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(第1部完結)信長公斬魔録~転生帰蝶ちゃんは急にダークファンタジー死にゲーみたいになった戦国日本をナーロッパにしたい~  作者: simopo
第2部 「ナーロッパってこうだったっけ」

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第62話「世界は思ったよりカラフル」

体調不良で間が空きましたが土曜日なので第62話。


少し動きます。

 「ええい一気にしゃべるな静まれええ!!」


 ひい信長ノッブがキレたぁ!

 戦国武将らしい「圧」を持った大声が部屋に響く。

 どっかで大声出せるのが良い武将の条件、みたいな事言ったけど信長ノッブもがっつり当てはまるね。

 はぁーかっこいいしイケメンだしイケボだしこんなわけわかんない時代に来たのに信長ノッブがいるだけで生きる気力湧くわぁ♡

 そんなことを考えながら固まる私であった。

 そんで、か弱い狐耳幼女なイナリちゃんがびっくりして泣いてないかと思い立ち彼女を見ると、何やら訳知り顔でうんうん頷いている。


 「うむ。さすがノッブじゃ。良い気合であるのじゃ」


 はあ、確かに気合の入ったイケボでございました。

 結構ズレてんなぁこの子。

 そして騒動の原因たる変人お貴族様を見ると、何やらじたばたしながら部屋の隅に置いてあるつづらを開けて中身をポイポイしてる。

 パニックで道具が出てこないドラ〇もんかお前は。


 「あの、土御門さま?」


 「ん!んー!んー!!」


 猿轡されたままで何言ってるのかわからない。

 信長ノッブ含めて呆れた思いで眺めていると、ようやく探し物が見つかったようで一枚の符を手に持っている。

 うわ、あんまりびっくりしたんで何か術で攻撃してくるつもりかしら。

 信長ノッブとおさきが私とイナリちゃんの前に立ちはだかる。

 

 「土御門殿、その符でどうするつもりだ?危害を加えるつもりなら其方でも斬る」


 剣呑な声。

 あわわ、信長ノッブ!ちょっとパニックになってるだけだと思うの血なまぐさいことはやめてぇ!

 私が声をかけようとすると、土御門さまはブンブンと首を横に振り、符を構えて何かを訴えている。


 「んっ!んんー!!」

 

 「うむ。わからん」


 あきれた様子の信長ノッブは「どうすんのこれ」と言う顔で私を見る。

 いや、私に聞かれても、その、なんだ。困る。


 土御門様は何か唱えようとしてるのかな?猿轡のせいで言えないってところかしら。

 何だか不憫に思えてきた私は隣で土御門さまを眺めて「ふむふむ」とか「ほほう!」とかぶつぶつ言ってる狐耳幼女(神さま)に頼んでみた。

 

 「イナリちゃん、土御門さまも何かおっしゃりたいと思うの。術を解いてあげられる?」


 「うるさくなりそうじゃが、あの符に書かれている術ならば問題なかろう」


 そう言うとイナリちゃんは指をしゅぴぴっと動かして、土御門さまに嵌っていた猿轡が消える。

 そして土御門さまはなにやらぶつぶつ唱え、「破―!!」と大声を出す。

 あなたはお公家様で寺生まれではなかったはずですが。

 そんなどうでもいいことを考えるのと、土御門さまが手に持った符が何やら緑色に輝いたのは同時だった。


 「えっ?」


 「なんだと!?」


 何か術が発動したんだ!

 ヤバい油断した!この時代の陰陽師でもこんなことできるなんて!

 てゆーかまぶしい!目が明けられないよう!

 おさきが私に覆いかぶさって押し倒される。前世でSPに押し倒されるVIPの映像を見たことがあるけどあんな感じ。

 ぐえっと姫様が出しちゃいけない類の声を上げる私。


 「ノッブ!ノッブぅ!」


 「帰蝶!糞っどういうつもりだ!?」


 焦った信長ノッブの声と、刀の鍔鳴りが部屋に響く。

 あわわわ、偉いことになったぁ!

 そんな私たちを落ち着かせるように、イナリちゃんの落ち着いた声が続く。


 「ほほう!せーめーの術をこうしたか!さすがよのありのぶ!

 ノッブもきちょーもおさきも安心せい。危険なものではないのじゃ」


 へっ?と思って目を開けると、何やら部屋がうっすら七色に染まっている。

 心なしか、赤色が強いような気がするけど。

 とにかく見たことない風景に驚愕する。


 「うえぇっ?何これ!?何が起きてるの!?」


 「な、なんだこれは!?」


 「ひ、姫さま!あぶのうございます!」


 大混乱の私たちにイナリちゃんは


 「これはの。「気」……きちょーは「魔力」と言いたがっておったの。とにかくそれを人の子でも見られるようにする術じゃ。

 せーめーが作っておったのを覚えておる。

 子孫の土御門が完成させておったのじゃなあ」


 とうんうんとしみじみ語る。イナリちゃんからなんだか金色のもやが立ち上っている。

 見たことあるなこういうの。スーパーサ〇ヤ人みたいだ。

 それも驚きだけど、魔力を見られる術!?しかも安倍晴明の子孫が完成させた!?

 えっ。

 えええっ!?!?

 それは、それは!!


