第六十一話 二つの中枢
第六十一話です。
どうぞよろしくお願いします。
村に戻った俺たちは、すぐに、セリアへ、通信を、繋いだ。
「地下に、もう一つの中枢施設……!」
セリアの声には、隠しきれない、驚きが、滲んでいた。
「すぐに、専門の技術者を、派遣します。ですが――到着まで、恐らく、数日、かかります」
「それまで、あの装置は、大丈夫なんでしょうか」
俺の問いに、セリアは、少し、間を置いてから、答えた。
「正直、分かりません。ですが――皆さんが、既に、その場所を、確保してくれています。これは、大きな、前進です」
通信を終えると、俺たちは、改めて、今後の方針を、話し合った。
「専門家が、来るまで、俺たちに、できることは、あるでしょうか」
俺の問いに、クロトが、腕を、組んだ。
「あの、装置の周辺、また、モンスターが、湧いてくる可能性、あるんじゃないか」
「それは、十分に、考えられますね」
俺は、頷いた。
「じゃあ、俺たちは、あそこを、定期的に、見回りましょう。専門家が、来るまでの間」
俺の提案に、皆が、頷いた。
その日から、俺たちは、日中は、あの地下施設への、見回りを、続けながら、夜は、村で、休息を取るという、生活を、繰り返した。
「観察眼……看破の真眼」
俺は、毎回、慎重に、周囲の反応を、確認した。
【解析中……】
【周辺環境】
生体反応:やや増加傾向
「やっぱり、少しずつ、増えてますね」
俺の呟きに、ユイが、頷いた。
数日の間、俺たちは、幾度となく、湧き出る、暴走個体たちと、戦闘を、繰り広げた。
「風纏、身体強化、並列で!」
俺は、支援魔法を、丁寧に、展開しながら、着実に、敵を、無力化していった。
「弱点、確認します」
【解析中……】
【暴走個体・偵察型】
弱点:眼部、光学センサー
「目の部分です!」
俺の報告に、ユイが、鋭く、踏み込んだ。
【暴走個体・偵察型を撃破しました】(複数)
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+1,200(累計)
「これで、また、少し、レベル、上がりそうですね」
タクトの言葉に、俺は、頷いた。
三日目の夜、俺たちが、宿で、夕食を、取っていると、村の門番から、緊急の知らせが、届いた。
「帝都から、使者が、到着しました!」
俺たちは、急いで、村の入口へと、向かった。そこには、疲れた様子の、数名の技術者と、意外にも、見覚えのある人物の姿が、あった。
「ライアスさん……!」
俺は、思わず、声を上げた。
「久しぶりだな」
ライアスは、穏やかな、しかし、確かな、決意を、湛えた表情で、頷いた。
「セリア殿から、話を聞いて、居ても立っても、いられなくてな。私の知識が、少しでも、役に立つならと、志願させてもらった」
「フィリアさんは……」
俺の問いに、ライアスは、微笑んだ。
「順調に、回復している。今は、帝都で、療養中だ。心配は、いらない」
その言葉に、俺は、安堵した。
翌朝、俺たちは、ライアスと技術者たちを案内し、地下の中枢施設へと、向かった。
「これは……」
ライアスは、装置を見るなり、深刻な表情を、浮かべた。
「思っていたより、深刻な、状態だ。この装置、帝都の管理区画と、システム的に、繋がっている。片方が、不安定になれば、もう片方にも、影響が、及ぶ構造だ」
「対処、できそうですか」
俺の問いに、ライアスは、しばらく、装置を、調べたあと、頷いた。
「不可能では、ない。だが――かなりの、時間と、労力が、必要になる。それに――」
ライアスは、少し、言葉を、選んだ。
「作業中、この場所を、外部の脅威から、守り続ける必要がある。暴走個体は、恐らく、これからも、湧き続けるだろう」
「俺たちが、守ります」
俺の即答に、ライアスは、頷いた。
「頼む。この場所さえ、無事に、守り切れれば、必ず、システムを、安定させてみせる」
その日から、俺たちは、ライアスたちの、修復作業を、守るための、防衛戦を、繰り返すことになった。
「風纏、身体強化、並列で!」
俺は、毎回、丁寧に、支援魔法を、展開した。
「暴走個体、来ました!」
タクトの警告に、俺たちは、即座に、迎撃態勢を、取った。
【解析中……】
【暴走個体・重装型】
LV:72
「これまでより、強い個体ですね」
俺の言葉に、クロトが、不敵に、笑った。
「望むところだ」
俺たちは、連携を、駆使しながら、着実に、暴走個体たちを、退けていった。
「弱点、確認します」
【解析中……】
【暴走個体・重装型】
弱点:背部、駆動制御機構
「背中です!」
俺の報告に、ユイが、素早く、回り込んだ。
