ベータ版終了のその前に……。で・す・ね!
「えっ、ちょ!! ツバキー! ツバキちゃん!?」
「あっ、あ。あうぅ。あ、リリーさん」
「良かった……。やっと起きた。どう? 体調大丈夫?」
「……。ひっ、ひぃいいい」
──……飛び起きた瞬間、カサカサと小動物の様な俊敏さで天敵を見るかのような視線を向け、超速スピードでリリーの傍から離れる。
慌てたせいか大きな木にドシンとぶつかりファイアリンゴがポコポコと落ちてきた。
「アッチ!! アチチ! アチチチチ」
「あわわ、あわわ!! あぅうう……。」
──……なんだろうこの子もしかしたら滅茶苦茶面白い子かもしれない。
「あはは!! 別に私はただ目的を持って楽しくゲームをやりたいだけだから、安心して。さ、折角のベータ版、時間いっぱいまで楽しく遊ぼ!!!」
「えっ──……。わっ!! ちょ!! リリーさん!? はわっ!!」
──……ふわぁっ。
種族、フェアリルの【特殊移動】:飛行で光の翼を展開しツバキをお姫様抱っこ。
その身体はとても華奢でとても軽い。
「かっる。ツバキちゃんちゃんとご飯食べてる? それとも私のSTR……もしかして高すぎ!?」
「もぅ……。ちゃんと食べてますよぉ……。」
「ほんとにー? 良いなぁ。こんなに軽くて……。羨ましいよ、そ・れ・に……。こっ、このふわふわの胸も……。ぐ、ぐへへ」
「わっ、ちょ!! 見ないで下さい!!」
ツバキの魔法使いローブのインナーがやたらと露出が激しく、無い胸を気にしているリリーはその大きな胸を凝視する。
「はぁ……。いいや。虚しいからやめよ。」
「そうして下さい……。はぁ、スキン変えよ……。すっごい薄いし寒いですしこれ……。」
見た感じ、ローブはそこそこの性能のものであったが始まったばかりのせいかインナーにまで手が回らないのかやたらとそれは薄くペラペラな服でチープな作りであった。
「って!! そんな事はどうでもいいですよ!! あのこれ、今どこに向かってるんですか!? リリーさん!!」
「ん? 安心してー。なんか良い狩場か釣り場を探してテキトーに。」
「わっ!! それは有難いです!! ぜひ案内してください! なるべくゴールドが稼げそうな場所を……!!」
さっきまで、嫌悪の視線を向けていたツバキのめの色がガラリと変わり憧憬の眼差しを向ける。
「へへーん!! いーでしょ。この移動手段。気持ちいいし 早いし。低レベルからこの移動手段使えるのかなりのアドバンテージだよね!!」
「えぇ!! この空の風も気持ちいですね。ふふっ、その新しい種族、えーと。フェアリルでしたっけ。絶対話題になりますね! 私も使ってみたいなぁ……。」
「まーね。やるまえ事前情報全然確認しなくて、手始めに使ってみたけど滅茶苦茶当たりだったかも!」
「あっ!! ほら着いたよ! ツバキ。」
「えっ! もう!? って、ここ。狩場じゃないですけど……。わっ、でも!!」
「ふふーん。そうだよ、リリーDgoツアー第1回ステージはここでーす!!」
《始まりのエリア―秘境の地―:そよかぜの花畑》
「わあぁぁ !! いい匂い!」
「ふふ。摘も!! ローブのインナー作るんでしょ? 防具クラフトに装飾は付き物だもんね!! 滅茶苦茶可愛い花探そ!」
「リリーさん!! うっうぐっ……。」
「あはは!! ツバキかわいーな! はは。」
ツバキはとても感情豊かな少女で涙脆い。
──ぶわっと、大きい子犬のような目がうるうるとしてまるでそれは宝石のようである。
2人は誰もほかのユーザーが来ない様な穴場の花畑で装飾用のアイテムを夢中で探し、そして数時間が経った。
リリーは欲張りな性格であり、初期のアイテムボックスが故にそれいつ使うの? レベルでたんまり華や草木を採取した。
「あはは、リリーさんパンパンに詰め込みましたね。」
「うん!! 満足!! あれ? ツバキはそれだけで良いの?」
「はい!! 今の所そんなに防具は大量に作る気は無いので、必要分だけ。」
「よしっ!! でも採れてよかったね!! 」
「はい、おかげでとても満足しました。」
「よぉし!!」
「わっ、わわわ!! また移動ですか!? リリーさん」
「うん!! まだまだ付き合ってもらうよー!!」
──ヒュン!!
次の目的地を目指し、リリーによる気まぐれVRツアーは続くのであった……。
2話連続公開でした。
次の月曜更新分から『Dgo本サービス開始』編、新章が始まります。
引き続き本作を楽しみにして頂けたらなと。それでは。




