思っていたのですが

1話は流石に少ないよなぁと思い毎日2話ずつ投下していこうかな。とか考えてます。

これでも少ない気もするのですがどうなのでしょうか。

結構先まで原稿あるので投下したい気持ちもあって悩み中です

 入学式の夜、俺は自室にて自分のスマホの前で考え込んでいた。


「これって電話で伝えるべきなのか?……いや、でもわざわざ電話で伝えるのは夜だし申し訳ないな……。とりあえずメッセージ送って様子見するか。その時の反応次第だな。うん、そうしよう」


 今まででもメッセージ自体のやり取りはあったしビデオ通話とかも普通にしてはいたのだがそういう時は毎回ナツから提案をされていた。俺からメッセージを送る機会はかなり少なく、対面で会った時に話せば良くねとなってしまい自分からはあまりメッセージを送らないのだ。


「まさかここでその弊害が出るとは……」


 時刻は既に21時。流石に電話から始めるのは迷惑だと思うのでメッセージだけを送ることにした。

『7時くらいに起きて7時25分くらいに家出るつもりなんだけど、7時半に今日解散したところ集合で大丈夫?』

 寝てる可能性もあるため今決める事はあまり想定していなかったのだが、メッセージを送った瞬間に既読が付き少し驚く。


「起きてたのか…まぁ今決められるのに越した事は無いか」


 ベッドに寝っ転がりながらナツの返信を待っていると、窓ガラスに何かが当たる音がした。

 カーテンを開けて外を確認すると、外は遠くが見えない程に大雨だった。


「そういえばニュースで明日から暫く大雨が続く的な事言ってたな……」


 雨の日は電車がめちゃくちゃ混むらしい。渋谷行きは特にやばいらしい。ほぼ毎日電車通勤してる母が言うのだから間違いないだろう。

 俺は慌てて集合時刻を早める事を伝えようと視線をスマホに戻すと、既にナツから返信が来ていた。

『明日から大雨だから早めの方が良くない?7時集合にしてちょっと早めに行こうよ。早めに行っても特に問題は無いと思うしさ。どう?』

 流石としか言いようがないが、ナツは俺の言いたかった事を先回りして全部言ってくれていた。予知能力でもあるのだろうか。

『じゃあそうしよう。早めに教室行って駄弁ってれば問題無いしな』

 俺は1年2組─この学校では42R─なのだが、ナツとはクラスが離れてしまい彼女は2つ隣のクラスである1年4組─44R─だ。なのでこういう校内で一緒に話せる機会は地味に貴重だったりする。

 ちなみにRというのはROOMの事で、何故4から始まるのかと言うと、駒場台高校は中等部もあり校舎が繋がっているため高校1年は4年生という扱いだからだ。

 駒場台高校は学校の形状が円環状になっていて、高校棟と中学棟で分かれているのだがその2つの校舎を渡り廊下が繋いでいるとなっている。中学棟の1階部分が中学生徒会の生徒会室と中高共用の食堂、2階部分に中高共用の職員室があり3階が中3、5階が中1の教室となっている。高校棟の方は1階に保健室、応接室、高校生徒会の生徒会室、学長室が集まっていて2階が高3、4階が高1の教室となっている。

 メッセージを送るとナツはそれに賛成なのかOKと書いてある可愛らしい猫のスタンプを送ってきた。

『りょうかーい!待ってるね!』

 ナツの元気の良い返信に一抹の安心感を覚え、リアクションを付けてスマホを閉じようとした所でスマホがブルブルと震えた。

 画面を確認するとそれはRIME通話に支配されていて、着信主の名前と猫のアイコンが大きく表示されていた。


「どうしたんだ?」


 何か口頭で伝えなければいけないことでもあるのだろうか。

 ナツからの着信に出て用件を確認したが一切応答が無い。ミュートにでもなってるのかと思い画面を見るとビデオをONにするか否かの項目が出ており、どうやらただの通話ではなくビデオ通話をご所望らしい。

 とりあえずビデオをONにすると画面の向こうには見慣れたモコモコの寝間着姿のナツが居た。相変わらず暖かそうな格好してるな…。


「どうしたんだ?何かあった?」


 するとナツは笑顔で口を開いた。


「ハル君が忘れ物してないかなーって思って。事前にちゃんと確認しておかないとハル君ってすぐ忘れ物するじゃん?だから事前確認ってやつ」


 確かに俺はよく忘れ物をするし、その度にナツが助けてくれてる。

選択授業で俺が美術、ナツが音楽を選んでいた中学時代でも絵の具を忘れた俺のために絵の具を貸してくれた時は流石の準備の良さに驚いたものだ。アレはどこから出してきたのだろうか。そして何故持っていたのだろうか。

 このように俺はいつもナツに助けられていて、今回もその手助けの一環なのだろう。


「うい、わざわざありがとな。一応明日はガイダンスが主らしいし忘れ物してもあんまり問題無いと思う……けど荷物はちゃんと準備した、はず」


 俺は一応の確認のために鞄を開いて明日持って行くものを口頭でナツに伝えた。

 説明し終えるとナツは満足気に画面の前で親指を上に突き立てた。


「おっけー!それなら大丈夫だね。もし何か必要になるものあったら言ってね。貸したげるからさ」

「いつもすまんな、本当に助かってる」


 彼女の厚意は手厚すぎて最早広辞苑サイズである。備えあれば嬉しいなとかいうレベルではなく備えしかなくて逆に怖い。ほぼ未来予知&4次元ポケット所持者のそれである。

 感謝の意を伝えると彼女の笑顔はより幸せそうなものになっているのが見て分かる。

 そこで通話を終えるはずだったのだが、何故か知らないが話が弾んでしまいその後数時間にわたって通話を続けてしまった。そして通話が終わる頃には日が変わっていた。


「流石にそろそろ寝るか」

「ねー、もう日変わっちゃってるし。早すぎ」


 本当に一瞬だった。仲の良い人間との話は時間の流れが数倍になっている気がする。

 明日も学校があるため通話を終え、部屋の電気を消して目を瞑った。

 明日楽しみだな〜。


ここまで読んでいただきありがとうございます。


感想、ブクマ等々してくださるとモチベーションの維持になるのでありがたいです!

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