↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見知らぬ世界で、少女のお目付け役になりました ~異世界召喚失敗!? 少女の中に宿った勇者の冒険譚~  作者: うにかいな
第玖章 ~闇ノ孤島~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
200/224

第200話 竜《デンゴラド》ノ強襲

ルティーナは、イスガのコンピュータルームの操作パネルを馬琴(まこと)の指示通りに操作する。

馬琴(まこと)の知識で、意外と簡単に画面の操作ができ、大陸の全体地図が表示される。


挿絵(By みてみん)


(初めてこの部屋で見た時は、局地的な地図だったから気づかなかったが……)


「うん、上には国がないんだね」


「へぇ……バルステンの西側は山ばかりで先は海だったのか」

「自分達が住んでる世界は、こんな大陸しかなかったなんて」


(こうして見ると確かに……北が上でないから違和感はあるけど、本当に書籍に書かれていた通りに少し地形は崩れているが東日本だけだな……)


ルティーナとエリアルはしばらくの間、地図に見入っていた。


「――っと、感心している場合じゃないわ」

「マコト、ナガアキの居る島ってどこよ?」


(思った通りだ……モルデリドの下に島がある)

(――八丈島か?)


「ハチジョウシマ? 右下の……あれのこと?」


(あぁ、俺の世界の通りなら位置的にそうなる……)


馬琴(まこと)の予想通りモルデリド王国は地理的には千葉県西側になる。

八丈島への移動を考えると南房総からなら距離もそう遠くない。


今回のブルデーノ王国のデモに関わっていたのもモルデリド王国のギレイラ――。

そして手助けした男は、モルデリド国王からの指示で動いた長明(ながあき)の手下。


(モルデリド王国はナガアキと繋がって……いや、洗脳されている可能性はほぼ黒だな)


ルティーナはロザリナ程ではないが、必死に画面に映っている地図を書き写すことにした。

その作業を待っていたエリアルであったが、部屋の外に不気味な気配を感じるのであった。


「ルナっ、何か外の様子が変だ!」

「奇妙な音というか? 声が……しないかい?」


「もしかして魔物はこの部屋に入れないだけ……通路に居ってこと?」


(入れない理由はわからないが、この部屋には何か加護でもされているのか?)


「そういえばルナ――いやマコトさんの考えだと思ったから、気にせずに着いてきたけど」

「この部屋からはどうやって銅像の部屋に戻る気だったんですか?」


「それね、エル、これを見て」


ルティーナはボタンを操作し、初めて動かした時の要領で画面を切り替える。


「これがこの城の見取り図よ」

「右側に赤い点が二つあるでしょ? たぶん、これはミヤとシャルよ」


「!」

「そうか、つまり左側にあるこの二つの点は僕達なんだね?」

「ということは、この大きな四角いのは遺骨のあった大広間か」


「そう、だから私達の位置から見れば……さっき転移した扉はあれよ」


ルティーナは、この部屋を出てすぐにある壁に穴をあければ、外に出なくても簡単に転移前の通路に戻り、そこから合流場所の銅像がある部屋にたどり着けると説明した。


「でも、簡単には移動できなさそうですね」


しかし状況は一変した。

通路に魔物がどれだけ存在するかも分からない為、作戦の変更を余儀なくされる。


「それなら、この部屋から無理やり壁に穴でも開けて、いっそ外に出るかい?」


(どうするの? マコト)


馬琴(まこと)は現状を踏まえ、城内を強行突破する方法を提案することにした。


「外より中を強引に行く方が安全だってさ、強行突破で行くわよ」


「わかったよ」


「んじゃ、この壁に穴をあけるわよ」


ルティーナの合図と共に、二人は部屋の外へ飛び出した。

しかし、そこには予想外の光景が広がっていた。


「! 人形兵?」


「それだけじゃない! イスガ人の魔物を駆逐している?」

「ルナ、止めないと……僕は、見た目は魔物でも……元々彼らはこの国の」


しかし状況は一方的で魔物は再生を繰り返し死ぬことはなく、人形兵は剣で切り刻む無残な無限ループが繰り広げられているのだ。


人形兵は、扉から出てきたエリアルを見るなり襲ってくる。

しかし怒りを覚えたエリアルは、一瞬で雷と水の二刀流斬撃で返り討ちにした。


「しかし、私とリーナが来た時に通路の人形兵は全て倒したはずなのに――」


(いや、再生したんだ……ほら、あの人形兵の頭の形だけ異様だろ?)


