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「命を喰うレベルアップ ―僕は誰かの余命で強くなる―」  作者: 黒豚
第3章 現実という名の戦場

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第四十五話 新しい力

第四十五話です。

どうぞよろしくお願いします。


サーラが加わってから数日、俺たちは、ラシャールでの活動拠点を、少しずつ、整えていった。


「そろそろ、装備、一式、見直したいですね」


俺の提案に、ユイとタクトが頷いた。稼いだ資金も、ようやく、まとまった額になっていた。


「私、いい店、知ってるわ。この街で、一番、腕のいい鍛冶師がいるの」


サーラの案内で、俺たちは、市場の奥まった一角にある、老舗の武具店を訪れた。


店主は、白髪の、職人気質な老人だった。俺たちの装備を、一つ一つ、丁寧に確認していく。


「ふむ……随分、使い込んでるな。だが、そろそろ、限界も、近いようだ」


老人の言葉に、俺は、素直に頷いた。


「新調、お願いしたいです」


俺は、これまでの資金を思い切って使い、新しい武器へと、持ち替えることにした。老人が、奥から取り出したのは、風の力を、さらに研ぎ澄ませたという、一振りの短剣だった。


【疾風の双牙を売却しました】

【嵐風の双牙を購入しました】

STR:+8、風纏の効果増幅


ユイも、魔力伝導率の高い、新しい剣を。タクトも、より頑丈な、全身を守る防具一式を、それぞれ、新調した。


「これで、しばらくは、安心ですね」


俺の言葉に、二人が、それぞれ、新しい装備の感触を、確かめるように、動いてみせた。


装備を整え終えた頃、サーラが、正式な話を切り出した。


「改めて、お願いするわ。これからも、この調査、一緒に、進めてもらえないかしら。もちろん、危険な依頼には、ちゃんと、成果を、分け合う形で」


俺は、ユイとタクトと、顔を見合わせた。二人とも、頷いている。


「はい、よろしくお願いします」


【新しい協力関係が、成立しました】

「サーラ」との協力体制を構築


サーラが加わったことで、俺たちの活動は、これまでとは違う、学術的な視点も、加わることになった。


その日の午後、俺たちは、帝都で世話になった、魔導士のゼノンから紹介された、この街の魔術指導者のもとを、訪れることにした。


「お前さんたちのこと、ゼノンから、聞いてるよ」


紹介された魔術師は、褐色の肌に、独特の入れ墨を施した、初老の男だった。


「私は、カシム。この地方の、伝統魔術を、教えている」


「攻撃魔法、教えてもらえますか」


俺の問いに、カシムは、少し、興味深そうに、俺を見つめた。


「支援魔法ばかり、育ててきたようだな。攻撃の方も、やってみたいのか」


「はい。これまで、討伐は、どうしても、近接戦が中心だったので。もう少し、選択肢を、増やしたくて」


カシムは、少し、考える素振りを見せたあと、頷いた。


「よかろう。まずは、基本の一つから、教えてやる」


俺は、カシムの指導のもと、初めての攻撃魔法の、詠唱を、学び始めた。


「意識を、集中させ、体内の魔力を、一点に、収束させる。イメージは、風の刃だ」


俺は、教えられた通り、意識を集中させた。掌の周囲に、微かな、風の渦が、生まれ始める。


【新スキルを習得しました】

「風刃・初級」


【風刃・初級】

魔力を凝縮させた、鋭い風の刃を放つ

MP消費:15


「発動、してみろ」


俺は、少し離れた、訓練用の的に向けて、意識を、放った。掌から放たれた、透明な刃が、的を、鋭く切り裂いた。


「おお……」


ユイが、感嘆の声を上げた。


「思ったより、扱いやすいです」


俺の言葉に、カシムは、満足そうに、頷いた。


「並列詠唱のスキルがあるようだな。なら、支援魔法と、組み合わせて使うのも、悪くない」


その日から、俺は、この新しい力を、少しずつ、実戦に取り入れる練習を、始めることにした。


数日後、俺たちは、サーラとともに、あの遺跡の、さらに奥を目指すことにした。


「今日は、前回より、慎重に、進みましょうか」


俺の提案に、サーラが、頷いた。


「ええ。あの、扉についての記述、もっと、詳しく知りたいわ」


遺跡の奥、以前、古代の守護者たちがいた広間の、さらに先へと、俺たちは、足を踏み入れた。


「観察眼……看破の瞳」


【解析中……】

【周辺環境】

生体反応:単一(強い反応、未知の個体)