「ここです!」
ユイの一撃が、正確に、弱点を、捉えた。
【暴走個体・重装型を撃破しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+1,800
戦闘を、幾度となく、繰り返しながら、俺たちは、着実に、力をつけていった。
【システム通知】
プレイヤー「リョウ」がLV48に到達しました
五日目、ライアスが、疲れた、しかし、確かな、達成感の滲んだ、表情で、俺たちのもとへと、やってきた。
「終わったぞ。両方の、中枢施設の、安定化に、成功した」
その言葉に、俺たちは、深く、安堵の息を、吐いた。
「これで、もう、暴走個体は……」
俺の問いに、ライアスは、頷いた。
「はい。少なくとも、この、地下施設由来の、異変は、収まるはずだ」
俺は、改めて、自分のステータスを、確認した。
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延命ポイント(LP):31.2日分
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数字は、緩やかに、増加していた。この、五日間の、地道な戦いの積み重ねが、確かに、俺たちを、強くしていた。
「これで、一段落、ですね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。だが、俺の中には、まだ、確かな、予感が、あった。
「セリアさんから、聞いた話だと、Elysium全体の、再定義プロセスは、まだ、続いてるみたいです。この村の、異変は、収まっても……」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、頷いた。
「まだ、この物語の、本当の決着には、辿り着いてないってことですね」
クロトの言葉に、俺は、頷いた。
「はい。でも――一歩ずつ、進んでいきましょう」
ライアスが、静かに、口を開いた。
「実は、もう一つ、伝えなければならないことが、ある」
「なんですか」
「今回の、修復作業中に、発見した、記録だ。Elysium全体の、再定義プロセスが、完了する、"本当の中枢"――それは、どうやら、この世界の、最果てにあると、示唆する情報が、見つかった」
その言葉に、俺たちは、しばらく、言葉を、失った。
「最果て……」
「詳しい場所は、まだ、分からない。だが――もし、そこに、辿り着くことができれば、この、一連の異変の、根本的な、解決に、繋がるはずだ」
ライアスの言葉に、俺は、深く、頷いた。
「行きましょう。俺たちの、旅は、まだ、続きます」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、力強く、頷いた。始まりの村での日々に、確かな、区切りをつけながら、俺たちは、この世界の、最後の謎へと、向けて、新しい一歩を、踏み出そうとしていた。
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【ステータス】
名前:リョウ
LV:48(LV46 → LV48)
HP:310/310(+25) MP:215/215(+17)
STR:195(+13) VIT:162(+12)
AGI:188(+14) INT:120(+8)
延命ポイント(LP):31.2日分
所持金:銀貨182枚
名声:1,090(+50)
満腹度:58/100
次のレベルまで:3,400/48,000
【冒険者ランク】
B
【装備】
胴:砂塵避けの軽装ローブ
武器:嵐風の双牙
足:革のブーツ
装飾:魔力の指輪
腕:風霊の腕輪
携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手
【所持スキル】
・痛覚遮断
・看破の真眼
・植物知識・中級
・木工の心得・初級
・調合の心得・初級
・回復魔法・上級
・回避の心得・上級
・風纏・中級
・身体強化・中級
・文献解読・初級
・並列詠唱・上級
・対人戦の心得・初級
・灼熱耐性・初級
・風刃・初級
・調停の心得・初級
【称号】
・一線を越えた者
・世界の歪みを正した者
・簒奪者
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
五日間の防衛戦、そして、修復作業の完了。
そして、示唆される「世界の最果て」。
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