↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LEAF MEMORY 〜始まりの鐘〜  作者: えんJOYラピス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/41

姉弟

「全く、あの四人は…仲が良いんだか悪いんだか判らんな。」

 四人の戯れを遠目にリーフが笑う。リースもそれを見て笑っていた。会話までは聞こえないが、あんな風に和やかにじゃれ合えるのならば良いことだ。

 革命が終わってから、リースもリーフも忙しくなった。基礎的な計画はできあがっていたし、実務を行う人材もいる。それでも国の体制を転換し、運営していくというのは、簡単な話ではない。環境を整え、民の国として機能するように政策を練り、適材適所の人材を置く。最後の王族としての仕事が山積みだった。


「………そういえばずっと気になっていたんだけど…」

「どうしました?姉上」

「レンクとアマロはどうして私を監禁しようとしていたんだろう…?」

「ああ、それですか………」

「リーフ、何か知ってるの?」


 リーフは手にしたカップをソーサーに置き、ひと息吐く。この弟は、本当にどこまで知っているのだろう。

「二人は最初から、姉上をこの革命に参加させないつもりだったんですよ。」

「え?!」

「万が一姉上が危険に晒されたらと思って、安全地帯に隔離しておきたかったようですね。…まあ俺としては、父は姉上にとって仇でもありましたから、姉上が望む限りは革命軍に参加して頂こうと思っていました。だから城下町でお会いできた時は、奇跡だと思いましたよ。」

 あの二人から連れ出す手間が省けて良かった。カラカラと笑う弟は本当に幸せそうだ。


「あ、あともう一つ不思議なことがあるんだった。」

「不思議なこと…ですか?」

「うん。時々ね………知らない誰かに見守られている気がするんだ。城を探し回っている時、私の部屋に入った時にも似たようなことを感じたし………」

「姉上もですか?」

「え?リーフも?」

 意外な言葉につい声が上ずってしまった。姉弟揃って感じた不思議な視線、一体何なのだろう。

「俺も時々、妙な視線を感じることがあるのですが………周囲を探ってみても、周りには何もいないのです。少々妙だと考えていました。」

「そっか………まあでも、実害が無いなら放置していてもいいかもね。」

 ずっと見られている訳じゃないんだし、と微笑めば弟も微笑み返す。


「あとね、リーフ………お姉ちゃんとして、ずっと言いたかったことがあるんだけど…いいかな?」

「何でしょうか、姉上」

 優しく微笑む弟に渡したのは小さな小包だ。

 革命が終わってから、レンクに『随分昔にリースから預かってたんだ』と渡された物だ。中身が何なのか、その記憶だけは、すぐに取り戻すことが出来た。

「これは……?」

「開けてみて。」

 言われるままにリーフは、くたびれた包みを開ける。中から現れたのは包みのくたびれ具合からは想像もできない、美しい髪飾りだった。二つの白い三角形の石に漆黒の剣が彫られ、気高い輝きを放っている。

 10年前、お付きを連れてこっそり街に出た時、弟に似合いそうだと買ったものだ。リーフにプレゼントするつもりだったが、どうせならちょっとしたサプライズでもしてやろうと、用意が整うまでレンクに預けておいた。ところがあの日、革命に巻き込まれ、リースは弟のことを忘れてしまった。勿論、髪飾りの贈り物のことも。


 見かねたレンクが今まで空き部屋にしまっておいてくれたお陰で、10年の時を経てリーフに手渡すことが出来た。

 記憶を取り戻してから姉として、初めての言葉と贈り物を贈る。


「姉弟なんだから、敬語なんか使わなくていいんだよ。」

 嬉しそうに目を輝かせる弟に微笑みかけると、彼もまた微笑み返して髪飾りを手に取った______

閲覧ありがとうございました。


次回投稿を楽しみにお待ちください。


※この作品はpixivにて同時連載中となっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。