第六十三話 地図にない海
第六十三話です。
どうぞよろしくお願いします。
出発の朝、俺たちは、始まりの村の門前で、ガラムと、村人たちに、見送られていた。
「必ず、無事に、帰ってこいよ」
ガラムの言葉に、俺は、頷いた。
「はい。行ってきます」
村を出発した俺たちは、まず、カレナへと、向かった。そこで、ヴォルグと合流し、さらに、異国ヴァルシアへと、再び、船を進めることになった。
「また、会えたな」
ラシャールの港で、俺たちを、出迎えてくれたのは、サーラと、そして、久しぶりの、ガイだった。
「今度は、さらに、その先の海、渡るんだってな」
ガイの言葉に、俺は、頷いた。
「はい。地図にない場所、なんて言われると、正直、少し、不安もありますけど」
「安心しろ。俺が、腕利きの船乗りを、紹介してやる」
ガイに、紹介されたのは、白髪の、年配の女性だった。
「私は、ノーラ。この、大陸で、一番、遠くまで、船を、出したことのある、船長だ」
ノーラは、俺たちの目的を聞くと、少し、驚いた様子を、見せた。
「地図にない海、ねえ……。正直、危険な航海に、なる。だが――お前さんたちの、事情を聞くと、断るわけにも、いかないみたいだね」
俺たちは、必要な物資を、整え、ノーラの船に、乗り込んだ。セリアも、既に、帝都から、こちらへと、合流していた。
「これで、全員、揃いましたね」
セリアの言葉に、俺は、頷いた。ユイ、タクト、クロト、サーラ、セリア、そして、俺。六人での、最後の旅が、始まろうとしていた。
出航して、三日が、過ぎた頃、俺は、看破の真眼を、遠くの海面に、向けていた。
【解析中……】
【周辺環境】
生体反応:巨大、複数、未確認種
「かなり、大きな反応が、あります」
俺の報告に、ノーラが、緊張した表情を、見せた。
「この辺りから、先は、通常の海図に、載ってない海域だ。何が、出てきても、おかしくない」
その言葉通り、しばらくして、海面が、大きく、隆起した。
「な……!」
タクトが、驚愕の声を上げた。巨大な、蛇のような、海棲生物が、船の周囲に、姿を、現した。
【解析中……】
【深海の守護蛇】
LV:75
「これまでで、一番、大きいですね」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、武器を、構えた。
「風纏、身体強化、並列、最大出力!」
俺は、支援魔法を、丁寧に、重ねがけした。
守護蛇が、鋭い牙で、船を、狙ってきた。
「散開!」
俺の指示に、皆が、それぞれ、甲板の、安全な位置へと、移動した。
「弱点、確認します」
【解析中……】
【深海の守護蛇】
弱点:喉元、鱗の薄い一点
「喉元です!」
俺の報告に、クロトが、大胆に、前へと、出た。
「俺が、引きつける!」
クロトの一撃が、守護蛇の側面を、捉えた。守護蛇の意識が、一瞬、そちらへと、向く。
「今のうちに!」
タクトの盾撃が、追撃を、加える。ユイが、鋭く、踏み込んだ。
「ここです!」
ユイの一撃が、喉元を、深く、捉えた。
「もう一押し!」
俺は、風纏の全力で、踏み込み、渾身の一撃を、叩き込んだ。
【深海の守護蛇を撃破しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+6,800
守護蛇が、大きく、痙攣したあと、海中へと、静かに、沈んでいった。
【レベルアップ!】
LV:48 → LV:49
「終わった、みたいですね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。
「これが、地図にない海の、洗礼、ってやつか」
クロトの呟きに、ノーラが、感心したように、頷いた。
「大したもんだ。あの守護蛇、並みの、討伐隊なら、船ごと、沈められてる」
その後も、俺たちは、幾度か、未確認の海棲生物と、遭遇した。
【解析中……】
【異形の巨大蟹】
LV:68
「風刃、連続!」
俺は、攻撃魔法を、織り交ぜながら、着実に、脅威を、退けていった。
【異形の巨大蟹を撃破しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+2,900
七日目の朝、見張り台から、驚きの声が、響いた。
「な、なんだ、あれは……!」
俺たちは、一斉に、船首へと、駆け寄った。
水平線の彼方に、これまで見たことのない、奇妙な、光景が、広がっていた。空と、海の境界が、まるで、歪んでいるかのように、揺らめいている。
「あれが……」
サーラが、震える声で、呟いた。
「あそこが、地図にない、場所……?」
俺は、看破の真眼を、その、歪んだ空間へと、向けた。
【解析中……】
【境界領域】
反応:システム構造の、根幹に、接続
「間違いないです。あそこが、目的地です」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、緊張した表情を、見せた。
船が、少しずつ、その、歪んだ空間へと、近づいていく。
「これより先は、俺の船じゃ、案内できない」
ノーラが、静かに、告げた。
「ここから先は、お前さんたちだけで、行くしかないだろう」
俺は、頷いた。
「ありがとうございました、ノーラさん」
「気をつけてな。無事に、帰ってこい」
小型のボートに、俺たちは、乗り換えた。歪んだ空間へと、俺たちは、確かな決意とともに、船を、進めていった。
「行きましょう」
俺の言葉に、皆が、頷いた。視界が、次第に、白く、染まっていく。
俺たちの、最後の旅――この物語の、本当の結末へと、続く、扉が、今、確かに、開かれようとしていた。
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【ステータス】
名前:リョウ
LV:49(LV48 → LV49)
HP:318/318(+8) MP:222/222(+7)
STR:200(+5) VIT:167(+5)
AGI:193(+5) INT:125(+5)
延命ポイント(LP):31.4日分
所持金:銀貨182枚
名声:1,090
満腹度:42/100
次のレベルまで:8,200/53,500
【冒険者ランク】
B
【装備】
胴:砂塵避けの軽装ローブ
武器:嵐風の双牙
足:革のブーツ
装飾:魔力の指輪
腕:風霊の腕輪
携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手
【所持スキル】
・痛覚遮断
・看破の真眼
・植物知識・中級
・木工の心得・初級
・調合の心得・初級
・回復魔法・上級
・回避の心得・上級
・風纏・中級
・身体強化・中級
・文献解読・初級
・並列詠唱・上級
・対人戦の心得・初級
・灼熱耐性・初級
・風刃・初級
・調停の心得・初級
【称号】
・一線を越えた者
・世界の歪みを正した者
・簒奪者
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
地図にない海への航海、そして、見えてきた、境界領域。
いよいよ、物語は、最終局面へ。
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