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生成AIにTRPGやらせてみた [SWIFTALE]  作者: もあいぬ
長編リプレイ:Claude…「ハント・ザ・ヴァンパイア!」
PR
61/63

AI-GM【Claude Opus 5.5】ハント・ザ・ヴァンパイア! (7/9)

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プレイヤー

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イルゼに、胸の痣と伯爵のことを尋ねる


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GM (Claude Opus 5.5)

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裁定: 不要(会話と情報提示です)


マルタはイルゼを寝台の縁に座らせ、自分もその隣に腰を下ろしました。

「イルゼさま。お辛いでしょうが、その胸の痣と、伯爵のことを教えていただけますか」

イルゼは黒い痣にそっと手を当て、しばらく目を伏せていました。


「これは、あの人の命の半分です」

「百年前、あの人はわたしの病を癒やすと言って、わたしに自分の血を飲ませました」

「そのとき、自分の命の半分をわたしの胸に移したのです。自分が棺の中で眠っているあいだも、決して滅びないように」

少女の声が、かすかに震えます。

「あの人の半分は棺に、もう半分はわたしに。どちらか片方だけを滅ぼしても、残ったほうがもう片方をよみがえらせてしまいます」

「ですから、ふたつを同じときに断たなければならないのです」


マルタは静かにうなずきました。

「そして、その痣を断てば、イルゼさまは……」

イルゼは顔を上げ、穏やかに微笑みました。

「わたしは、百年前に死ぬはずだった娘です。この痣が、わたしをこの世につなぎとめているだけ」

「どうか、ためらわないでください。わたしは、お父さまとフェリクスのところへ行きたいのです」

その紅い瞳には、もう迷いはありませんでした。


「それから、もうひとつ」

イルゼは窓の外、城の中心にそびえる本丸を見やりました。

「百年前、あの人をこの城に招き入れたのは、父でした」

「グラウフェルスの当主の招きがあったから、あの人はこの城のどの戸口でもくぐれるのです」

「わたしは、最後に残ったグラウフェルスの血です。大広間の当主の座で、わたしがその招きを取り消せば……」

「あの人は、この城の中で、もうどの部屋にも入れなくなるはずです。自分の棺の置かれた墓所にさえも」


窓の外で、陽が西へ傾き始めていました。

イルゼは、首筋の刻印に目を留めて眉を曇らせます。

「日が沈めば、あの人は目を覚まします。そして、あなたを迎えに来るでしょう」

「扉の外の影も、日暮れとともにあの人の体へ戻ります。そうなれば、鏡の前は空になりますが、今度は本物が来るのです」


■■【状態表示】

■Turn 20

場所/時間/目的: グラウフェルス城・尖塔の最上階、花嫁の間/昼下がり(日が傾き始めた)/ラザール伯の討伐(棺とイルゼの痣を同時に断つ)

PC: マルタ(聖堂教会のエクソシスト。生真面目で丁寧、棒術と神聖魔法の使い手)

固定ルール: ラザール伯は日中、地下墓所の棺で眠っている(日暮れとともに目覚める)/伯爵は流れる水を渡れず、招かれぬ戸口をくぐれず、銀と聖印に焼かれる/伯爵の命の半分は棺に、もう半分はイルゼの胸の痣にある。両方を同時に断たなければ、残ったほうがよみがえらせる/痣を断てば、イルゼも主の御許へ旅立つ(本人は望んでいる)/大広間の当主の座で、イルゼが招きを取り消せば、伯爵は城のどの部屋にも入れなくなる/「伯爵の影」は日暮れとともに伯爵の体へ戻る/マルタの首に伯爵の刻印がある

HP 4 / SP 2 / Tension 5

所持品: メイス、ロザリオ(神聖魔法の触媒)、聖水×2、エルザの祈祷書、エルザの外套(銀のロケットは扉の敷居ぎわに落ちている)

現在の危機/障害:

