天丼よりもモモヒキ!?お兄様とガーデニング新婚旅行へ旅立った元カノと、残された神の悲劇
そこへオオヤビコくんがヤガミヒメちゃんを連れて帰ってきました。
「あっ、オオヤビコ様、ヤガミヒメちゃんも」
「スサノオの父ちゃんから、お前が帰ってくるって連絡があったから、まだ、お腹が大きくならないうちにと思って連れてきたんだ。あれ、スセリヒメちゃんじゃないか?どうして、こんなところへ」
「お兄様、私、オオクニヌシくんと結婚したの」
「なんですって!オオムナジくん、どういうこと?」
と、ヤガミヒメちゃん。
「そうだ、ヤガミヒメちゃんというものがありながら、俺の可愛い妹に手を出したというのか?なんてやつだ!スセリヒメちゃん、お兄ちゃんはこんな不実な男との結婚は許しません!」
「待ってください。ボクはスセリヒメちゃんもヤガミヒメちゃんも大好きなんです。二人とも大切にします」
「ひ、ひどいわ。オオムナジくん、ずっと待っていたのに」
泣いて駆け出すヤガミヒメちゃん。
「あ、ヤガミヒメちゃん」
スセリヒメちゃん、オオヤビコくん、八十神兄ちゃんたちはオオクニヌシくんに軽蔑の眼差しを向けました。
いたたまれなくなるオオクニヌシくん。
しばらくたって、ヤガミヒメちゃんは可愛い男の子を生みました。でも、ヤガミヒメちゃんは、その子を木の俣にはさんで置いて、出雲を去ろうとしていました。
必死に止めるオオクニヌシくん。
「お願い、ヤガミヒメちゃん、ボクを捨てないで」
「私が好きになったのは唐草模様のエプロンをして、私に天丼を作ってくれるオオムナジくんよ。オオクニヌシなんていう神なんかじゃないわ」
「そ…そんなあ」
なおも追いすがろうとするオオクニヌシくんの前に立ちはだかったのはオオヤビコくんでした。
「もう、諦めろ。ヤガミヒメちゃんは俺が幸せにしてやる。これから俺達は趣味のガーディニングを兼ねた新婚旅行に行くから、子どもの面倒はしっかりみとけ。子どもに何かあったら承知しないからな」
「な…なんで…ヤガミヒメちゃん、オオヤビコ様と」
「だって、オオヤビコ様、私のためにドブネズミのモモヒキを、何枚も作ってくれたのよ」
オオクニヌシくんを残して去って行く二柱。
オオクニヌシくんはドブネズミのモモヒキに敗れたのでした。
つづく




