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お疲れなアラサー着物女子、推し活旅で推し友の神対応に癒された件  作者: 藍紫


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その4 突然の大ハプニング、推し活より凄っ!

お時間早いですが

その4 突然の大ハプニング、推し活より凄っ!

投稿します。

読んで頂けると嬉しいです。

「うっわぁ、ワクワクするのう。

今日はいよいよハニミルのモモ君に会えるのじゃ!」

「そうだよ、天子ちゃん。大坂に行ってグッズを買うのに並んでさ〜そんで握手会もあるからさ」

「なんと!そんな素晴らしい会もあるのか!モモ君を目の前で見たら私は倒れてしまうんじゃあ……」

「いやいや、本当に気絶した人いたみたいだよ〜」


二人は朝食を食べた後、荷物をまとめている。

今日はハニミルグッズを買った後、漫画喫茶の個室を予約する。

昨日買った素敵な着物に着替え、ヘアメイクをしたら握手会とライブに参戦するのだ。


「うん、ライブ迄のタイムスケジュールもバッチリだよ。私達!」

「そうか。では楽しんでいくとしよう」


今日も空は晴れ、爽やかな秋風が吹いている。

二人は大坂に向かって、少し早めの昼食に定番たこ焼きを食べ、続けてお好み焼きも食べる。

「グッズにも並ぶし、体力つけなきゃ……ね。天子ちゃん!」

「ふふふ、良い口実ができたな美和ちゃん。

でも大坂は食い道楽じゃからの!」


二人で食べながら写真も沢山撮った。

「何だか暗い所で撮っても明るく撮れるね〜。

綺麗に撮れてるけどさ」

「そうか。良かったの」

「あはは。だね〜」


お互い、二日前に会った者同士とは思えなかった。

何をやっても、昨日みたいに財布を忘れたり、すみれ堂でのトラブルみたいなことがあっても、結局楽しくなる。

(こんなに気が合う子、滅多にいないよ)

美和はもう推し活よりも、天子といることが楽しくなっていた。


「私、天子ちゃんに会えて良かった。まだ会って間もないけど、今迄のどんな友達よりも一緒にいると楽しいの」

「美和ちゃん!私にとって美和ちゃんは初めての友達だ。ずっとずっと一緒にいたい。まぁそうはいかんが……」

「また、二人で会おうよ。東京にも行ってみたい着物屋さん、沢山あるし」

「そうか!それは是非行きたいの」

「いいね!うわぁ、また楽しみが出来たよ。

これでまた仕事頑張れるよ」

「私も仕事頑張るぞ」

天子ちゃんが笑顔で答えると、また何だか周りが明るくなった気がした。


「天子ちゃんってそう言えば、お仕事何してるの?

私は看護師。今は健康相談コールセンターだけどね」

「おっ?前の心達と同じじゃな。結構多いのかな」

「前の?以前の知り合いってこと?

割と看護師の子って多いかもよ」


「そうか。私の仕事はな、うん。こうな、人々の応援をする仕事じゃな。そしてこれという奴にはより上手くいくように応援する……」

「まさかそれってスポンサーや後援会ってこと?

凄い!やっぱり天子ちゃんてお金持ちのケタが違うんだね〜」

「う〜ん金持ちかはよう分からんが、そんな感じの仕事じゃ」

「そっかぁ。あ、ハニミルのグッズ売り場着いたよ!」


二人はハニーミルクのグッズ売り場に到着した。

「まだ12時すぎなのに13時から販売スタートで、もうこんなに並んでるよ〜」

「仕方がないのう、やはり人気が出てきている証拠なのか。美和ちゃんいざ、参るぞ!」

「うん、参るぞ!うふふ」


二人は待っている間も話が尽きなかった。いつの間にか美和は、半年前の婚約者の裏切りも天子に話していた。


「……そうか。それは辛かったのう、美和ちゃん」

「うん、でもそんな若い子に走る奴なんてこっちから願い下げだよ。逆に結婚前で良かったかも」

「うん。それはそうかも知れんが美和ちゃん、とても傷ついたじゃろう?」

「え〜、あんな男の為に傷つく?あれっ?やだ、なんで?」

美和は知らないうちに涙が出てきている自分に気がついた。

「美和ちゃん、やっと自分の心に優しくなれたの。

悲しい時はちゃんと泣かないとな。心が麻痺してしまうぞ。さあ、これを使うのじゃ」

「……ひっく」

天子ちゃんがそっとハンカチを渡す。


(私、元彼を悪者扱いばかりしてた。自分が可哀想で悔しすぎて、今迄気持ちに蓋をしてたんだ。

とても悲しくて辛かったのに……)

「私、推しのモモ君に会う前に自分の気持ちに気がついて良かった。モモ君に沢山癒してもらうよ!