日暮れとともに目覚め、マルタを迎えに来る伯爵

満身創痍の体と、扉の外の「伯爵の影」

■■【行動候補】

1.【安全】花嫁の間で小休息をとる ― 影の入れないこの部屋で、HPとSPを1ずつ回復する/日暮れがさらに近づく/コストなし

2.【標準】ロケットを取り戻して鏡を割り、イルゼを連れて大広間の当主の座を目指す ― 日暮れ前に招きを取り消し、伯爵を封じ込める/弱った体で、影を相手取り、イルゼを守りながら城館を下ることになる/コストなし

3.【有利作り】日暮れまでこの部屋に籠もり、影が消えるのを待ってから動く ― 影と戦わずに尖塔を下りられる/そのときには、本物の伯爵が目覚めて迫ってくる/コストなし

4.【危険】イルゼを連れ、地下の礼拝堂へ急いで引き返す ― 聖域で大休息をとり、態勢を立て直してから決戦に臨む/日暮れまでに間に合わなければ、途中で伯爵に追いつかれる/コストなし


――自由行動も歓迎します。


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プレイヤー

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消耗しすぎましたね。この花嫁の間で、小休息をとらせていただきます。


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GM (Claude Opus 5.5)

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裁定: 不要(小休息。影は花嫁の間に入れず、切迫した戦闘はありません)


「消耗しすぎましたね」

マルタは小さく息をつき、寝台の脇の床に腰を下ろしました。

「イルゼさま。しばしのあいだ、この部屋をお借りいたします」

イルゼはうなずき、寝台の天蓋から白いレースを一枚ほどきました。

「背中を。わたしに縛らせてください」


少女の指は冷たく、けれど驚くほど器用でした。

レースを幾重にも折り、爪痕の上にきつく巻きつけていきます。

血の匂いに、イルゼの喉が一度だけ小さく鳴りました。

それでも、その手は最後まで震えませんでした。

「……百年前は、よくフェリクスの傷を手当てしていたのです。剣の稽古で、いつも擦り傷だらけだったから」

「お上手です。修道院の施療院でも、十分にやっていけますよ」

イルゼは、ほんの少しだけ笑いました。


マルタはロザリオを握り、目を閉じて短く祈りました。

首筋の刻印が、祈りに逆らうように冷たく疼きます。

それでも、胸の奥にかすかな温もりが戻ってきました。

イルゼが、小さな声で子守唄を口ずさみ始めます。

今度は呪いを抑えるためではなく、ただ傷ついた客人を眠らせるための歌でした。


どれほど経ったでしょうか。

目を開けると、窓から差し込む光が、橙色に変わっていました。

西の山の端に、陽が近づいています。

扉の外で、黒い霧がゆらゆらと揺れていました。

その輪郭が、先ほどよりも薄くなっています。

日が沈めば、影は本体へ帰るのです。

そして、本体が棺から起き上がります。

首筋の刻印が、それを待ちわびるように、とくん、と脈打ちました。


■■【状態表示】

■Turn 21

場所/時間/目的: グラウフェルス城・尖塔の最上階、花嫁の間/夕刻(日没が近い)/ラザール伯の討伐(棺とイルゼの痣を同時に断つ)

PC: マルタ(聖堂教会のエクソシスト。生真面目で丁寧、棒術と神聖魔法の使い手)

固定ルール: ラザール伯は日暮れとともに目覚める/伯爵は流れる水を渡れず、招かれぬ戸口をくぐれず、銀と聖印に焼かれる/伯爵の命の半分は棺に、もう半分はイルゼの胸の痣にある。両方を同時に断たなければならない/痣を断てば、イルゼも主の御許へ旅立つ(本人は望んでいる)/大広間の当主の座で、イルゼが招きを取り消せば、伯爵は城のどの部屋にも入れなくなる/「伯爵の影」は日暮れとともに伯爵の体へ戻る/マルタの首に伯爵の刻印がある/小休息は連続して取れない

HP 5 / SP 3 / Tension 6(傷の手当ては済んだが、日没が迫っている)

