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「命を喰うレベルアップ ―僕は誰かの余命で強くなる―」  作者: 黒豚
第5章 それから

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第七十話 それぞれの道

第七十話です。

どうぞよろしくお願いします。


帝都を発ち、俺たちは、カレナを経由して、始まりの村へと、帰路についた。


道中、俺たちは、これまでのように、緊張感を持って、周囲を、警戒することは、ほとんど、なかった。


「なんだか、随分、平和な、旅ですね」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。この世界が、少しずつ、落ち着きを、取り戻してる証拠だと思います」


カレナに着くと、ヴォルグが、豪快に、俺たちを、出迎えてくれた。


「おお、また、会えたな! 帝都での、報告会、聞いたぞ。とんでもねえことに、なってるじゃねえか」


「はい、色々、ありました」


俺の言葉に、ヴォルグは、豪快に、笑った。


「お前さんたちが、この世界を、変えたんだ。誇っていい」


その言葉に、俺は、少し、照れくさくなった。


カレナで、少しの休息を取ったあと、俺たちは、最後の目的地――始まりの村へと、向かった。


村の門をくぐると、以前、あの、住人と巡礼者の対立が、あった頃とは、まるで違う、穏やかな空気が、村を、包んでいた。


「なんだか、雰囲気、良くなってますね」


タクトの言葉に、俺は、頷いた。


広場に、村人たちが、集まって、何やら、和やかに、話し合っている姿が、見えた。


「あ、リョウさん!」


以前、俺たちが、初めて登録した、あの受付の女性が、俺たちに、気づいて、駆け寄ってきた。


「お久しぶりです。村の様子、随分、落ち着いたみたいですね」


俺の言葉に、彼女は、微笑んだ。


「はい。あの、村の取り決め以来、住人と巡礼者の間で、少しずつ、良い関係が、築かれてきています。それに――」


彼女は、少し、嬉しそうに、続けた。


「新しいシステムのおかげで、巡礼者様たちの、負担も、随分、軽くなったみたいです。だからこそ、余裕を持って、私たち住人とも、関わってくれるように、なった気がします」


その言葉に、俺は、深い、満足感を、覚えた。


ギルドへと、向かうと、ガラムが、俺たちを、豪快に、迎えてくれた。


「おかえり。帝都からの、報告、こっちにも、届いてる。本当に、大したもんだ」


「ありがとうございます」


俺の言葉に、ガラムは、少し、真剣な表情に、なった。


「これから、どうするつもりだ、お前さんたちは」


その問いに、俺は、ユイ、タクト、クロトと、それぞれ、視線を、交わした。


「実は、まだ、はっきりとは、決めてないんです」


俺の答えに、ガラムは、頷いた。


「まあ、焦ることは、ない。ゆっくり、考えるといい」


その日の夜、俺たちは、久しぶりに、宿の一室で、これからのことを、話し合った。


「私、実は、少し、考えてることが、あるんです」


ユイが、そう、切り出した。


「聞かせてください」


「現実の方で、看護学校に、復帰することが、決まりました。だから――こっちでの活動は、少しずつ、減らしていこうと、思ってます」


その言葉に、俺は、静かに、頷いた。


「それは、良いことだと思います」


「でも、完全に、こっちを、離れるわけじゃ、ないです。時間が、できた時は、また、皆さんと、一緒に、活動したいです」


ユイの言葉に、俺は、微笑んだ。


「はい、待ってます」


タクトも、静かに、口を開いた。


「俺も、リハビリの、プログラムが、本格的に、始まります。だから、こっちでの活動も、少しずつ、ペースを、落とすことに、なると、思います」


「タクトさんも、頑張ってください」


俺の言葉に、タクトは、頷いた。


「はい。でも、いつか、また、皆さんと、一緒に、冒険したいです」


クロトが、腕を組みながら、言った。


「俺は、しばらく、この村に、残ろうと思う。新人の指導も、悪くないと、思ってな」


「クロトらしいですね」


俺の言葉に、クロトは、笑った。


「お前と、色々あって、俺も、少し、変わったんだと思う」


俺は、それぞれの、選択に、深く、頷いた。


「俺は――」


俺は、少し、間を置いてから、続けた。


「もう少し、この世界で、色んな場所を、見て回ろうと思います。まだ、知らないことが、たくさん、ある気がして」


俺の言葉に、皆が、それぞれ、頷いた。


「でも、現実の方も、ちゃんと、大切にしてください」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。母さんとの時間も、大切に、していきます」


窓の外、始まりの村の夜が、静かに、更けていく。それぞれが、それぞれの道を、歩み始めようとしていた。だが、その道は、決して、バラバラなものではなく、この、長い旅を通じて、築き上げてきた、確かな絆によって、繋がり続けているのだと、俺は、感じていた。


「明日、少し、この村を、案内してもらえませんか」


不意に、そう、切り出したのは、クロトだった。


「案内、というと」


「お前が、初めて、この世界に来た時のこと、詳しく、聞きたいんだ。俺は、途中から、しか、知らないからな」


その言葉に、俺は、少し、懐かしい、気持ちに、なった。


「はい、いいですよ」


翌朝、俺は、皆を連れて、この村での、思い出の場所を、一つ一つ、巡ることにした。ミラが、初めて、姿を現した場所。冒険者登録を、した、ギルドのカウンター。銀葉草を、採取した、丘。


「ここが、俺の、この世界での、始まりの場所です」


俺の言葉に、皆が、それぞれ、感慨深そうに、周囲を、見渡した。


「随分、遠くまで、来たもんだな」


クロトの呟きに、俺は、頷いた。


「はい。でも――ここに、また、こうして、戻ってこられて、良かったです」


夕暮れの光が、村を、優しく、照らしていく。俺たちの旅は、確かな、終わりへと、近づいていた。だが、その終わりは、決して、寂しいものではなく――新しい、それぞれの始まりへと、繋がる、確かな、区切りだった。

────────────────────

【ステータス】

名前:リョウ

LV:49

HP:318/318 MP:222/222

STR:200 VIT:167

AGI:193 INT:125


所持金:銀貨232枚

名声:1,620

満腹度:72/100


次のレベルまで:8,500/53,500


【冒険者ランク】

A


【装備】

胴:砂塵避けの軽装ローブ

武器:嵐風の双牙

足:革のブーツ

装飾:魔力の指輪

腕:風霊の腕輪

携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手(タクト)


【所持スキル】

・痛覚遮断

・看破の真眼

・植物知識・中級

・木工の心得・初級

・調合の心得・初級

・回復魔法・上級

・回避の心得・上級

・風纏・中級

・身体強化・中級

・文献解読・初級

・並列詠唱・上級

・対人戦の心得・初級

・灼熱耐性・初級

・風刃・初級

・調停の心得・初級


【称号】

・一線を越えた者

・世界の歪みを正した者

・簒奪者

・世界の選択者

────────────────────


最後まで読んでいただきありがとうございました。

それぞれの、これからの道。

そして、始まりの場所への、静かな巡礼。

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