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圭太君へ 一九九四年一〇月五日
そうだよ。僕もそれくらいのじかくはあるさ。でも、僕のそんな考え方は世の中とそりがあわないんだ。これを僕の母親に言ったら、「じゃあ、考え方を変えなさい。あんたの考え方はかたすぎる」って言われるだろうね。何のえんりょもないくちょうで。お母さんは僕の周りにたいする、じゅうじゅんなようでうけ入れてない、やわらかく世の中とけあっていないたいどが気に入らないんだ。行動ばかりか心のそこから自分のいとにそった人間にしたいんだ。女の子にはきっとそういう母親のいとをくんだようなかんじの子がいるけれど、それもかわいそうだけれど、お母さんは男の僕にそんなようきゅうをするんだよね。お母さんはとにもかくにも、僕のじそんしんをきずつけたり、もしくはそぐような方向性でものを言うんだ。一体子供に対するどういう教育なんだろうね。ところで、前に、僕がようちえんじの時に言った「自分がいちばん正しいと思っているふし」という意味を表す言葉。これは「独善的」だ。
仁以千絵より




