第七十話 それぞれの道
第七十話です。
どうぞよろしくお願いします。
帝都を発ち、俺たちは、カレナを経由して、始まりの村へと、帰路についた。
道中、俺たちは、これまでのように、緊張感を持って、周囲を、警戒することは、ほとんど、なかった。
「なんだか、随分、平和な、旅ですね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。
「はい。この世界が、少しずつ、落ち着きを、取り戻してる証拠だと思います」
カレナに着くと、ヴォルグが、豪快に、俺たちを、出迎えてくれた。
「おお、また、会えたな! 帝都での、報告会、聞いたぞ。とんでもねえことに、なってるじゃねえか」
「はい、色々、ありました」
俺の言葉に、ヴォルグは、豪快に、笑った。
「お前さんたちが、この世界を、変えたんだ。誇っていい」
その言葉に、俺は、少し、照れくさくなった。
カレナで、少しの休息を取ったあと、俺たちは、最後の目的地――始まりの村へと、向かった。
村の門をくぐると、以前、あの、住人と巡礼者の対立が、あった頃とは、まるで違う、穏やかな空気が、村を、包んでいた。
「なんだか、雰囲気、良くなってますね」
タクトの言葉に、俺は、頷いた。
広場に、村人たちが、集まって、何やら、和やかに、話し合っている姿が、見えた。
「あ、リョウさん!」
以前、俺たちが、初めて登録した、あの受付の女性が、俺たちに、気づいて、駆け寄ってきた。
「お久しぶりです。村の様子、随分、落ち着いたみたいですね」
俺の言葉に、彼女は、微笑んだ。
「はい。あの、村の取り決め以来、住人と巡礼者の間で、少しずつ、良い関係が、築かれてきています。それに――」
彼女は、少し、嬉しそうに、続けた。
「新しいシステムのおかげで、巡礼者様たちの、負担も、随分、軽くなったみたいです。だからこそ、余裕を持って、私たち住人とも、関わってくれるように、なった気がします」
その言葉に、俺は、深い、満足感を、覚えた。
ギルドへと、向かうと、ガラムが、俺たちを、豪快に、迎えてくれた。
「おかえり。帝都からの、報告、こっちにも、届いてる。本当に、大したもんだ」
「ありがとうございます」
俺の言葉に、ガラムは、少し、真剣な表情に、なった。
「これから、どうするつもりだ、お前さんたちは」
その問いに、俺は、ユイ、タクト、クロトと、それぞれ、視線を、交わした。
「実は、まだ、はっきりとは、決めてないんです」
俺の答えに、ガラムは、頷いた。
「まあ、焦ることは、ない。ゆっくり、考えるといい」
その日の夜、俺たちは、久しぶりに、宿の一室で、これからのことを、話し合った。
「私、実は、少し、考えてることが、あるんです」
ユイが、そう、切り出した。
「聞かせてください」
「現実の方で、看護学校に、復帰することが、決まりました。だから――こっちでの活動は、少しずつ、減らしていこうと、思ってます」
その言葉に、俺は、静かに、頷いた。
「それは、良いことだと思います」
「でも、完全に、こっちを、離れるわけじゃ、ないです。時間が、できた時は、また、皆さんと、一緒に、活動したいです」
ユイの言葉に、俺は、微笑んだ。
「はい、待ってます」
タクトも、静かに、口を開いた。
「俺も、リハビリの、プログラムが、本格的に、始まります。だから、こっちでの活動も、少しずつ、ペースを、落とすことに、なると、思います」
「タクトさんも、頑張ってください」
俺の言葉に、タクトは、頷いた。
「はい。でも、いつか、また、皆さんと、一緒に、冒険したいです」
クロトが、腕を組みながら、言った。
「俺は、しばらく、この村に、残ろうと思う。新人の指導も、悪くないと、思ってな」
「クロトらしいですね」
俺の言葉に、クロトは、笑った。
「お前と、色々あって、俺も、少し、変わったんだと思う」
俺は、それぞれの、選択に、深く、頷いた。
「俺は――」
俺は、少し、間を置いてから、続けた。
「もう少し、この世界で、色んな場所を、見て回ろうと思います。まだ、知らないことが、たくさん、ある気がして」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、頷いた。
「でも、現実の方も、ちゃんと、大切にしてください」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。
「はい。母さんとの時間も、大切に、していきます」
窓の外、始まりの村の夜が、静かに、更けていく。それぞれが、それぞれの道を、歩み始めようとしていた。だが、その道は、決して、バラバラなものではなく、この、長い旅を通じて、築き上げてきた、確かな絆によって、繋がり続けているのだと、俺は、感じていた。
「明日、少し、この村を、案内してもらえませんか」
不意に、そう、切り出したのは、クロトだった。
「案内、というと」
「お前が、初めて、この世界に来た時のこと、詳しく、聞きたいんだ。俺は、途中から、しか、知らないからな」
その言葉に、俺は、少し、懐かしい、気持ちに、なった。
「はい、いいですよ」
翌朝、俺は、皆を連れて、この村での、思い出の場所を、一つ一つ、巡ることにした。ミラが、初めて、姿を現した場所。冒険者登録を、した、ギルドのカウンター。銀葉草を、採取した、丘。
「ここが、俺の、この世界での、始まりの場所です」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、感慨深そうに、周囲を、見渡した。
「随分、遠くまで、来たもんだな」
クロトの呟きに、俺は、頷いた。
「はい。でも――ここに、また、こうして、戻ってこられて、良かったです」
夕暮れの光が、村を、優しく、照らしていく。俺たちの旅は、確かな、終わりへと、近づいていた。だが、その終わりは、決して、寂しいものではなく――新しい、それぞれの始まりへと、繋がる、確かな、区切りだった。
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【ステータス】
名前:リョウ
LV:49
HP:318/318 MP:222/222
STR:200 VIT:167
AGI:193 INT:125
所持金:銀貨232枚
名声:1,620
満腹度:72/100
次のレベルまで:8,500/53,500
【冒険者ランク】
A
【装備】
胴:砂塵避けの軽装ローブ
武器:嵐風の双牙
足:革のブーツ
装飾:魔力の指輪
腕:風霊の腕輪
携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手
【所持スキル】
・痛覚遮断
・看破の真眼
・植物知識・中級
・木工の心得・初級
・調合の心得・初級
・回復魔法・上級
・回避の心得・上級
・風纏・中級
・身体強化・中級
・文献解読・初級
・並列詠唱・上級
・対人戦の心得・初級
・灼熱耐性・初級
・風刃・初級
・調停の心得・初級
【称号】
・一線を越えた者
・世界の歪みを正した者
・簒奪者
・世界の選択者
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
それぞれの、これからの道。
そして、始まりの場所への、静かな巡礼。
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