「一体だけ、いますね。でも、かなり、強そうです」


俺の言葉に、緊張が、走った。通路の先、開けた空間に、これまで見たことのない、獣人のような姿をした、影が、佇んでいた。


【解析中……】

【遺跡の番人】

LV:50


「ここまで、来た者は、久しいな」


その声は、人間の言葉に近い、しかし、どこか、異質な響きを持っていた。


「あなたは……」


俺の問いに、番人は、静かに、答えた。


「私は、この場所を、守るよう、命じられた者。お前たちは、扉の記述を、求めているようだが……その資格が、あるか、試させてもらう」


その言葉とともに、番人が、構えを取った。


「戦うしか、なさそうです」


俺の呟きに、ユイとタクトが、武器を構えた。


「行きます! 風纏、身体強化、並列で!」


俺は、育った並列詠唱で、支援魔法を、同時に発動させた。


番人が、鋭い爪で、こちらへと、突進してきた。俺は、回避の心得・上級で、それを、紙一重で、かわす。


「今です! 風刃!」


俺は、初めて習得した攻撃魔法を、実戦で、放った。透明な刃が、番人の側面を、鋭く切り裂く。


「新しい力、確かに、感じるぞ」


番人が、僅かに、体勢を崩した。その隙を、ユイが、見逃さなかった。


「今です!」


ユイの剣が、番人の胴を、深く捉える。タクトも、盾撃で、追撃を加えた。


「これで……!」


俺は、看破の瞳で見出した、番人の弱点――喉元へと、嵐風の双牙を、突き立てた。


【遺跡の番人を撃破しました】

【討伐経験値を獲得しました】経験値:+1,800


番人が、静かに、膝をついた。


「見事だ……。お前たちには、確かに、資格がある」


番人の姿が、静かに、光の粒子となって、消えていった。その後には、一枚の、古びた地図が、残されていた。


サーラが、震える手で、それを、拾い上げた。


「これ……扉の、正確な位置が、示されてる……!」


俺たちは、その地図を、興奮気味に、覗き込んだ。


「これで、また、一歩、真実に、近づけますね」


俺の言葉に、サーラが、深く頷いた。


「ええ。この続きは、また、次回に、しましょう。今日は、十分すぎる、収穫だわ」


遺跡を出ると、日は、既に、傾き始めていた。俺は、改めて、自分のステータスを、確認した。


────────────────────

延命ポイント(LP):29.4日分

────────────────────


数字は、緩やかに、増加していた。新しい仲間、新しい力、そして、まだ見ぬ扉の存在。俺たちの物語は、この異国の地で、確かに、新しい局面へと、進み始めていた。

────────────────────

【ステータス】

名前:リョウ

LV:31

HP:178/178 MP:120/120

STR:120(+8) VIT:96

AGI:108 INT:68


延命ポイント(LP):29.4日分

所持金:銀貨94枚(-280、装備更新分)

名声:841

満腹度:30/100(要注意)


次のレベルまで:2,570/16,500


【冒険者ランク】

B


【装備】

胴:砂塵避けの軽装ローブ

武器:嵐風の双牙(更新)

足:革のブーツ

装飾:魔力の指輪

携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手(タクト)


【所持スキル】

・痛覚遮断

・看破の瞳

・植物知識・中級

・木工の心得・初級

・調合の心得・初級

・回復魔法・上級

・回避の心得・上級

・風纏・中級

・身体強化・中級

・文献解読・初級

・並列詠唱・上級

・対人戦の心得・初級

・灼熱耐性・初級

・風刃・初級(NEW)


【称号】

・一線を越えた者

・世界の歪みを正した者

・簒奪者

────────────────────


最後まで読んでいただきありがとうございました。

装備更新、初めての攻撃魔法、そして扉への地図。

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