所持品: メイス、ロザリオ(神聖魔法の触媒)、聖水×2、エルザの祈祷書、エルザの外套(銀のロケットは扉の敷居ぎわに落ちている)

現在の危機/障害:

日没とともに目覚め、刻印をたどってやって来る伯爵

薄れつつある「伯爵の影」と、敷居ぎわのロケット

■■【行動候補】

1.【安全】メイスの柄でロケットを手繰り寄せ、日没を待って影が消えてから部屋を出る ― 影と戦わずに銀を取り戻し、尖塔を下りる/そのころには伯爵が目覚め、城館のどこかで鉢合わせるおそれ/コストなし

2.【標準】ロケットを拾って鏡を割り、イルゼを連れて大広間の当主の座へ急ぐ ― 伯爵が目覚める前に、招きを取り消す/薄れたとはいえ、影と戦うことになる/コストなし

3.【有利作り】イルゼとともに、この部屋で伯爵を迎え撃つ策を練る ― 招かれぬ戸口をくぐれない伯爵は、この部屋に入れないはず。籠城しつつ、次の手を考える/刻印を通じて、伯爵が別の手を打ってくるかもしれない/コストなし

4.【危険】影を無視して前室を駆け抜け、日没前に地下墓所の棺へ直行する ― 伯爵が目覚める前に、棺を清めにかかる/イルゼの痣と同時に断たなければ意味がなく、段取りが崩れるおそれ/コストなし


――自由行動も歓迎します。


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プレイヤー

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ロケットを拾って鏡を割り、イルゼを連れて大広間の当主の座へ急ぎます。


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GM (Claude Opus 5.5)

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■■【裁定ログ(前半)】

行動: 敷居ぎわのロケットを拾い、そのまま前室の鏡を叩き割る。影を消してから、イルゼを連れて大広間の当主の座へ急ぐ

判定種別: 対抗ロール(「伯爵の影」が、鏡を守ろうと能動的に阻むため)

基準値 X: 4(危機的行動:強大な魔の存在の前での強行)

有利要因:

日没が近く、影は薄れて力が弱まっている +2

銀で鏡を割れば影は消える。弱点を知ったうえでの一撃である +2

不利要因:

血を吸われ、体はまだ万全からほど遠い −1

影は霧になって素早く動き、ロケットを拾う手元を狙ってくる −1

背後のイルゼにも気を配らなければならない −1

修正値合計 Y: 4 − 3 = +1

算式: W = 4 + 1 + (PCの出目 − NPCの出目)


■■【ダイスロール(対抗)】

PCの出目: 1

NPCの出目: 3

差: −2

■■【裁定ログ(後半)】

最終裁定値 W: 4 + 1 − 2 = 3

結果: 部分成功

コスト: なし(部分成功の代償として、影に足止めされて日が沈み、伯爵が目を覚ます)

