↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「命を喰うレベルアップ ―僕は誰かの余命で強くなる―」  作者: 黒豚
第3章 現実という名の戦場

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/72

第四十三話 指名依頼

第四十三話です。

どうぞよろしくお願いします。


翌朝、俺たちは、ラシャールのギルドから、呼び出しを受けた。


「護衛依頼の、正式な報酬計算が、終わりました」


受付の女性が、そう告げながら、革袋を差し出した。


「カレナからの長期護衛、お疲れ様でした。貢献度に応じた、特別報酬です」


【依頼達成】

異国交易船・護衛依頼(長期)


報酬を獲得しました

・討伐経験値:+200

・銀貨:120枚

・名声:+40


思っていたより、大きな報酬だった。


「随分、遅くなっての、支払いだったんですね」


俺の呟きに、受付の女性は、少し申し訳なさそうに、頭を下げた。


「大陸間の依頼は、両国のギルド間で、正式な清算手続きが、必要になるため、どうしても、時間がかかってしまうんです」


なるほど、と俺は思った。以前、カレナへの護衛依頼の報酬が、いつの間にか、うやむやになっていたのも、恐らく、似たような事情だったのかもしれない。


報酬を受け取ると、受付の女性が、少し、声のトーンを変えた。


「実は、皆さんに、もう一つ、お伝えしたいことがあります」


「なんでしょうか」


「Bランクへの昇格と、これまでの実績を鑑みて、支部長より、指名依頼のご相談です」


「指名依頼、ですか」


「はい。通常の掲示板には、公開されない、信頼できる冒険者にのみ、直接、依頼する形式です」


案内された応接室には、褐色の肌をした、鋭い眼光の女性が、待っていた。


「私は、ラシャール支部長、ナディア。よく来てくれた」


ナディアは、机の上に、地図を広げた。


「単刀直入に、話す。この大陸の南方、『灼熱の回廊』と呼ばれる地域で、最近、これまでにない規模の、モンスターの異常発生が、報告されている」


「異常発生、ですか」


「ああ。しかも、その中心地に、これまで、目撃されたことのない、新種の魔物がいるという情報がある」


ナディアは、一枚の絵――粗い筆致で描かれた、巨大な影の姿を、俺たちに見せた。


「『灼熱の支配者』と、現地の民は、呼んでいる。もし、これが、本当に、規格外の強さを持つ個体なら、放置すれば、周辺の街に、甚大な被害が出る可能性がある」


俺は、看破の瞳を、絵に向けて、試しに、発動させてみた。だが、実物を見ていない以上、詳細な情報は、得られなかった。


「お前さんたちに、まず、現地の調査を、依頼したい。無理に、討伐する必要はない。実態を、掴んでほしいだけだ」


その依頼に、俺は、少し、緊張を覚えながらも、頷いた。


「分かりました。受けます」


「助かる。それと、もう一つ――」


ナディアは、少し、言葉を選ぶように、続けた。


「現地には、既に、別の冒険者パーティが、調査に向かっている。彼らとも、恐らく、合流することになるだろう。腕は確かな連中だが、少々、気性が荒い。心しておくといい」


俺たちは、必要な準備を整え、翌日、南方への旅路に、出発した。


灼熱の回廊は、その名の通り、乾いた熱風が、絶えず吹き荒れる、過酷な地形だった。


「観察眼……看破の瞳」


俺は、周囲に、意識を巡らせた。


【解析中……】

【周辺環境】

生体反応:異常密度(広範囲)


「これは、確かに、尋常じゃないですね」


俺の呟きに、ユイとタクトも、緊張した表情を見せた。


しばらく進むと、前方に、複数の人影が見えた。俺たちと同じく、この地を調査しているらしい、冒険者パーティのようだった。


「おい、お前ら、ナディアの旦那が、寄越した増援か」


先頭に立つ、大柄な男が、値踏みするように、俺たちを見た。


【解析中……】

【???】LV:45


「はい。調査の依頼で、来ました」


俺の答えに、男は、鼻を鳴らした。


「Bランクの、駆け出しか。まあ、いい。俺は、ザイン。このパーティのリーダーだ」


ザインの背後には、他に、二人の仲間がいた。一人は、俺たちと同年代くらいの、弓を携えた女性――名を、ミレイというらしい。もう一人は、寡黙な、大剣を背負った男だった。


