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「命を喰うレベルアップ ―僕は誰かの余命で強くなる―」  作者: 黒豚
第4章 境界線の向こう側

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第六十三話 地図にない海

第六十三話です。

どうぞよろしくお願いします。


出発の朝、俺たちは、始まりの村の門前で、ガラムと、村人たちに、見送られていた。


「必ず、無事に、帰ってこいよ」


ガラムの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。行ってきます」


村を出発した俺たちは、まず、カレナへと、向かった。そこで、ヴォルグと合流し、さらに、異国ヴァルシアへと、再び、船を進めることになった。


「また、会えたな」


ラシャールの港で、俺たちを、出迎えてくれたのは、サーラと、そして、久しぶりの、ガイだった。


「今度は、さらに、その先の海、渡るんだってな」


ガイの言葉に、俺は、頷いた。


「はい。地図にない場所、なんて言われると、正直、少し、不安もありますけど」


「安心しろ。俺が、腕利きの船乗りを、紹介してやる」


ガイに、紹介されたのは、白髪の、年配の女性だった。


「私は、ノーラ。この、大陸で、一番、遠くまで、船を、出したことのある、船長だ」


ノーラは、俺たちの目的を聞くと、少し、驚いた様子を、見せた。


「地図にない海、ねえ……。正直、危険な航海に、なる。だが――お前さんたちの、事情を聞くと、断るわけにも、いかないみたいだね」


俺たちは、必要な物資を、整え、ノーラの船に、乗り込んだ。セリアも、既に、帝都から、こちらへと、合流していた。


「これで、全員、揃いましたね」


セリアの言葉に、俺は、頷いた。ユイ、タクト、クロト、サーラ、セリア、そして、俺。六人での、最後の旅が、始まろうとしていた。


出航して、三日が、過ぎた頃、俺は、看破の真眼を、遠くの海面に、向けていた。


【解析中……】

【周辺環境】

生体反応:巨大、複数、未確認種


「かなり、大きな反応が、あります」


俺の報告に、ノーラが、緊張した表情を、見せた。


「この辺りから、先は、通常の海図に、載ってない海域だ。何が、出てきても、おかしくない」


その言葉通り、しばらくして、海面が、大きく、隆起した。


「な……!」


タクトが、驚愕の声を上げた。巨大な、蛇のような、海棲生物が、船の周囲に、姿を、現した。


【解析中……】

【深海の守護蛇】

LV:75


「これまでで、一番、大きいですね」


俺の言葉に、皆が、それぞれ、武器を、構えた。


「風纏、身体強化、並列、最大出力!」


俺は、支援魔法を、丁寧に、重ねがけした。


守護蛇が、鋭い牙で、船を、狙ってきた。


「散開!」


俺の指示に、皆が、それぞれ、甲板の、安全な位置へと、移動した。


「弱点、確認します」


【解析中……】

【深海の守護蛇】

弱点:喉元、鱗の薄い一点


「喉元です!」


俺の報告に、クロトが、大胆に、前へと、出た。


「俺が、引きつける!」


クロトの一撃が、守護蛇の側面を、捉えた。守護蛇の意識が、一瞬、そちらへと、向く。


「今のうちに!」


タクトの盾撃が、追撃を、加える。ユイが、鋭く、踏み込んだ。


「ここです!」


ユイの一撃が、喉元を、深く、捉えた。


「もう一押し!」


俺は、風纏の全力で、踏み込み、渾身の一撃を、叩き込んだ。


【深海の守護蛇を撃破しました】

【討伐経験値を獲得しました】経験値:+6,800


守護蛇が、大きく、痙攣したあと、海中へと、静かに、沈んでいった。


【レベルアップ!】

LV:48 → LV:49


「終わった、みたいですね」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。


「これが、地図にない海の、洗礼、ってやつか」


クロトの呟きに、ノーラが、感心したように、頷いた。


「大したもんだ。あの守護蛇、並みの、討伐隊なら、船ごと、沈められてる」


その後も、俺たちは、幾度か、未確認の海棲生物と、遭遇した。


【解析中……】

【異形の巨大蟹】

LV:68


「風刃、連続!」


俺は、攻撃魔法を、織り交ぜながら、着実に、脅威を、退けていった。


【異形の巨大蟹を撃破しました】

【討伐経験値を獲得しました】経験値:+2,900


七日目の朝、見張り台から、驚きの声が、響いた。


「な、なんだ、あれは……!」


俺たちは、一斉に、船首へと、駆け寄った。


水平線の彼方に、これまで見たことのない、奇妙な、光景が、広がっていた。空と、海の境界が、まるで、歪んでいるかのように、揺らめいている。


「あれが……」


サーラが、震える声で、呟いた。


「あそこが、地図にない、場所……?」


俺は、看破の真眼を、その、歪んだ空間へと、向けた。


【解析中……】

【境界領域】

反応:システム構造の、根幹に、接続


「間違いないです。あそこが、目的地です」


俺の言葉に、皆が、それぞれ、緊張した表情を、見せた。


船が、少しずつ、その、歪んだ空間へと、近づいていく。


「これより先は、俺の船じゃ、案内できない」


ノーラが、静かに、告げた。


「ここから先は、お前さんたちだけで、行くしかないだろう」


俺は、頷いた。


「ありがとうございました、ノーラさん」


「気をつけてな。無事に、帰ってこい」


小型のボートに、俺たちは、乗り換えた。歪んだ空間へと、俺たちは、確かな決意とともに、船を、進めていった。


「行きましょう」


俺の言葉に、皆が、頷いた。視界が、次第に、白く、染まっていく。


俺たちの、最後の旅――この物語の、本当の結末へと、続く、扉が、今、確かに、開かれようとしていた。

────────────────────

【ステータス】

名前:リョウ

LV:49(LV48 → LV49)

HP:318/318(+8) MP:222/222(+7)

STR:200(+5) VIT:167(+5)

AGI:193(+5) INT:125(+5)


延命ポイント(LP):31.4日分

所持金:銀貨182枚

名声:1,090

満腹度:42/100


次のレベルまで:8,200/53,500


【冒険者ランク】

B


【装備】

胴:砂塵避けの軽装ローブ

武器:嵐風の双牙

足:革のブーツ

装飾:魔力の指輪

腕:風霊の腕輪

携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手(タクト)


【所持スキル】

・痛覚遮断

・看破の真眼

・植物知識・中級

・木工の心得・初級

・調合の心得・初級

・回復魔法・上級

・回避の心得・上級

・風纏・中級

・身体強化・中級

・文献解読・初級

・並列詠唱・上級

・対人戦の心得・初級

・灼熱耐性・初級

・風刃・初級

・調停の心得・初級


【称号】

・一線を越えた者

・世界の歪みを正した者

・簒奪者

────────────────────


最後まで読んでいただきありがとうございました。

地図にない海への航海、そして、見えてきた、境界領域。

いよいよ、物語は、最終局面へ。

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