■■結果要約: ロケットを拾い、鏡を叩き割りました。影は消えましたが、もみ合ううちに陽が沈みきり、地下の棺で伯爵が目を覚ましています。


マルタは扉の脇に身を寄せ、敷居の向こうへ右手を伸ばしました。

指先が銀の鎖に触れた瞬間、黒い霧が手首に絡みつきます。

「返してもらおう」

氷のような冷たさが腕を這い上がってきました。

マルタは歯を食いしばり、鎖を握りしめたまま腕を引き戻します。

霧が裂け、ロケットが掌の中に収まりました。


そのまま前室へ躍り出ます。

影の伯爵が、鏡の前に立ちはだかりました。

薄れかけた体で、それでも外套を広げて鏡を覆い隠そうとします。

「退きなさい」

マルタはロケットを握った右の拳を、メイスの柄ごと突き出しました。

影は霧となってほどけ、拳の前から逃れます。

ですが、霧は拳にまとわりつき、腕を押し戻そうとしてきました。

一瞬、二瞬。

薄い霧だというのに、腕が鉛のように重くなります。

窓の外で、橙色の光が紫へ沈んでいくのが見えました。


「――主よ!」

マルタは全身の重みを拳に乗せ、霧ごと鏡面へ叩きつけました。

銀が黒檀の枠の中心に食い込みます。

鏡面に蜘蛛の巣のようなひびが走り、次の瞬間、甲高い音を立てて砕け散りました。

影の伯爵が、声にならない叫びを上げます。

黒い霧が千々に裂け、吹き抜ける風に乗って螺旋階段を下へ、下へと流れ落ちていきました。

本体のもとへ帰っていくのです。


同時に、窓の外から最後の陽の光が消えました。

城の奥深くから、重い石の擦れる音が響きます。

棺の蓋が開く音でした。

マルタの首筋の刻印が、焼けるように熱くなりました。

頭の中に、あの声が直接響いてきます。

『目覚めの挨拶が、鏡の割れる音とはな。すぐに行く。花嫁とともに、そこで待っているがいい』


イルゼが扉口に駆け寄ってきました。

その胸の黒い痣が、どくり、どくりと激しく脈打っています。

「あの人が……起きました」


■■【状態表示】

■Turn 22

場所/時間/目的: グラウフェルス城・尖塔の最上階、前室/日没直後/大広間の当主の座へ向かう(最終目的:ラザール伯の討伐)

PC: マルタ(聖堂教会のエクソシスト。生真面目で丁寧、棒術と神聖魔法の使い手)

固定ルール: ラザール伯は目覚めた/伯爵は流れる水を渡れず、招かれぬ戸口をくぐれず、銀と聖印に焼かれる/伯爵の命の半分は棺に、もう半分はイルゼの胸の痣にある。両方を同時に断たなければならない/痣を断てば、イルゼも主の御許へ旅立つ(本人は望んでいる)/大広間の当主の座で、イルゼが招きを取り消せば、伯爵は城のどの部屋にも入れなくなる/マルタの首の刻印を通じて、伯爵はマルタの居場所を知り、声を届けてくる/鏡は割れ、影は消えた

HP 5 / SP 3 / Tension 8(伯爵が目覚め、こちらへ向かってくる)

所持品: メイス、ロザリオ(神聖魔法の触媒)、聖水×2、エルザの祈祷書、エルザの外套、フェリクスの銀のロケット

現在の危機/障害:

目覚めて、刻印をたどって迫るラザール伯

大広間の当主の座までの、長い下り道

■■【行動候補】

1.【安全】花嫁の間へ戻って籠城する ― 招かれぬ戸口をくぐれない伯爵は、この部屋に入れないはず/閉じこもれば、伯爵はほかの手を使ってくる。当主の座には近づけない/コストなし

2.【標準】イルゼの手を取り、螺旋階段を大広間へ急ぐ ― 伯爵より先に当主の座へたどり着き、招きを取り消す/階段の途中で伯爵と鉢合わせるおそれ/コストなし

3.【有利作り】聖水を螺旋階段の一段に撒いて、足止めの結界を作ってから下りる ― 伯爵が下から上がってきても、しばらく足止めできる/貴重な聖水を1本使う/聖水−1

4.【危険】鐘楼の大鐘を鳴らし、伯爵の注意をそちらへ引きつけてから、外壁伝いに下りる ― 刻印で居場所を知られていても、鐘の轟音で城の魔物たちを攪乱する/外壁は高く、落ちれば命はない/SP-2


――自由行動も歓迎します。


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プレイヤー

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ここはひとつ、賭けに出ましょう。

身体強化のうえで、イルゼさまを抱きあげ、螺旋階段を飛び降り、大広間へと急ぎます!