「調査、進んでるんですか」


俺の問いに、ザインは、苦い表情を見せた。


「ああ。だが、正直、厄介だ。モンスターの数が、異常に多い。しかも――」


その時、地面が、大きく揺れた。


「来たか……!」


ザインが、緊張した声を上げた。遠方の砂塵の中から、これまで見たことのない、巨大な影が、姿を現し始めた。


【解析中……】

【灼熱の支配者】

LV:58


その数値に、俺は、思わず、息を呑んだ。これまで対峙した、どの相手よりも、明確に、格上だった。


「調査だけの、はずが……」


タクトが、震える声で、呟いた。


「退くなら、今のうちだぞ」


ザインの言葉に、俺は、しばらく、考えた。だが、目の前で、既に、こちらへと向かってきている、あの魔物を、放置すれば、周辺への被害は、避けられない。


「戦います。一緒に、やらせてもらえますか」


俺の言葉に、ザインは、少し、驚いたような顔をしたあと、口の端を、僅かに、上げた。


「面白い。若いのに、いい度胸だ」


俺たちと、ザインたちのパーティ、合わせて六人での、即席の連携が、始まった。


「並列詠唱、風纏、身体強化、回避の心得、全部乗せます」


俺は、育った並列詠唱・上級で、複数の支援効果を、同時に発動させた。


灼熱の支配者が、咆哮とともに、巨大な火炎を、吐き出した。


「散れ!」


ザインの声に、俺たちは、それぞれ、身を翻した。地面が、大きく、抉れる。


「弱点、探ります」


俺は、看破の瞳を、全力で発動させた。


【解析中……】

【灼熱の支配者】

弱点:喉の奥、火炎生成器官の付け根

状態:外殻が硬く、通常攻撃はほぼ無効


「外殻が、硬すぎます! 直接攻撃、ほとんど、通らないです!」


俺の報告に、ザインが、舌打ちした。


「なら、あいつが、口を開けた瞬間を、狙うしかねえ」


ミレイの弓が、灼熱の支配者の目を狙い、正確に、射抜いた。獣が、怯むように、僅かに、動きを止める。


「今です!」


俺は、その隙に、風纏の全力で、獣の懐へと、飛び込んだ。


「喉の奥……!」


疾風の双牙を、渾身の力で、突き入れる。手応えとともに、獣が、甲高い咆哮を上げた。


「もう一撃、いけます!」


タクトの盾撃が、獣の脚部を捉え、体勢を、大きく崩させる。ユイの剣が、追い打ちをかけた。


「これで、終わりだ!」


ザインの大剣と、大剣使いの男の一撃が、同時に、弱点へと、叩き込まれた。


【灼熱の支配者を討伐しました】

【討伐経験値を獲得しました】経験値:+2,800


視界に浮かんだ数字に、俺は、思わず、目を見張った。


【レベルアップ!】

LV:28 → LV:31


灼熱の支配者が、地響きとともに、崩れ落ちた。俺たちは、しばらく、その場に、立ち尽くしていた。


「やった……のか」


タクトが、放心したように、呟いた。


「ああ、討伐、成功だ」


ザインが、豪快に、笑った。


「お前ら、思ったより、やるじゃねえか。連携も、悪くなかった」


「ありがとうございます。ザインさんたちのおかげです」


俺の言葉に、ザインは、少し、照れくさそうに、頭を掻いた。


「今後も、この大陸で、活動するなら、また、一緒にやろうぜ。悪くない相性だ」


その申し出に、俺たちは、頷いた。


「よろしくお願いします」


ミレイが、弓を仕舞いながら、俺たちに、微笑みかけた。


「私も、リョウさんの、あの解析、すごく助かった。また、パーティ組めたら、嬉しいわ」


新しい出会いの予感に、俺は、確かな高揚を、感じていた。


視界の端に、新しい通知が浮かんだ。


【新スキルを習得しました】

「灼熱耐性・初級」


【灼熱耐性・初級】

高温環境における、行動制限が緩和される


俺たちは、討伐の証拠として、灼熱の支配者の一部を回収し、ラシャールへと、帰路についた。


「ナディアさん、驚くでしょうね」


ユイの言葉に、俺は、頷いた。


ギルドに戻り、報告を行うと、ナディアは、しばらく、言葉を失った様子だった。


「まさか、本当に、討伐までしてくるとはな……。正直、想定外だ」


【依頼達成】

灼熱の回廊、調査・討伐


報酬を獲得しました

・討伐経験値:+600(達成報酬)

・銀貨:200枚

・名声:+80


「これで、この地域の脅威は、大きく、軽減されたはずだ。本当に、助かった」


ナディアの言葉に、俺は、静かに、頷いた。


「また、何かあれば、頼らせてもらう。お前さんたちなら、信頼できる」


その日の夜、俺は、改めて、自分のステータスを、確認した。


────────────────────

延命ポイント(LP):28.9日分

────────────────────


数字は、確かに、増加していた。この異国の地で、俺たちは、新しい仲間との出会いを経て、また一段、大きく、成長を遂げていた。


「明日も、何か、依頼、探しましょうか」


俺の提案に、ユイとタクトが、それぞれ、力強く、頷いた。異国ヴァルシアでの物語は、これから、さらに、大きく、動き始めようとしていた。

────────────────────

【ステータス】

名前:リョウ

LV:31(LV28 → LV31)

HP:178/178(+33) MP:120/120(+22)

STR:112(+20) VIT:96(+16)

AGI:108(+18) INT:68(+12)


延命ポイント(LP):28.9日分

所持金:銀貨374枚(+320)

名声:833(+120)

満腹度:45/100


次のレベルまで:2,180/15,500


【冒険者ランク】

B


【装備】

胴:砂塵避けの軽装ローブ

武器:疾風の双牙

足:革のブーツ

装飾:魔力の指輪

携帯品:長期保存食・船上用軽量ブーツ(ユイ)・耐水加工の籠手(タクト)


【所持スキル】

・痛覚遮断

・看破の瞳

・植物知識・中級

・木工の心得・初級

・調合の心得・初級

・回復魔法・上級

・回避の心得・上級

・風纏・中級

・身体強化・中級

・文献解読・初級

・並列詠唱・上級

・対人戦の心得・初級

・灼熱耐性・初級(NEW)


【称号】

・一線を越えた者

・世界の歪みを正した者

・簒奪者


【フレンド】

・ユイ

・タクト

・クロト

・ザイン(NEW)

・ミレイ(NEW)


【パーティ】

・ユイ

・タクト

────────────────────


最後まで読んでいただきありがとうございました。

未回収だった護衛報酬、そして、新たな仲間との激戦。

灼熱の支配者、討伐しました!

ブックマーク・評価、応援よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。