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「命を喰うレベルアップ ―僕は誰かの余命で強くなる―」  作者: 黒豚
第5章 それから

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第六十七話 卒業の兆し

第六十七話です。

どうぞよろしくお願いします。


数日後、俺たちのもとに、帝都のセリアから、通信が、届いた。


「フィリア様が、正式に、装置から、離脱されました」


その報告に、俺は、思わず、声を上げた。


「本当ですか……!」


「はい。ライアス様の、丁寧な、経過観察の末に、完全に、自力での、生命維持が、可能な状態まで、回復されました」


セリアの声には、確かな、喜びが、滲んでいた。


「フィリアさんは、これから、どうするんですか」


俺の問いに、セリアは、少し、微笑みながら、答えた。


「ライアス様と、共に、しばらく、帝都で、静養されるそうです。それと――お二人から、あなた方に、伝言があります」


「伝言、ですか」


「はい。『機会があれば、また、一緒に、お茶でも』とのことです」


その言葉に、俺は、心が、温かくなるのを、感じた。


「ぜひ、また、お伺いしたいです」


通信を終えると、俺は、皆に、その報告を、共有した。


「良かったですね、本当に」


ユイが、深く、頷いた。


「あの日の、あの装置の前で見た、フィリアさんの姿。今も、はっきり、覚えてます」


タクトの言葉に、俺は、頷いた。


その日の午後、俺たちは、村の食堂で、久しぶりに、ゆっくりとした、昼食を、取っていた。


「そういえば、タクトさん、リハビリの、プログラムの話、どうなりましたか」


俺の問いに、タクトは、少し、考えてから、答えた。


「実は、来週から、正式に、始まるみたいです。専門の、理学療法士さんと、話し合って……こっちで、身についた、"守りの構え"とか、"盾撃"の、動きの感覚を、参考にした、リハビリ計画を、組んでもらえることになりました」


「すごいですね」


「はい。正直、まだ、少し、不安もあります。でも――こっちで、積み重ねてきたものが、無駄じゃなかったって、実感できて、嬉しいです」


タクトの言葉に、俺は、確かな、感動を、覚えた。奪わない道を選び続けた、この世界での経験が、現実の身体にまで、確かな影響を、及ぼしている。それは、俺だけでなく、タクトにとっても、同じことだった。


「ユイさんは、どうですか」


俺の問いに、ユイは、少し、考えてから、答えた。


「私も、実は、少し、変化が、あって」


「聞かせてください」


「担当の先生から、正式に、看護学校への、復帰を、勧められたんです。体調が、随分、落ち着いてきたからって」


その言葉に、俺は、思わず、笑顔になった。


「よかったですね!」


「はい。まだ、こちらでの活動も、続けたいと思ってますけど……少しずつ、現実の方も、進めていこうと思ってます」


ユイの言葉に、俺は、深く、頷いた。この世界での日々が、それぞれの、現実の人生にも、確かに、繋がり始めている。それは、俺にとって、何よりも、嬉しい変化だった。


食事を終えると、俺たちは、ギルドへと、向かった。掲示板には、新しい、告知が、貼り出されていた。


【システム通知】

再構築プロセス、第二段階を、開始します

討伐によるLP移動システムについて、

以下の変更を、実施します


俺は、慎重に、その、詳細な文面を、読み進めた。


『今後、討伐によるLP移動は、対象の"同意"を、前提とする形式へと、変更されます。無断での、LP強奪行為は、システム上、不可能となります』


その一文に、俺は、しばらく、言葉を失った。


「これって……」


「LPを、無理やり、奪うことが、できなくなるってことですよね」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。以前の、俺と、サイラスさんとの一件。今なら、あんな形には、ならなかったってことです」


その事実に、俺は、複雑な、しかし、確かな、感慨を、覚えた。


「これで、少しは、この世界も、安全な、場所になるんですね」


タクトの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。俺たちが、選んだ道が、確かに、この世界を、変えていってる気がします」


その日の夕方、俺たちは、村の外れ、以前、初めて銀葉草を採取した、あの丘へと、足を運んだ。


「久しぶりですね、ここ」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。銀色の草が、変わらず、風に揺れている。


「観察眼……看破の真眼」


俺は、久しぶりに、この場所を、確認した。


【解析中……】

【銀葉草】

反応:微弱(変化なし)


「あの頃、必死に、探し回ってた場所です」


俺の呟きに、タクトが、頷いた。


「俺も、木材伐採、やったんですよね、確か」


「はい。あの時、初めてのレベルアップ、経験しました」


俺は、丘の上に、腰を、下ろした。夕暮れの光が、草原を、橙色に、染めていく。


「これから、俺たちは、どうなっていくんでしょうね」


ユイの、静かな、問いに、俺は、少し、考えてから、答えた。


「分かりません。でも――少しずつ、自分たちの、選んだ道を、進んでいけばいいと、思います」


俺の言葉に、皆が、それぞれ、静かに、頷いた。


その時、視界の端に、また、新しい通知が、浮かび上がった。


【システム通知】

帝都ギルド本部より、招待状が届いています

再構築プロセスの、完了報告会に、

ご出席いただけますでしょうか


「これは……」


俺の呟きに、皆が、それぞれ、視線を、交わした。


「行くしか、ないですね」


クロトの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。この物語の、最後の、大きな出来事に、なるかもしれません」


俺たちは、静かに、頷き合った。夕暮れの丘の上、俺は、改めて、この世界で、過ごした日々を、噛み締めていた。


奪わない道を、俺は、選び続けてきた。その道は、決して、平坦なものではなかった。だが、その積み重ねが、今、確かに、この世界を、少しずつ、より良い場所へと、変えていっていた。


「帝都に、行きましょうか」


俺の提案に、皆が、頷いた。夕日が、地平線の彼方へと、静かに、沈んでいく。俺たちの、この物語も、確かな、終わりへと、少しずつ、近づいていた。

────────────────────

【ステータス】

名前:リョウ

LV:49

HP:318/318 MP:222/222

STR:200 VIT:167

AGI:193 INT:125


所持金:銀貨182枚

名声:1,590

満腹度:50/100


次のレベルまで:8,200/53,500


【冒険者ランク】

A


【装備】

胴:砂塵避けの軽装ローブ

武器:嵐風の双牙

足:革のブーツ

装飾:魔力の指輪

腕:風霊の腕輪

携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手(タクト)


【所持スキル】

・痛覚遮断

・看破の真眼

・植物知識・中級

・木工の心得・初級

・調合の心得・初級

・回復魔法・上級

・回避の心得・上級

・風纏・中級

・身体強化・中級

・文献解読・初級

・並列詠唱・上級

・対人戦の心得・初級

・灼熱耐性・初級

・風刃・初級

・調停の心得・初級


【称号】

・一線を越えた者

・世界の歪みを正した者

・簒奪者

・世界の選択者

────────────────────


最後まで読んでいただきありがとうございました。

フィリアさんの完全回復、そして、それぞれの現実での歩み。

LP無断強奪の禁止――世界の、確かな変化。

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