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GM (Claude Opus 5.5)

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■■【裁定ログ(前半)】

行動: 身体強化をかけてイルゼを抱き上げ、螺旋階段の吹き抜けを踊り場から踊り場へ飛び降りて、伯爵より先に大広間へたどり着く

判定種別: 対抗ロール(目覚めた伯爵が、大広間を目指す二人と先を争うため)

基準値 X: 4(危機的行動:吹き抜けを飛び降りながらの、強大な魔の存在との競争)

有利要因:

身体強化で脚力と体の強さが大きく増す +2

螺旋階段を回らず、吹き抜けを一直線に下りる近道である +2

イルゼの体は驚くほど軽く、しっかりしがみついてくれる +1

不利要因:

目覚めたばかりの伯爵の、人ならぬ速さ −2

血を失った体は、まだ万全からほど遠い −1

薄暗い吹き抜けには、腐った床や梁が残っている −1

修正値合計 Y: 5 − 4 = +1

算式: W = 4 + 1 + (PCの出目 − NPCの出目)

コスト: SP−2


■■【ダイスロール(対抗)】

PCの出目: 3

NPCの出目: 1

差: +2

■■【裁定ログ(後半)】

最終裁定値 W: 4 + 1 + 2 = 7

結果: 成功

コスト: SP−2

■■結果要約: 賭けに勝ちました。吹き抜けを一気に飛び降り、伯爵より先に大広間へたどり着いています。イルゼは当主の座の前に立ちました。


(※※※よっしゃあ! 相手のダイス出目の悪さに救われたわね。)


「イルゼさま、失礼いたします」

「え――」

マルタはイルゼの体をひょいと横抱きにしました。

ロザリオを握りしめ、短く祈ります。

「主よ、この身に翼を」

全身に熱が走り、萎えかけていた脚に力がみなぎりました。

「しっかりおつかまりください。少々、揺れますので」


マルタは螺旋階段の手すりを蹴り、吹き抜けの闇へ身を躍らせました。

イルゼが小さく悲鳴を上げ、マルタの首にしがみつきます。

ひとつ下の踊り場の縁に爪先をかけ、勢いを殺さずにまた跳びます。

鐘楼の大穴を、真上から一直線に抜けました。

足元をかすめて、腐った梁が崩れ落ちていきます。

踊り場から踊り場へ。

石壁を蹴り、手すりを踏み台にして、螺旋の中心をまっすぐに落ちていきます。

耳元で風が鳴り、外套が大きくはためきました。


最後の数段を飛び越え、マルタは大広間の石の床に着地しました。

膝をつき、衝撃を全身で受け止めます。

腕の中のイルゼは、目を丸くしたまま無事でした。

「……あなたって、ほんとうに修道女なの?」

「エクソシストです。少々、体を使う務めでして」


大広間は、夕闇に沈んでいました。

倒れた柱と崩れた壁の向こう、広間の最奥の一段高い場所に、古い玉座があります。

背もたれには、グラウフェルスの竜の紋章が刻まれていました。

当主の座です。

マルタはイルゼを下ろし、その背をそっと押しました。

イルゼは花嫁衣装の裾をつまみ、玉座の前の段を一歩ずつ上っていきます。


そのとき、大広間の反対側、地下へ続く扉が、内側から吹き飛びました。

黒い霧と蝙蝠の群れが渦を巻いてあふれ出し、ひとつの人影を結びます。

黒い外套に、血の色の裏地。

今度は影ではありません。

蒼白い顔に、紅い眼。

ラザール伯その人でした。

「待っていろと言ったはずだが」

伯爵は玉座の前のイルゼを見て、はじめて笑みを消しました。

「何をするつもりだ、花嫁よ」


■■【状態表示】

■Turn 23

場所/時間/目的: グラウフェルス城・城館の大広間(当主の座の前)/日没直後/イルゼに招きを取り消させる(最終目的:ラザール伯の討伐)

PC: マルタ(聖堂教会のエクソシスト。生真面目で丁寧、棒術と神聖魔法の使い手)

