『【大惨事】会場でレレレのレーと掃除していたら、旦那の遺言でお兄ちゃんが建物を全壊させた件』
アメノワカヒコくんがお星さまになって、奥さんのシタテルヒメちゃんはとっても悲しんで、その声は天のアメノワカヒコくんの父ちゃんと母ちゃんの元まで届きました。
アメノワカヒコくんの父ちゃん達は喪屋を建てました。喪屋の中では、どこかのおじさんがレレレのレー、お出かけですかなんて言いながら、ほうきで掃除をしてます。
アメノワカヒコくんの父ちゃんも母ちゃんもシタテルヒメちゃんを慰めています。そこへやってきたのは、シタテルヒメちゃんのお兄ちゃんのアヂスキタカヒコネくんです。その姿を見て、アメノワカヒコくんの父ちゃん達は驚きました。なぜなら、その容姿がアメノワカヒコくんとそっくりだったからです。
「お前、生きていたのかい?」
アメノワカヒコくんの両親はアヂスキタカヒコネくんに縋りました。
それを聞いたアヂスキタカヒコネくん、喪屋をぶっ壊してしまいました。
「お義父様、お義母様、申し訳ありません。あれは、私の兄のアヂスキタカヒコネです」
シタテルヒメちゃんはアヂスキタカヒコネくんを追いかけて行きました。
「お兄様…」
見ると、アヂスキタカヒコネくんは泣いていました。
「お兄様?泣いているの?」
「……アメノワカヒコはずっと悩んでいたんだ。タカマガハラとお前との板挟みになって。タカマガハラの使命を果たせば、お前が悲しむ。お前を選べば、裏切り者となってしまう」
「そ…そんな…アメノワカヒコ様がそんなに悩んでいたなんて…知らなかった」
「本当は、お前には言わないでくれと言われていたんだ。そして、自分にもしものことがあれば、お前には自分のことは忘れて新しい幸せを掴んで欲しいって」
「お兄様が、喪屋を壊したのは…」
アヂスキタカヒコネくんは頷きました。
「アメノワカヒコから頼まれていたんだ。自分のために誰も悲しまないで欲しいって」
「そ…そんな…」
「そうだよ。アメノワカヒコの心を無にしてはいけない。お前はまだ、若い。新しい幸せを見つけるんだ」
いつの間にか側に来ていたオオクニヌシくんが言いました。
「ありがとう。お父様、お兄様。でも、アメノワカヒコ様のことは、忘れないわ」
「それでいいんだよ。いっぱい悲しんだら、新しい一歩を踏み出すんだよ。それがアメノワカヒコの望みだったんだから」
アヂスキタカヒコネくんが言いました。
「ええ…」
「それにしても、このようなことがあるのなら、私はもう、この地上をタカマガハラの連中に譲り渡してもいいと思うよ」
オオクニヌシくんは寂しそうに呟きました。




