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(第1部完結)信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo
第2部 「ナーロッパってこうだったっけ」

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第74話「イナリちゃん教(仮称)をつくろう」

火曜日なので第74話。

最近間が空いてすいません。

 「てつわん……?なんだそりゃ」


 信長ノッブが首を傾げる。

 私と信秀パパノッブしかわからない話をしてるのでなんだか不機嫌そう。

 ごめんて。


 「ええと、未来の日の本ではある分野の芸術が外国……えーと南蛮とか天竺とか、とにかく世界中で有名になるんだけど、それの開祖というか、まあそんな人が書いた絵物語なの。

 からくり?で動く意志を持った人形が悪者をやっつけるような、そんな話」


 ぶっちゃけ私もちゃんと見たこと無いけど。

 歴史に残る名作で、作者は教科書に載ってもおかしくない偉人だ。

 ……この世界でも登場するかはわかんないけど。

 いやいや弱気になってはいけない。私は今世でもオタク趣味を楽しみたいのでぜひマンガを普及したいところだ。

 いっそのこと、落ち着いたら私がマンガ書いちゃおうか。絵心はあんまないけども。


 「なるほど。それを親父も知ってんのか」


 「まあな。俺がジジイになって死ぬ頃に出たもんだが……」


 「頭がこんがらがるなぁ。人食いのバケモンがでるんだからそういう事もあるってことはわかるけどよ」


 安心してほしい。私もこんがらがっている。

 戦国時代のはずなのに思った以上にファンタジーで驚いているんだよ。


 「というか、俺の死んだあと劇画が世界中に広がるんか。すげえ話だな」


 「ええ、義父さまが亡くなった後、日本は無事復興して経済大国と呼ばれるまでなりました。私が来る前は不況が長引いてちょっと陰りが見えてましたけどね。

 そんな中で、日本の劇画……漫画って呼ばれてましたけど、世界中で読まれてましたよ」

 

 「そうかぁ。あの焼け野原がねぇ。想像もつかねえが、感慨深いもんだ」


 「ご存知でしょうけど、私はその漫画とかの愛好家でして。

 その中で今の日の本みたいに魔物が多くいる架空の世界での物語がたくさんありました。

 そんな世界にしてしまおうっていうのが」


 「なーろっぱ、かぁ。俺にゃ想像もつかねえが、三郎と帰蝶ちゃんがそれで行くってんなら俺に異論はねえ。これはさっきも言ったけどな」


 腕を組んでうんうんと首を振る信秀パパノッブ

 信長ノッブに似たイケオジなので大変絵になる。


 「実際成果が出てんだ。グダグダ言う野郎は多いが、でけえ手柄と天皇陛下がくれた官位がありゃ大抵は言う事聞くだろ。

 ……今川の野郎の策に乗っかった形なのは気に食わねえけどな」


 「やはり雪斎と義元の策だってのか、親父」


 「ああ。あの腹黒ども、最初は素直に三河譲る気なんぞなかったはずだぜ。

 将鬼……三河童子だったか。あれぶっ殺せる三郎見て素直に譲る気になったんだろ。

 どう考えても今川の連中でお前を討ったりできねえってな」


 やっぱり。桶狭間の奇襲がなかったらそのまま尾張に侵攻する気だったのか。

 どうりで偉そうな武将が多く集まってたわけだ。

 

 「だからって、官位をもらうだの三河童子?の首を献上するだの、俺にも言っとくべきだろうが」


 「そうですよ義父さま。ちゃんと準備しとけばもっと感動的な演説考えられたのに!」


 悲しみを怒りに変え、立てよ国民!ジークジ◯ン!とか!

 オールハイルブリ◯ニア!とか!

 諸君、私は戦争が好きだ!とか!!