固定ルール: ラザール伯は目覚めた/伯爵は流れる水を渡れず、招かれぬ戸口をくぐれず、銀と聖印に焼かれる/伯爵の命の半分は棺に、もう半分はイルゼの胸の痣にある。両方を同時に断たなければならない/痣を断てば、イルゼも主の御許へ旅立つ(本人は望んでいる)/イルゼが当主の座で招きを取り消せば、伯爵は城のどの部屋にも入れなくなる(取り消しの言葉を言い終えるまで、時間がかかる)/マルタの首の刻印を通じて、伯爵はマルタの居場所を知っている

HP 5 / SP 1 / Tension 7(伯爵より先に当主の座に着いたが、本人が大広間に現れた)

所持品: メイス、ロザリオ(神聖魔法の触媒)、聖水×2、エルザの祈祷書、エルザの外套、フェリクスの銀のロケット

現在の危機/障害:

大広間に現れたラザール伯本人

当主の座で、招きを取り消そうとするイルゼ(言い終えるまでの時間稼ぎが必要)

■■【行動候補】

1.【安全】玉座の段の前に立ち、ロザリオを掲げて伯爵を牽制する ― 聖印で伯爵を近づけず、イルゼが言い終えるまでの時間を稼ぐ/伯爵が蝙蝠や霧を使って回り込んでくるかもしれない/コストなし

2.【標準】伯爵に言葉を投げ、注意をこちらに引きつける ― 「歓待作法が今一つの主殿、ようやくお目にかかれましたね」と挑発し、イルゼから目をそらさせる/挑発に乗った伯爵の一撃を、まともに受けるおそれ/コストなし

3.【有利作り】聖水を1本、伯爵とイルゼのあいだの床に撒き、聖なる境界を作る ― 伯爵が玉座に近づけないよう、道を塞ぐ/聖水を1本使い、伯爵がほかの手段を探してくる/聖水−1

4.【危険】銀のロケットを握り、伯爵に打ちかかる ― 銀の一撃で、伯爵を足止めする/弱りきった体で、本物の伯爵と真っ向から打ち合うことになる/コストなし


――自由行動も歓迎します。


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プレイヤー

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玉座の段の前に立ち、ロザリオを掲げて伯爵を牽制する。


お引きなさい御客人。この座の主は、イルゼさまにおわします。


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GM (Claude Opus 5.5)

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■■【裁定ログ(前半)】

行動: 玉座の段の前に立ちはだかり、ロザリオを掲げて伯爵を牽制し、イルゼが招きを取り消すまでの時間を稼ぐ

判定種別: 対抗ロール(伯爵が能動的に玉座へ迫ろうとするため)

基準値 X: 4(危機的行動:強大な魔の存在を相手取っての足止め)

有利要因:

伯爵の身は聖印に焼かれる。掲げたロザリオは、近づくこと自体をためらわせる +2

ここは当主の座の前であり、伯爵はあくまで招かれた客にすぎない。主の座を背にした言葉には重みがある +1

不利要因:

目覚めたばかりの伯爵は、マルタの血も得て力に満ちている −2

血を失い、力もほとんど使い果たしている −1

伯爵は霧や蝙蝠に姿を変え、回り込んでくるおそれがある −1

修正値合計 Y: 3 − 4 = −1

算式: W = 4 − 1 + (PCの出目 − NPCの出目)


■■【ダイスロール(対抗)】

PCの出目: 2

NPCの出目: 3

差: −1

■■【裁定ログ(後半)】

最終裁定値 W: 4 − 1 − 1 = 2

結果: 失敗

コスト: なし(行動コスト)/失敗の帰結として HP−1

■■結果要約: 伯爵は蝙蝠の群れになってロザリオの光を迂回し、マルタを弾き飛ばして玉座の段へ回り込みました。取り消しの言葉を言い終える前に、イルゼの口が塞がれています。


(※※※ぐぬぬ。台詞はバッチリ決まったんだけどなぁ……。)


