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(第1部完結)信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo
第2部 「ナーロッパってこうだったっけ」

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第64話「めざせ魔術協会」

土曜日なので第64話。


今回も短め。

 信長ノッブの確かな信頼を感じる言葉に感極まった私は信長ノッブの胸に飛び込んでヒックヒックとしゃくりあげている。

 なんだか最近情緒不安定すぎるような気がするけど、まあいいや……って良くない!

 土御門様関連のお話が全然進んでなかった。

 いかんいかん、信長(ノッブ)ハチャメチャが押し寄せてきたからって泣いてる場合じゃなかった。

 ぐっと息を吐いて涙を止めて、信長ノッブの胸の中から離れる。

 

 「ん、どうした帰蝶?」


 「えーと、ごめんねノッブ。取り乱しました。まだお話全然してなかったから、続けるね?」


 「そうか。もう大丈夫なんだな?」


 「うん。失敗したからって落ち込んでもいられないよ。ナーロッパのためだもんね」


 そうして笑い合って、話を続けることにした。

 

 「えーとね、前に私たちは魔物や魔境について何も知らない、って言ったじゃない?」


 「そうだな。実際何もわからんことばかりだ」


 「これって陰陽術……魔導についてもそうなんだよね、ってことを今日改めて思い知りまして」


 「確かにな。だがそのための魔導研究所だろ?」


 「うん、そうなの。研究所を作ったことは正しいと思ってる。間違えたのはその使い方だったなって」


 「使い方?」


 「私、尾張の優位性を守るために秘密で研究して、他家の先行くことにばかり囚われてた。そのせいで涼風様にはよくわからない中で孤軍奮闘させてしまった。

 その時はしょうがないと思ってたの。涼風様が今の陰陽師の標準だって思ってたから」


 「はるひこは今のおんみょーじのなかでは普通じゃよ。大抵はあんなもんじゃ」


 イナリちゃんが立派なおしっぽを振りながら言う。

 

 「そうそれ!それなのよ。まさか土御門様がその「普通」から外れた優秀な人だとは思ってもみなかったんだよね。いや、性格的にはどうかと思う人だったんだけど」


 「それならば、土御門様を引き込むだけでよろしいのではないでしょうか?」


 おさきが当然の質問を投げる。信長ノッブも同意するかのように頷いている。

 ふふふ、そこが盲点だったんですよ!


 「一体いつから、「土御門様並の実力を持った者は他にいない」と錯覚していた……?」


 「いきなりどうした帰蝶」


 「姫様、また妙な事を思い出したのですか?わざとらしいお芝居はおやめなさいませ」


 せっかくのネタが伝わらない!二人からツッコまれた私は場所が場所なら床下に空いた穴に落とされてるところだ。

 言いたくなったんだからしょうがないでしょ!

 それとこういう時は「なん……だと……?」っていうのがお約束なんです!

 オサレ!オサレを意識しなしあ!


 「わらわはきちょーがたまにするお芝居は結構好きなのじゃ」


 ありがとうイナリちゃん!やはり神はここにいた!


 「まあそれはいい。で?土御門殿並の実力を持った者が他にいるかもしれない、だからどうしたんだ?」

 

 ぐぬぬ信長ノッブめ!冷静すぎて脱線をすぐ修正してくる!しゅき♡


 「つまりね、私たちはまだ、「何がわからないかもわからない」状態なの。実力者に話を聞いて、教えてもらったほうが話が早いと思わない?

 例えば、誰にも教わらないで一から初めて到達した場所が、その道の先行者からしたら当たり前のことだったら?」


 「……はっきり言って、無駄な時間と言えてしまうな」


 「そうなの。秘匿にこだわりすぎると、無駄な時間になってしまいかねない。

 ……そして私たちにはあまり時間がない。

 魔境や魔物の脅威は待ってくれないって、この前の戦で思い知ったから」


 「つまり、土御門殿のような実力者を招いて、大々的に研究を行うと?」


 「そうそれ!別に言いふらす必要もないけど。土御門様の人脈とか、いろいろ使えそうな気もするし、なんかそんな事言ってたし」


 「土御門家は陰陽頭の家系だ。その名で呼びかければ集まる陰陽師もいる、か」


 「陰陽術だけじゃないよ。他にも色々使える儀式や呪術もあるかも!そういった情報を集めて発展させて、魔物に対抗するの」


 「涼風殿の術であれほどの事ができた……となると、他にも使える術はありそうだな。

 相わかった、魔導研究所に人を集めよう。さしあたっては土御門殿に依頼してみるか。

 ……魔導研究に使えそうな人材集めだ」


 さっすが信長ノッブ!話が早い!

 実際、そうやって魔導研究が大いに捗れば熱田が魔導のメッカになることも可能なはずだ。

 そういう事を説明すると、おさきが疑問を放った。


 「しかしそれでは他家も真似するのでは?以前のお話ではそれでは問題があるとおっしゃってましたが」


 ほほう鋭いねおさき!私はドヤ顔で答える。


 「ふふーん、他家にあって尾張にあるものがあるでしょ?」


 「あ、迷宮……!」


 「そう!迷宮があってレベルアップできれば術も強くなる。これは他家にはなかなか真似できない優位な点だよ。そうだよね、イナリちゃん?」


 「うむ。きちょーらが言うれべるあっぷをすれば気が充実して術も使いやすくなるのう」


 「ねっ、こういう事。

 むしろ他家で研究した事を教え合えれば研究は更に加速するよ。

 前世の世界では、こうやって国中あちこちで研究して、発表し合ってそこからさらに研究が加速してたの」


 きょとんとする三人。

 そりゃまあ技術は秘匿するもんが常識なこの時代ではなじまない考えかもしれないけど、こんなわけわかんない技術、一部でほそぼそと研究してもたかが知れてる。

 近代科学的な研究体制が必要だと思う。

 遠回りしてる間に魔物にバリバリ美味しくいただかれるわけにはいかんのだ。

 

 「先行者を集めて情報を共有して、さらなる高みを目指すのです!めざせ根源!魔術協会を作っちゃうのです!あっ!あまり非人道的な研究はNGですよ!NG!」


 「おい帰ってこい帰蝶!なんだ魔術協会て!」


 「はぁ、やはり狐かなにかが憑いているのでは……?」


 「わらわは別に取り憑いておるわけではないのじゃが?」


 盛大に呆れられた。解せぬ。


ど畜生なマッドサイエンティストは出ますん(曖昧)


やっと風邪が治ってきました。

みなさんも体調には気をつけましょう。

ご意見ご感想お待ちしてます。

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