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ロイヴェリクの本懐  作者: ゆーとぴあ
第一章 外街編
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第14話 お久しぶりです

「やあやあ! 君はクルトかい? 大きくなったねぇ!」


 玄関の扉を開けると、喜色満面の白衣を着た女性がいた。


「覚えてるかい? シャロンだよ」


 シャロンはそう言いながら笑う。


「ええ、お久しぶりです。覚えてますよ」

「覚えてるのかい!? あんなに小さかったのに」

「まあ、印象的でしたから」


 この世界で白衣を格好良く着た女性がいたら、普通忘れられるわけがない。

 俺の言葉にシャロンはあきれたように笑みを浮かべた。


「堅い! 口調が堅いよ。アナスタシア、君は一体どういう教育をしたんだい?」

「自然とこうなったの!」


 キッチンから母さんが言う。

 シャロンと会うのは久しぶりだが、全く変わった様子は見えない。相も変わらず美人だ。

 そのまま居間に入ってもらう。


「あれ、子どもたちがいるね」

「こんにちは!」

「ん」

「ルトリシアとアリサだよ。いつも一緒に動いてるんだ」

「へぇ、友達が多いのはいいことだ」


 シャロンさんは満足そうに頷いた。


「今日はどうしてうちに?」

「ああ、それがね。今度街で祭をやるって聞いてね。アナスタシアがどうするのか聞きに来たのさ」


 祭の話は確かに聞いていた。話によると、ジョエルが企画をしたらしいが……何を考えているのやら。

 俺が考えていると、シャロンさんは笑った。


「またアナスタシアが無理やっただろう? そのことも聞きたくてね」

「ああ……そういうことですか」


 母さんが街の代表から降ろされた件だろう。それを聞いて駆けつけたのかもしれない。


「なんか母さんがすみません……」

「それはどういう意味かしら? クルト」

「え? へ、へへ……。何でも無いです」


 いつの間にか母さんエプロンを脱いで後ろにいた。

 目が怖いので、俺は手もみしながらそそくさと二人から離れる。


 俺が離れると、シャロンと母さんは机に座ったので、俺たち三人は暖炉の前に陣取った。


「遅いわよ。ほら、読んでみましょ」


 俺が手に持っていた下に本を開くと、隣りにいたルトリシアが覗き込んでくる。


「……読めない。習ってない文字かしら」


 不満そうにルトリシアはそうぼやいた。


「難しい文字が多いから、俺も中々読めないんだよ。まず『根源』って何だよって話だし」


 二人で本を見るが、書いてあることの要領が全くつかめない。

 首を傾げていると、母さんとの話が一段落したシャロンが様子を見に来た。


「やあ、みんなで首を傾げてどうしたんだい?」

「シャロンさん。実はこの本がよくわからないんですよ」

「おや?」


 俺が見せた本にシャロンさんは目を丸くした。


「いやはや、こんなにも早いとは。やっぱり血なのかね」


 本を受け取ってパラパラと開くシャロンさんは、そう呟いた。


「……血というのは?」

「うーん、どう説明したものかな……」


 シャロンさんは母さんを見る。

 母さんは何かを考えているようだ。

 おいおい何だよ。気になるじゃん。


「考えてるみたいだね。先に『根源』についての話しだけしようか」

「知ってるんですか?」

「うん。というか、今はそっちが専門だからね」

「専門? 研究か何かしてるんですか?」

「そういうこと。だからある程度答えられるよ」


 なんてこったこんな身近に聞ける人がいたとは。

 とりあえず、いろいろ聞いてみるか。


 俺はぽかーんとしている二人を置いて、シャロンさんに質問を始めた。

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