マルタは玉座の段の前に立ち、ロザリオを高く掲げました。

「お引きなさい、御客人」

凛とした声が、崩れた大広間に響きます。

「この座の主は、イルゼさまにおわします」

銀の十字架から、白い光が扇のように広がりました。


伯爵の足が、光の手前で止まります。

蒼白い頬に、焼けたような赤い筋が走りました。

「主、だと」

伯爵は低く笑いました。

「百年、この城を治めてきたのは私だ。あの娘は、私が生かしてやっている花嫁にすぎん」

背後で、イルゼが玉座に腰を下ろす気配がします。

「グラウフェルスの当主イルゼが、ここに告げます。百年前、父がラザール伯に与えた招きを――」


その瞬間、伯爵の体がはじけました。

何百という蝙蝠が、黒い奔流となって大広間に広がります。

ロザリオの光を避けて左右に分かれ、天井を這い、倒れた柱の陰をすり抜けていきます。

マルタは光を振り向けますが、群れのすべては捉えきれません。

横合いから、蝙蝠の塊が弾丸のように叩きつけてきました。

マルタの体が宙に浮き、玉座の段から数歩先の床に投げ出されます。

肩をしたたかに打ちつけ、息が詰まりました。


顔を上げると、玉座の傍らで蝙蝠の群れがふたたび人の形を結んでいました。

伯爵の白い手が、背後からイルゼの口を覆っています。

もう片方の手は、少女の細い喉にかかっていました。

「――取り消す、と言うつもりだったか」

伯爵は、イルゼの耳元でささやきました。

「言わせんよ。おまえの口は、もう私のものだ」

イルゼの紅い瞳が、必死にマルタを見つめています。

その胸の黒い痣が、伯爵の手に呼応するように激しく脈打っていました。


■■【状態表示】

■Turn 24

場所/時間/目的: グラウフェルス城・城館の大広間(当主の座)/日没直後/イルゼに招きを取り消させる(最終目的:ラザール伯の討伐)

PC: マルタ(聖堂教会のエクソシスト。生真面目で丁寧、棒術と神聖魔法の使い手)

固定ルール: ラザール伯は目覚めた/伯爵は流れる水を渡れず、招かれぬ戸口をくぐれず、銀と聖印に焼かれる/伯爵の命の半分は棺に、もう半分はイルゼの胸の痣にある。両方を同時に断たなければならない/痣を断てば、イルゼも主の御許へ旅立つ(本人は望んでいる)/イルゼが当主の座で招きを取り消せば、伯爵は城のどの部屋にも入れなくなる(取り消しの言葉は途中で遮られた)/伯爵は蝙蝠の群れに姿を変える/マルタの首の刻印を通じて、伯爵はマルタの居場所を知っている

HP 4 / SP 1 / Tension 10(伯爵がイルゼの口を塞ぎ、喉に手をかけている)

所持品: メイス、ロザリオ(神聖魔法の触媒)、聖水×2、エルザの祈祷書、エルザの外套、フェリクスの銀のロケット

現在の危機/障害:

玉座の傍らで、イルゼの口と喉を押さえる伯爵

途中で遮られた、招きの取り消し

■■【行動候補】

1.【安全】伯爵に交渉を持ちかける ― 「イルゼさまをお放しなさい。代わりに、わたくしがあなたの侍女になりましょう」と申し出て、手を緩めさせる隙を探る/伯爵が本気で受けるかもしれない/コストなし

2.【標準】銀のロケットを、伯爵のイルゼの口を塞ぐ手めがけて投げつける ― 銀で手を焼き、イルゼの口を自由にする/外せば唯一の銀を失い、イルゼに当たれば少女も焼ける/コストなし

3.【有利作り】聖水を1本、伯爵の顔めがけて投げつける ― 聖水で伯爵をひるませ、イルゼを放させる/霧になってかわされるかもしれない/聖水−1

4.【危険】最後の力で身体強化し、伯爵に体ごとぶつかってイルゼを引きはがす ― 力ずくでイルゼを取り戻す/力を使い果たし、伯爵の反撃をまともに受ける/SP-1、HP-1


――自由行動も歓迎します。

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