表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/64

019 弊社

『突然のお電話申し訳ございません。先日は弊社(へいしゃ)主催の大会にご参加いただき、ありがとうございました。重ねまして優勝と全国大会出場おめでとうございます。』



―――弊社主催…?あ、インテグラルってあのインテグラルか!



数学用語ではなく、会社名の方。インテグラル社は、FPSの開発運営を手掛ける巨大企業だ。



「あ、ありがとうございます。」



『今、お時間よろしいでしょうか?』



「はい。」



『突然のお願いで大変恐縮(きょうしゅく)なのですが、弊社の方へお越しいただくことは可能でしょうか?もちろんご都合の良いときで構いませんし、交通費等も弊社で負担させていただきます。』



交通費まで出してもらえるとは、何だか変な申し出だ。何か問題でもあったのだろうか。



「あの…どういったご用件で…?」



『はい。大会でのゲームプレイにつきまして、少しお話をお伺いできればということでして。保護者様とご一緒にご足労そくろういただけるとありがたいのですが…。』



確かに未成年一人を呼び出すわけにもいかないのだろう。



「あ、えっと。両親、共働きでして…。しばらく都合がつかないんです。」



おそらく月単位で予定がつかないと思う。



左様(さよう)でございますか…。そうしましたら、弊社から書類をお送りさせていただきますので、そちらにお目通しいただいてもよろしいでしょうか?』



「はい。すみません。」



『とんでもございません。お忙しいところお手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。』



「はい。」



『では、失礼いたします。』



何だか背筋が伸びている。こういう電話は緊張するのだ。



「うん?何かあったのかい?」



「おっちゃん。実は今電話があって…かくかくしかじかで…。」



こういうときは相談。俺一人で考えていても、結論は出ないし解決もしない。まさかチートを疑われているとか、そういうわけではないと思うが、あんまり気分の良いものではない。



「なるほど。まあ、何かあったらこのお店に来てもらえば良いんじゃないかい?俺がいるし。」



なんと心強い。とりあえず父に連絡してみよう。母にかけると国際電話になるため、いろいろと大変なのだ。



「ありがとうございます。ひとまず父に連絡してみますね。」



「うん。あ、(こう)ちゃん…じゃなかった、お父さん元気?」



父とおっちゃんは同い年で、小中高と同じ学校に通っていたそう。そんな事情もあって、俺はこのゲームセンターに入り浸る日々を送っているのだ。



「はい。日本中飛び回ってます。」



文字通り、飛び回っている。



「相変わらず忙しそうだな。まあ、無理せんようにって伝えておいてくれ。」



「あはは…ありがとうございます。伝えておきます。」



いずれにせよ、この時間はまだ仕事中のはず。家に帰ってから電話してみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