第五十八話 森の奥、さらに
第五十八話です。
どうぞよろしくお願いします。
時間凍結領域が、消えた場所を後にし、俺たちは、さらに、森の奥へと、足を進めた。
「観察眼……いえ、看破の真眼、使ってみます」
俺は、育ったばかりのスキルを、試すように、発動させた。視界に映る情報の密度が、以前とは、明らかに、違っていた。
【解析中……】
【周辺環境】
生体反応:複数(中規模、通常種)
「これまでより、詳しく、見えてる気がします」
俺の呟きに、クロトが、興味深そうに、俺を、見た。
「便利なスキルだな、それ」
しばらく進むと、木々の合間から、複数の獣が、姿を、現した。
【解析中……】
【影狼】
LV:48(複数)
「久しぶりに、しっかりした、戦闘ですね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。
「風纏、身体強化、並列で」
俺は、支援魔法を、丁寧に、展開した。
「クロト、久しぶりに、連携、頼む」
「おう、任せろ」
影狼の群れが、一斉に、飛びかかってきた。俺は、回避の心得・上級で、正確に、その動きを、見切る。
「弱点、確認します」
【解析中……】
【影狼】
弱点:胸部、心臓付近
「胸です!」
俺の報告に、クロトが、鋭く、踏み込んだ。
「討伐、慣れてるだけは、あるな」
クロトの一撃が、正確に、一匹を、仕留めた。
【影狼を討伐しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+180
「タクトさん、そっちは!」
「大丈夫です!」
タクトの盾撃が、別の一匹の動きを、確実に、封じる。ユイが、その隙に、追撃を、加えた。
【影狼を討伐しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+175
俺自身も、風刃を、織り交ぜながら、着実に、影狼を、討伐していった。
「風刃!」
【影狼を討伐しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+190
残りの数体も、俺たちの連携によって、次々と、無力化されていった。
【影狼を討伐しました】(複数)
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+520(累計)
「一段落、しましたね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。だが、まだ、油断はできない。
さらに、進んでいくと、開けた場所に、これまでより、明らかに、大きな、狼の姿が、佇んでいた。
【解析中……】
【影狼の首領】
LV:55
「群れの、リーダーみたいですね」
俺の言葉に、皆が、それぞれ、武器を、構え直した。
「行きましょう」
首領が、鋭い咆哮とともに、突進してきた。俺は、風纏で、素早く、身を、かわす。
「風刃、連続!」
俺は、攻撃魔法を、続けざまに、放った。首領は、それを、身をよじりながら、なんとか、避け続けた。
「弱点、探ります」
【解析中……】
【影狼の首領】
弱点:後頭部、僅かな隙のみ
「後頭部、隙が、少ないみたいです!」
俺の報告に、クロトが、不敵に、笑った。
「なら、俺たちで、隙を、作ってやる」
クロトが、正面から、大胆に、斬りかかった。首領の意識が、一瞬、そちらへと、向く。
「今です!」
俺は、その隙を突き、風纏の全力で、背後へと、回り込んだ。
「嵐風の双牙!」
短剣が、後頭部を、正確に、貫いた。
【影狼の首領を討伐しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+950
首領が、大きく、震えたあと、地面に、崩れ落ちた。
「終わった、みたいですね」
タクトの言葉に、俺は、頷いた。視界の端に、通知が浮かぶ。
【システム通知】
プレイヤー「リョウ」がLV43に到達しました
一つ、確実に、レベルが、上がった。急激な、跳躍ではない、地道な、積み重ねの結果だった。
「こういう、着実な成長も、悪くないですね」
俺の呟きに、ユイが、微笑んだ。
「はい。あの頃と、同じ感覚です。銀葉草を、一本ずつ、集めてた時の」
その言葉に、俺は、懐かしさを、覚えた。
さらに、森を、探索していくと、俺たちは、小さな、洞窟の入口を、見つけた。
「観察眼……看破の真眼」
【解析中……】
【洞窟内部】
生体反応:単一(強力)
「一体、いますね。かなり、強そうです」
俺の言葉に、クロトが、少し、緊張した表情を、見せた。