「(そっか……リーナがぶん殴ってへこんだ跡だよね?)」


(おそらく……この国の技術力なら、再生することも考えられる)

(しかし、侵入者を駆逐するように作られていたんだろうから、俺達の作った穴から入り込んだイスガ人たちが――)


「エルっ、もうちょっとだけ時間を稼いでて」


「任されたっ」


「(どうするの? 足止めするの?)」


(完全に凍らせる)


ルティーナはエリアルが人形兵と戦っている間に、通路の床に手をつき、エリアルの戦っている方に向けて【凍(こおる)】を描き広げた。

合図とともにエリアルはルティーナに駆け寄り、瞬間に起動する。


すると、人形兵と魔物は、通路の床に足元を凍らされ、動けなくなる。


「(完全じゃないじゃんっ……)」


(両壁に手をつけ!)


そして壁に【水(みず)】を描き広げ、噴射を始める。

すると水は凍り始め、全てを閉じ込めた。


「……マコトさんが凍らせた氷って、解除しない限りずっとそのままなんですよね?」


「うん」


先ほどまで怒りの形相だったエリアルは、安堵した顔へと戻る。


「氷の棺桶ですね」

「(これなら、彼らはもう傷つけられることはない……よかった)」


ルティーナはエリアルの腰を叩き、前を見つめる。


「エル、まだこの先にも居るみたいよ」


「あぁ、行こう」



そして、二人は目的の通路まで、前方から迫りくる人形兵を蹴散らしながら突き進む。


そして奥まで辿りついたルティーナはエリアルに背中を任せ、壁に【穴(あな)】を描き目的地へ貫通させるのであった。


――銅像の部屋までたどり着いたはずだった。


「え、外?……ちがう、銅像の部屋が壊され――」


(いや、踏み潰されているようにしか見えない)


その瞬間――。

城の後ろの空から、聞いたこともない叫び声が響き渡る。



ギャオーーーーーーンッ


「「!」」


ルティーナとエリアルは聞いたこともない咆哮が響く中、後方の空を振り返る。

そこには全長五メートル程あろう竜が飛翔していることに気づく。


「なに? あれは……魔物?」


(いや、竜……ドラゴンだ)


「(これも、マコトのセカイの生き物なの!?)」


(それは違うが、伝説という架空というか……)


「(意味がわかんないよ)」


そして、その竜はルティーナ達を睨むように見つめていた。


(まさか、ハルトさんが封印したっていう竜(デンゴラド)なのか?)


「(デンゴラドがいるわけがないじゃない)」


「そういえば、シャルが巨大な魔物の反応があったって……話をしていたよね?」

「――まさか、こいつ?」


(だけど、黒い竜じゃない?)


そこに立ちはだかる竜(デンゴラド)は、赤い身体であった。

その姿に困惑する中、竜(デンゴラド)はルティーナに語りかける。



『貴様ら……すべての生き物を魔物にしてやったはず……』



「――喋った? ムルシア語を?」


「? 何を言っているんだいルナ?」

「さっきから吠えているだけぞ――この魔物」


「!」


その会話はエリアルには聞こえていなかった。

馬琴(まこと)も声が聞こえていたため、考えられることは一つしかなかった。


(直接、ルナに語りかけてきたんだ!)


「こいつ、私に直接話しかけてきてるのよ!」


「なんだって!」



『まさか、我が息吹を浴びて魔物にならぬ者が……』

『いや、それはない……我は感覚的に百年近く砂流の中に閉じ込められていたはず』



(流砂に閉じ込められていた?)

(だから、シャルの索敵に引っかかったり、引っかからなかったりしたのか)



『どういうことだ? 貴様、女の声も男の声もする!』



(――っ)

(こいつ、俺の声も聞こえる? いや話せるのか……)



『まさか、外から来たのか?』

『――ということは外に出る方法があるということだな』



「だからどうだっていうのよ!」



『俺に殺されたくなければ、外に出る方法を教えろ!』



「嫌よ! 出すわけないじゃない!」

「あなたをここで食い止めて、いろいろ聞かせてもらうわ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。