 「まってまってまってまって!!という事は……」


 突如起こった盛大なファンタジーに電撃が走った私は土御門さまを見る。

 すると彼の体の輪郭にそってうっすらとした緑色が立ち上っていて。


 「ああやはり!やはり!!今頼光、織田三郎殿のあの声には気が入っておった!すごい!どうやったんだ呪文も使わず気を放つなど私にもできぬこといったい何が起こっているんだそして帰蝶殿のあの「気」は何だ!?すごいすごいすごい!やはり尾張に来てよかった若狭にいたらこんなもの見られなかったこれは是非とも魔導研究所に行かねば涼風だけではたらんな叡山から逃げてきたあやつも修験者もいるなそうだ越前に卜占が得意な巫女がいるとかも聞いたあ奴も必要であるな世の術と言う術を集めて研究せ」


 大興奮で絶賛暴走中だった。

 めんどくせえなこの人。



 極彩色のお部屋の中で、改めて向かい合って座る私たち。

 イナリちゃんと信長ノッブが声をかけて土御門さまはなんとか落ち着いた。

 早口にしゃべり倒そうとする土御門さまをなんとかなだめながら聞いた話によると。


 どうも土御門さまはイナリちゃん言うところの「気」、つまり魔力を感じ取る事が得意なようで、信長ノッブの一喝に魔力が込められている事に大層驚愕して、どういった魔力の流れになってるのか知りたくて、自身が開発した(!)「気を可視化する術」を発動したそうな。

 そして、その有効範囲となる部屋に漂う魔力が見えるようになったそうな。

 部屋に漂う七色のもやは自然に漂う魔力で、赤が濃いのはおそらく信長ノッブの一喝に込められていた魔力。

 イナリちゃんのスーパーサ〇ヤ人じみた金色のアレはイナリちゃんが放っている魔力で、改めて見ると信長ノッブの輪郭も赤くなっていて、それが信長ノッブの魔力だそうな。

 ちなみにおさきもうっすらと赤くなっていて、心なしか腕の赤が濃い。

 彼女は脳筋だからだろうか。

 そして、私は。


 「帰蝶殿はすさまじい「気」を放っておられますな。いったいどういう事なのか」


 自分ではわからないけど、私はイナリちゃん並に魔力を放出しているらしい。

 色は青。

 これについてはイナリちゃんが


 「こういう体質のものはたまにおるのじゃ」


 というのでそうなんだ、としか言いようがない。

 困惑していると、信長ノッブはため息をついて言う。


 「あー、土御門殿。なにやらすごい術だとはわかった。陰陽術の深奥を垣間見た気分だ。

 それはそれとして、これではまぶしくてかなわん。術を解くことはできまいか?」


 「なんと!?このような素晴らしき景色を三郎殿はまぶしいとおっしゃる!?

 いや、あまりにまばゆくて落ち着かない気分は誠そのとおり!それでは止めまする!」


 そう言い放って指で印を組んで何やらつぶやく土御門さま。

 いちいちやかましいなこの人。テンション高すぎてついていけない。

 そして短く「破っ!」と声をかけるとお部屋の景色が元に戻る。


 「これは、一体。姫様、さきはもしや居眠りでもしているのでしょうか?」


 「ううん、これが陰陽術……私の目指す魔導でもあるんだよ」


 「はぁ……?」


 そうだよねえファンタジーすぎてついていけないよね。

 でも、これだ。これが必要なんだ。

 私は土御門さまに向き合って改めて頭を下げる。


 「土御門さま、先ほどまでは無礼をいたしました。今の尾張、いえ日ノ本にはあなた様のお力が必要です。

 是非とも熱田魔導研究所にて陰陽術……いえ、魔導の研究に励んでいただきたく存じます」


 「おお、それは願ってもない事!京に戻せぬとはおっしゃいましたが、そもそも私は京に住んだことなどありませぬゆえ、お気になさらず。

 お役目などどうでもよい。術の深奥を解き明かす事こそ安倍晴明公以来の土御門の悲願!ですから明日には熱田に行ってもよろしいですな涼風と話しをする必要もございますし帰蝶殿のお考えでは陰陽術以外の術も蒐集する必要がございますからな人を集めることがまず肝要さっそく若狭へ人をやり知己の陰陽師や修験者を拉致してまいりましょうそれから」


 「だまりゃありのぶ!それをやめよと言うに!」


 きっちりお願いしたら案の定しゃべり倒し始めた土御門さまにイナリちゃんの猿轡がはめられる。

 嬉しそうにしないでよ気持ち悪いなぁ……


 「それでいいんだな、帰蝶」


 「うん。土御門さまの才は得難いです」


 「そうか。お前がそう言うならそうしよう。土御門殿、俺からも改めて願う。術の研究、お願いいたす」


 信長ノッブも頭を下げる。

 土御門さまは猿轡のまま嬉しそうに大きく頷く。

 そして頭を上げた信長ノッブ


 「だが、帰蝶に触れるのは無しだ。こいつは俺の嫁。

 あなたが高位の尊き方だろうが帰蝶に手を出せば斬る」


 低い声で言い放った。

 静かだけど確かに圧がある。

 土御門さまは顔色を青くしてこくこくと頷いている。


 これも魔力が籠った言葉なんだろうか?

 ああ、そんな事より。


 ほわああああこまっちゃいましゅう俺の嫁だにゃんてぇえへえへえへへへへへえええ♡

 いやあ信長ノッブがこんなに起こったのは嫉妬からだったのにぇ♡

 大丈夫だお!信長ノッブ以外に触れさせる気はないかりゃにぇ帰蝶ちゃんは信長ノッブのもにょでしゅかりゃあああえへへへへへへっへへっへえへへへ


 えへえへニヤニヤしている私をみて皆がため息をつく。

 

 「きちょーはちょろいのう」


 チョロインですまん!でもやめられない止まらない!!


ただのテンション高い陰陽術バカじゃなかった土御門さま。


という訳で今回はここまで。

ポイントとかイイネとかで体調不良なシモポ先生を応援しよう!


自分で書くと余計体調悪くなるなこれ。

みなさんも謎風邪にはお気をつけて。

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