天空の頂きドラゴンゲートです!!
「……ここが。天空の頂き……ドラゴンゲート……。」
そびえ立つ竜の門。《ドラゴンゲート》はるか天空、雲の上に鎮座する竜の神々が住まう世界と繋がっている門。
この世界で重要な役割を果たすであろうその場所へ何故、初心者いや始めたてのプレイヤーであるリリーがそこに居るかと言うと話は2時間前へと遡る。
◇◆◇
「ねぇ、イリスさーん。まだー〜…。ずっと飛んでるんだけど、どこにもそんな扉見当たんないよ〜」ミニマップは愚か、視界の先の何処にも竜の扉であるドラゴンゲートが見当たらず、散策を粘り強く続けている最中である。
「……このエリアにあるはずなのです……。」
「もー、それしか言わないじゃんさっきから〜うーん……。もうコレ、こっから先はプレイヤー自身が解決するパートなんだろうなぁ……。」
「はぁ、闘うのは特異なんだけどこーゆうお使い滅茶苦茶苦手……。んー、どこだろ。」
リリーが今いる場所は高レベ帯のモンスターが潜むエリア『ゲベーテン渓谷』
イリスの導きによってエリア移動を行い、ホームワールド、妖精の国 《フェアリリティ》から竜の国ドラグニール帝国 《ドラガンド》へ移動したのである。
そこから、妖精の羽根を使いイリスがマップに指し示す場所へと全速前進した結果がこれである。
この渓谷までの道案内は完璧であったが、進行方向を指し示すガイドはここに来た時点で無くなっており、ここから先はプレイヤーのリリーの直感に委ねられた。
「んー、んむむ。前を突っ切ったってなかったでしょ〜。上から俯瞰してもなんの変哲もない岩と洞窟と……強そうなモンスター……。」
「んー。洞窟はだだっ広いだけで、なんもなかったし……。」
「……まだ行ってない場所……。」
『『あっ!!!』』
人が居るような場所では無いが、人目を気にせず1人、大声を上げるリリー。
突然何かを閃き、それを言葉として呟き口にする。
「上だ! うん、上!! あと完全に探してないのは上だ。」
「このワールドの人も竜人だし、上に設定されててもおかしくないよね。よぉし!!」
「ふぇありーーるっ、ウィング!! 再び全力展開!!」
──シュバッ!!
……──ビュン!!
空中で何も無い空を蹴り、そこから一気に跳躍しさらに上に上に跳ね上がる。
銃から発射された物凄い勢いの弾丸のように身体はどんどん加速していく。
もう、この移動方法のキャラコンになれたのか、空気抵抗に邪魔されない用に羽根の角度佐へ調整して加速を図った。
──そして。雲を突き抜け、街が小さくなる程の高さまで上っていく。
そうすると、黙り込んでいたイリスが突然喋り出す。
「……リリー、あれを……!!」
「え、……。どうしたの? って、あぁ!!」
空にそびえる、鉄銅の扉。
扉には赤い竜の紋章が刻まれ、雲の上にどしんと構えているそれは、圧倒的な威圧感をこちらへと向けているようだった。
「これが……。ドラゴンゲート……。なの……。」
固唾を飲む。その扉の大きさは我々人間が通るようなそんなミニマムな大きさではなく、フィクションの世界に存在しているであろう竜が使う竜専用の扉であろう大木さん。
そう、その大きさから分かるように人がくぐるようなものでは無いのだ。
「さあ、イリス行こっ!! やっと見つけたんだからあなたのお願い、叶えて貰わないとね!」
「……。 ありがとう、リリー。貴女を選んで正解でした。さあ、扉へ。」
「うん!! よし、行こっ!!」
──ゴゴゴ、ゴ。
天空の頂き、そこに君臨するこの世界の謎を秘めていると言われるドラグニールの地のはるか空に顕現している『ドラゴンゲート』そこへと今、至ったのである。
「えぇと、お邪魔しまーす。」
……──ギィ。
その人間の力では決してあげることが出来ないであろう、扉が自然と開き、様子を見ながら中へとゆっくり入っていく。
暗闇、視界の全てが闇に包まれる。
「くらー〜、よいしょっと。……おっけ、これで。」
──フォン。
暗闇や深夜ライトがない場所で行動する時に使うであろう消耗品アイテム『つよ火の松明』を装備する。
「……ここ、かな……。うん、きっとここだ。イリス? ここで合ってるかな」
リリーが階段を降りた先で見つけた大きなエリアの中心にある魔法陣の上へと、辿り着いた。
「ありがとう……。ございます、リリー。これで……。ついに戻ってこれました。さ、私のソウルアイテムをここへ。」
「えっ、? イリスをここへ置けば良いの? 分かったよいしょっと。」
──フォオオオン!!
イリスを小さな祭壇の上に置くと直ぐさまそれに床の大きな魔法陣が発動する。
ゴゴゴゴ。
天井にまで届く光の柱が放射され、周辺がそれに呼応して揺れ動き、霊竜の魂が少しづつ実体へと、変化していき翼を持つ大きな白き竜が召喚される。
「──……えっ!!!! これが──……。イリスの本当の……姿──」
羽ばたくその大きく雄大な翼が闇を照らすように輝いた──……。その輝きはまるで夜空に浮かぶ星空のようであった。