洞窟の中に、足を踏み入れると、奥から、低い、唸り声が、響いてきた。
【解析中……】
【古の岩熊】
LV:62
「これまでの中でも、かなり、強い相手ですね」
俺の報告に、皆が、それぞれ、気を、引き締めた。
「風纏、身体強化、並列、最大出力!」
俺は、支援魔法を、丁寧に、重ねがけした。
岩熊が、巨大な、腕を、振り上げた。
「散開!」
俺の指示に、皆が、それぞれ、身を、翻す。地面が、大きく、抉れた。
「弱点、確認します」
【解析中……】
【古の岩熊】
弱点:腹部、装甲の薄い一点
「腹です! でも、隙が、少なそうです!」
「なら、俺が、引きつける」
クロトが、大胆に、前へと、出た。岩熊の攻撃を、紙一重で、かわしながら、注意を、引きつける。
「今のうちに!」
タクトの盾撃が、岩熊の動きを、僅かに、封じた。その隙に、ユイが、鋭く、踏み込んだ。
「ここです!」
ユイの一撃が、腹部を、深く、抉る。
「もう一押し!」
俺は、風纏の全力で、踏み込み、疾風の一撃を、叩き込んだ。
【古の岩熊を討伐しました】
【討伐経験値を獲得しました】経験値:+2,200
岩熊が、大きな音を立てて、崩れ落ちた。
【レベルアップ!】
LV:43 → LV:44
「よし、また、上がった」
俺の呟きに、皆が、それぞれ、達成感の滲んだ、表情を、見せた。
洞窟の奥、岩熊が守っていたらしき場所に、小さな、宝箱が、置かれていた。
「観察眼……看破の真眼」
【解析中……】
【古びた宝箱】
中身:装備品(推定)
俺は、慎重に、蓋を、開けた。中には、風の紋様が刻まれた、一対の、腕輪が、収められていた。
【風霊の腕輪を入手しました】
装備欄「腕」に設定可能です
「これ、装備してみます」
俺は、早速、腕輪を、身につけた。
【装備を変更しました】
腕:風霊の腕輪
AGI:+10、風属性魔法の威力増加
「風刃の、威力、上がってる気がします」
俺の呟きに、皆が、頷いた。
「今日は、随分、しっかり、稼げましたね」
ユイの言葉に、俺は、頷いた。地道な、戦闘の積み重ね――それが、確かに、俺たちを、強くしていた。
「そろそろ、村に、戻りましょうか。日も、傾いてきましたし」
俺の提案に、皆が、頷いた。俺たちは、森の入口へと、引き返し始めた。
「今日の、収穫、色々、整理する必要が、ありそうですね」
俺の呟きに、クロトが、頷いた。
「時間凍結領域、影狼の群れ、そして、この、岩熊。この森、思ったより、色々、詰まってたな」
俺は、改めて、自分のステータスを、確認した。
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延命ポイント(LP):30.5日分
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数字は、緩やかに、増加していた。一歩ずつ、着実に、積み重ねてきた、この日々。その確かな手応えを、俺は、噛み締めながら、村への、帰路を、歩き始めた。
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【ステータス】
名前:リョウ
LV:44(LV42 → LV44)
HP:262/262(+14) MP:182/182(+10)
STR:170(+10) VIT:140(+8)
AGI:162(+17) INT:104(+6)
延命ポイント(LP):30.5日分
所持金:銀貨94枚
名声:1,010
満腹度:32/100(要注意)
次のレベルまで:4,600/38,000
【冒険者ランク】
B
【装備】
胴:砂塵避けの軽装ローブ
武器:嵐風の双牙
足:革のブーツ
装飾:魔力の指輪
腕:風霊の腕輪(NEW)
携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手
【所持スキル】
・痛覚遮断
・看破の真眼
・植物知識・中級
・木工の心得・初級
・調合の心得・初級
・回復魔法・上級
・回避の心得・上級
・風纏・中級
・身体強化・中級
・文献解読・初級
・並列詠唱・上級
・対人戦の心得・初級
・灼熱耐性・初級
・風刃・初級
・調停の心得・初級
【称号】
・一線を越えた者
・世界の歪みを正した者
・簒奪者
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
影狼の群れ、そして、古の岩熊との激戦。
地道な積み重ねで、また一歩、強くなりました。
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