天子ちゃんもありがと」

「そうじゃ美和ちゃん!こういう時はやはり推し活。

握手会とライブでモモ君に癒されるのじゃ!」

二人はまた笑顔になった。


日が高くなるにつれて、気温が上がり何だか夏のようにムシムシしてきた。

「暑いの……」

「天子ちゃん、はい凍らせてたスポーツドリンクと使い捨てクールタオル。推し活の暑さ対策は万全よ!」

「ありがとう。さすがじゃの」

(暑いけどあと少しで、押しのグッズが買える……)二人はいや、そこにいる全員がそんな思いで並んでいた。


あと少しで推し活グッズを購入する番になった時、後ろの方から大きな声がした。

「きゃあ!人が倒れた!」

「わ〜!」

声を聞いて、美和がハッとする。

(あと二人で自分達の番がくる……だけど、だけど!やっぱり私はほっとけない!)

天子ちゃんも美和を見ている。

「行こう、天子ちゃん!」

「うん、行こう美和ちゃん!」


二人は声のする方へ駆け出した。

他の皆は列から離れるとグッズが買えなくなる為か、誰も動かない。

倒れた女性に、周りの人だけが大丈夫かと声をかけていた。

「大丈夫ですか?」

そう言いながら駆けつけた美和は脈を取る。

女性は40歳手前位だろうか?体がとても熱い。皮膚を押しても戻らない。

「はい、すいません……あれっ?」

女性は立ち上がろうとするが、上手く動けない。

意識も少しもうろうとしている。

「多分、熱中症だ……」

天子ちゃんが呼びに行った、主催スタッフも駆けつける。

「スタッフさん!救急車呼んで下さい!私は看護師です」

美和の素早い指示に、スタッフもすぐに従った。


「うぇ〜ん、お母さ〜ん」

見ると、小学生位の男の子が女性の服を持ち泣いている。その時救急車が到着した。

美和は救急隊員にバイタルサイン(全身状態を診る事)を伝える。

「お母さんは大丈夫よ。直ぐに病院へいけるわ。

僕、お名前は?」

「翔太」

「よし、お母さんと一緒に病院に行くよ」

「うん。お姉さんも一緒に行ってくれる?僕、一人じゃ怖いよ」

運営スタッフが、同行しようとするが、翔太はお姉さんじゃなきゃ嫌だと言って泣いている。

救急隊員からも誰か急いで同乗してと言われる。

「大丈夫だよ翔太君。一緒に行こう」

(しょうがない。予期せぬトラブルは慣れてるもの)

美和は腹を決め、救急車に同乗した。


「天子ちゃん、はいこれ!握手会とライブチケット。せめて私の分まで推し活してきて!」

「美和ちゃん……」

搬送される病院が決まった。

運営スタッフは車で救急車の後を追うことになり、救急車は病院に向かった。



……ライブが終了した頃、美和が運営スタッフの車で会場に帰ってきた。

「美和ちゃん!」

天子ちゃんが、運営スタッフと待っていた。

「大丈夫かの?美和ちゃんからの連絡で女性は落ち着いたと聞いたが」

「うん。やっぱり熱中症だったよ。

脱水も起こしてた。それでね、そこで妊娠してることがわかったの。早く病院に行けて良かったよ。

ただ、近くに家族が誰もいなくて。

出張先から旦那さんが来るまでずっと待ってたんだ。

だって、翔太君を一人置いて行けないよ。うっ……」

そこまで言うと、美和は天子ちゃんに抱きついて泣いた。

「美和ちゃん、実は私も握手会とライブは観なかったぞ」

「えっ!なぜ?」

「うん。私はやっぱり美和ちゃんと観たかったのだ。二人で推し活したかった。だから……うっ……」


「うわ〜ん!!」

二人は大声で泣いた。あんなに楽しみにしてたのに。

でも、倒れた女性と翔太君を二人とも放ってはおけなかったんだ。


◆


二人でひとしきり泣いたあと、天子が急にこう言った。


「美和ちゃん、今日から明日の夜までは時間は空いとるかの」

「うん……だって明日帰る予定だったし」

「よし、では……」

そう言うと、天子は美和の手をしっかり握り目を閉じる。すると、二人はまばゆい光に包まれて行く……

二人はふわりと宙に浮いた。


「美和ちゃん。私は異世界江戸の神様。弁天池の弁天なんじゃよ。これは私からの今回のお礼じゃ。

美和ちゃんには私の世界に行って、いっぱい楽しんでもらうぞ」


「え?ええええっ〜!!」


美和が驚いている間に、二人はキラキラ光る神の道を進み始めた。












次回の投稿は9月24日(木)19時です。

よろしくお願い致します。


ついに異世界江戸への旅。二人はどうなるのでしょうか?

このお話は「早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です!

のスピンオフになります。


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