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仁以千絵君へ                        二〇〇一年九月一六日

相変わらずの仁以千絵節だね。恐れ入ったよ。僕は中学校に入った途端、君がぺしゃんこに潰れてしまわないかと心配したけれど、案外タフにやっているようだね。

 同級生の葬式があったんだ。同じクラスで、時々言葉を交わす奴だったんだけれど、一年生から大学受験を想定した授業についていけなくなって自殺したらしい。机の上に遺書もあった。まだ僕らは高校入学して半年も経っていないのにね。でも、もう半年したら文理選択しなければいけない。それからもう一年経ったら受験する大学を選ばなければいけない。自分の実力がはっきり示される時が迫って来る恐怖に耐えきれなかったのかもしれない。いや、ただ単に勉強のしすぎでノイローゼになったのかも。毎日毎日絶え間なく積木をそーっと積み上げていくように、授業と学習に集中していなければいけないことに疲れたのかもしれない。人生には流れがあるって言ったけれど、流れに乗っていくことにこんなにしんどい思いをさせられたら、その流れが流れていく方向にはっきりした意味を見いだせないと、思った以上に人は脆いかもしれない。僕は亡くなった子に自分を重ね合わせて、葬式の雰囲気にも押されて泣いてしまったよ。

                                    圭太より


ps. 2年と3ヶ月も手紙を途絶えさせてしまって本当にごめん。正直忘れてたんだ。



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