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第8話 あっつい!!!!!

 結婚は断った。当たり前だ。

 戦場なんて行きたくない。


 でも、性欲がないわけではないのだ。


 こんなチャンスを逃すわけにはいかない。

 ひっじょーに楽しみである。


 服を脱ごうと、裾に手をかけるが、なにかすごい視線を感じる。


「……」


「……なんですか?」


「い、いや、なんでもない……」


 そう言って将軍は目を背けたが、どうにも変わらず、こちらをチラチラとみている。


「ほ、本当に一緒に入るのか……?」


「一緒に入ろうって言ったのは将軍では?」


「そ、そうなんだが」


 ――――――――あ、もしかして冗談だった?

 これはしまったなあ。冗談を真に受けたやばい人になっているではないか。


「いや、冗談でしたよね、申し訳ない」


「いや、冗談というか、半分本気というか……まさか、本当に脱ぐとは思わなんだ……」


 将軍は両手をもじもじとさせながら、なにかブツブツと呟いている。


「どうしてこんなに無防備なんだ……今までどうやって生きてきたんだ?」


「はい?」


「そんな無防備では、悪い女に襲われてしまうぞ?」


「あー……なるほど」


 この世界にもやはり悪い女がいるのだな。どの世界も変わらないということだ。

 きっと将軍は僕が美人局にあってしまうことを心配しているのだろう。


「やっぱり搾り取られる感じですか?(お金とか)」


「そうだな、搾り取られてしまうだろう(精気)」


 やはりそうか。

 確かに、僕も将軍のバケモノスタイルに魅せられてしまって、思考が単純化していた。

 将軍も今日あったばかりなのだ。気を付けなければ。


「なるほど、気を付けます」


「ああ、そうするといい」


「では、一番風呂は将軍、どうぞ」


「いやいや、君が先でいい」


「いえ、将軍は客人でありますから、一番風呂をお楽しみいただきたいです」


「そうか、ではお言葉に甘えて先に失礼しようか」


 そう言って将軍は豪快に服を脱ぎ捨てたかと思ったら、きれいにたたんで床に置い  て、露店風呂に向かっていった。


 しかし大胆な人だ、男の前であんなに迅速に服を脱ぐとは。

 やはり軍属になると、男だの女だのとは言っていられないのだろうか。


「おいおい、ここは温泉もでるのか?」


 将軍の豪快さに驚いていたら、将軍も温泉の露天風呂に驚いているようだ。


「はい、気持ちいいもんでしょ」


「なんてことだ……王都にある実家の風呂よりも気持ちがいいな……」


 どうやらご満悦のようだ。

 自分の家が褒められるのは気分がいい。


 僕は誇らしい気分になりながら、皿を洗った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おいおい、このベットはなんだ。ふかふかじゃないか」


 風呂から上がった将軍を本日のベットまで案内した。


「はい」


「なんてことだ……王都にある私のベットよりも居心地がいいぞ……」


 将軍は寝転がり、手でベットを押して反発具合を楽しんでいる。


「では、おやすみなさい」


「ああ、おやすみ」


 俺はベットの下にタオルを敷いて、寝ることにした。


「ちょっと待ってくれ、君はここで寝るのか?床で?」


「ええ、そうですが」


「それはよくない、私が床で寝よう」


「いや、それこそよくないでしょう、女性を下で寝せるなんて」


「何をバカなことを言っているんだ、いいから交代しよう」


「しかし、床は固いですよ?」


「じゃあ一緒に寝るしか……」


「いいですよ」


「いいの!?」


「逆にいいんですか?」


「もちろんだ!だが……やっぱり無防備すぎないか?」


「将軍はそういうこと(美人局)しないでしょ?」


「も、もちろんだ!安心してくれ、《《しない》》と約束しよう(搾精)」


 将軍がゴクリと唾を飲み込んだ音が聞こえた。


「じゃあ、失礼します……」


 僕は将軍の横に枕をおいて、添い寝の体勢になる。


 今日はすごく疲れた。

 隣に爆美女がいるにもかかわらず、どうにも性欲もわいてこない。


 体は睡眠を求めているようだ。


 段々と瞼も重く……重く……おも……


「だーーーーーーーい!!!!!」


 僕は布団を両手両足ではねのける


「ど、どうした!?やっぱり嫌だったか?」


「あっつい!」


「え?」


「将軍、体があっつい!」


 基礎体温が高すぎる!

 隣で一緒のお布団に入ってるとわかる。まぁわかる!


「ちょっとまっててください!布団を換えるから!」


「わざわざそんなことしなくても私が下で寝るから……」


「女性を床でなんて寝かせられないでしょ!」


「いやいや、別にそっちの方が普通というか……」


 僕はなにか言っている将軍を無視しつつ、布団を夏用の物に変える。いつもならまだ肌寒いが、将軍の横ならこれくらいでちょうどいいだろ。


「ああ、これで快適だ……」


 目論見通り、薄いタオルケット一枚でも将軍の熱気によって丁度寝るにはいい感じのコンディションになった。


 すぐに瞼が重くなってくる。


「……少年、今日は本当にありがとう。君の作ったご飯はとてもおいしかった」


 将軍がなんか言っているが、僕はもう眠くて眠くて、そうそうに意識を手放した。

 異世界生活二日目、おやすみ……


「であってまだ初日だが、私たちの相性はかなりいいものだと――――――」


――――――――――――――――――――――――――――――――――


「―――――――だからどうだろう、結婚のことを真面目に考えては……ってあれ?」


「……寝てる」


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