 ……なんだか物騒なものばっかり思い浮かべてしまう。

 やはりマムシの血が私を好戦的にするんだろうか。反省。


 「あーうるせえな。

 そのほうが面白そうだったし、ああいう場では真摯に語ったほうが「効く」んだよ。台本見てもそれができる奴もいるっちゃいるが、そりゃ役者だ。

 三郎、おめえは役者じゃねえだろ?」


 確かに。

 信長ノッブは変に台本とか用意したら棒読みになっちゃいそう。

 頭の回転は早いけど口が回る方じゃないからね。

 信長ノッブの真価はゆっくりと語らないとわかりにくい。

 説明を諦めてるフシもあるし。

 さすがお父さん。良く息子を理解してるね。

 ぐうの音も出ない様子の私たちを見て満足そうに笑い、信秀パパノッブは続ける。


 「で、今後はどうする?良くわからんが民を迷宮に入れるんだろ?」


 「ああ。あちこちで焼け出された連中が那古屋や熱田に集まってきてる。

 が、三河や尾張の各地に住まわせるにしても、そいつらを守る兵が足りん。

 兵の強化は引き続き行うが、民もある程度強くなっていてほしい。

 兵は国境の防衛に当てたいしな」


 信長ノッブが冒険者ギルドの必要性を語る。

 軍事的にも内政的にも民の強化は必要だ。

 いや、この時代の農民とか実質武士と何が違うの?ってくらい武闘派ではあるんだけど、槍持っただけの農民が対処できるのは少数の子鬼くらいだ。

 大鬼が出たらどうにもならない程度じゃ困ってしまう。


 「なので、まずは希望者……難民の中から募って、食い扶持を稼ぐために迷宮に入れるような感じで考えてます。

 迷宮の産物をすべて織田家が買い上げて、必要な商人とかに販売するんです。

 織田家を通さない者は絶対に認めません。

 今ある商人組合、座でしたっけ。彼らに盛大に喧嘩売る形になりそうですけど」


 私が補足すると、信秀パパノッブはニヤリと笑った。

 なんか怖い。


 「座……座か。帰蝶ちゃん、少なくとも尾張じゃあいつらのこたぁ気にすんな。どんどんやっていいぞ」


 「え、ええと?それはどういう……」


 「座ってのぁどこが後ろ盾になってるか知ってるかい?

 ……京じゃ知らねえが、少なくとも大抵は寺や神社だ。

 んで、今あいつらどうなってると思う?」


 ああ、そうか。

 寺社は今、存続の危機にある。

 なぜかって?

 そりゃ悪霊退散や厄除けやら霊験あらたかな事言っておいて、実際に魔物が現れたときに成すすべもなく逃げ惑うしかなかったからだ。

 尾張では熱田神宮が壊滅してしまったのが大きい。

 

 「ああ、だいぶ厳しいですよね。お寺さんも神社も」


 「そうだ。だから座の正当性が揺らいでる。やるなら今だ」


 「後で怒られません?」


 「帰蝶ちゃんは頭良いようでいまいち駆け引きは苦手なんだなぁ。

 三郎、そういうとこ補佐する奴も早いとこ側に置け。お前の子飼いもどいつもこいつもぶっ殺すことばっか得意なやつばっかじゃねえか」


 「うるせえよ。そんな奴がそこらに転がってるか」


 うう、返す返すも明智光秀みっちゃんが死んでしまったのが悔やまれる。生きてたら絶対連れてきたのに!

 あっ竹中半兵衛とか!

 いや、その前に秀吉探したほうが……

 まてまて、また脱線しそうになってる。

 今回は信秀パパノッブが悪いと思うけど。


 「そこは私にも考えがあるんで、座を無視しても怒られないのはなんでですか義父さま?」


 「あん?……簡単だよ。俺らにゃイナリ様がいるじゃねえか」


 「ただの幼女ですよあの子?」


 「でも神様だろ?」


 「あっ」


 そうだった幼女でも神様系幼女だった!

 なるほど彼女の存在は寺社の権威を丸ごと併呑して余りある。

 なにしろ会いに行けちゃう系神様だからね。握手会とかしたほうがいいのかな。

 男性に免疫無い系幼女でもあるので難しいか。

 ともかく、「イナリ様の思し召し」みたいな感じでプロパガンダ打てば全然行けるなこれ。

 ……てことは狂信者になった信勝カッツのお社建立計画とかも推進したほうがよいかな。

 尾張が謎の宗教都市になってしまいそうでなんか嫌だけど、良く考えたらナーロッパには神殿やら教会やらの宗教勢力があってしかるべきだ。

 それが既存宗教である必要はないし、そもそもイナリちゃん自身は既存宗教の神様の眷属だから、あまり対立せずにすむかもしれない。

 イナリちゃん教のお墨付きで冒険者ギルドを設立してしまうのは、全然アリな気がしてきた。

 肉食忌避とかもなんとかできるかも。

 豚カツとか食べたいんだ私は。


 「義父さま、とっても良い気付きをありがとうございます!

 よっしゃやろうノッブ!イナリちゃん教を始めよう!」


 「この短い間に何を思いついた!?親父も焚きつけるのはやめろ!」


 「いやあこうやってぽんぽん案が出てきて帰蝶ちゃんはおもしれえなあ」


 


使えるもんは神でも使え、みたいな話。


というわけで今回はここまで。

応援くれるとモチベーションがあがるます。

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