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夢幻開現師―悪夢を断つ者―  作者: ks21
第零章「胡馬北風《中》」
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第101話「病院の鬼夢」

 悪鬼が支配する鬼夢《おにむ》は、まるでウイルスのように病院全体へと広がっていた。


 南率いるチームに加え、菩提府《ぼだいふ》からも応援の開現師たちが続々と到着している。


 慌ただしく行き交う職員たちへ、南は次々と指示を飛ばしていた。


 一方、笠井、小水内、七瀬の三人は意気込んで現場へやって来たものの、完全に蚊帳の外だった。


「…………」


 そんな三人の前へ、二人の男がやって来る。


 一人は、迷彩服に同柄の帽子を被った大柄な男。


 高い背丈とがっしりした体格も相まって、まるで軍人のような風貌だった。


 もう一人は、黒い背広を纏った青年。


 こちらも平均より背は高いが、隣の大男と比べれば随分と若く見える。


「ああ! 君たちが南隊長の教え子たちだね!」


 迷彩服の男が、ぱっちりとした目を三人へ向けた。


「いや~、あの“鬼の南隊長”の教え子だ! きっと優秀なのだろうな!!」


 白い歯を見せ、満面の笑みでぐいぐいと距離を詰めてくる。


「…………」


 三人が返事をする間もない。


 放っておけば延々と喋り続ける――。


 そう察したのか、隣の青年が静かに口を挟んだ。


「根岸さん。説明が足りてませんよ」


「おお、そうだった!」


 男はぽんと手を打つ。


「いやぁ、つい楽しくなってしまってな! 申し訳ない!」


 豪快に笑う男の勢いに、三人はすっかり呑まれていた。


「改めて、自分は根岸真《ねぎしまこと》。菩提府から派遣された観測師《かんそくし》だ!」


 そう名乗るなり、勢いよく右手を差し出す。


「笠井亮《かさいりょう》です」


「小水内悠《おみないはるか》です」


「七瀬月樹《ななせいつき》です」


 三人は半ば押される形で、順番に握手を交わした。


「おお! そうだ、こちらの紹介もまだだったな!」


 根岸が隣の青年へ手を向ける。


「彼は氷川薫《ひかわかおる》。今回、君たちの防人《さきもり》として派遣された」


「防人?」


 聞き慣れない言葉に、笠井が眉をひそめる。


「お前、知らないのか? かぁ~、これだから一般家庭出身は……」


 七瀬が呆れたように肩をすくめた。


「はあ? 知らねえもんは仕方ねえだろ!」


「防人は、正規の開現師に付く護衛役だ」


 二人のやり取りを見かねて、小水内が割って入る。


「しかし、なぜ見習いの僕たちに防人が?」


「それは南隊長からのお願いでな!」


 答えたのは根岸だった。


「それで、自分が氷川君を推薦したというわけさ!」


 相変わらず声がでかい。


(この人、声のボリュームってもんを知らねえのか……)


 笠井が顔をしかめる。


「あら。もう自己紹介は終わった?」


 聞き覚えのある声に、三人が振り返った。


 南がこちらへ歩いてくる。


「先生。それで、俺たちの仕事は何なんですか?」


 待ってましたとばかりに、笠井が尋ねる。


「君たちの任務は、病院に残された患者たちの搬送を手伝うことよ」


「……それだけ、ですか?」


 小水内が眉を寄せた。


「それだけ?」


 南の目つきが変わる。


 その一言だけで、小水内の表情が僅かに強張った。


「君たちは、まだ正式な開現師じゃない。任務へ参加させるとは言ったけれど、直接鬼夢内部へ入ることは許可できないわ」


「…………」


「それに――悪鬼を倒すことだけが任務じゃない。これ以上被害を広げないことも、立派な仕事よ」


 数日前に言われた言葉が、三人の頭をよぎる。


 鬼夢に囚われた人を救う。


 そのために、開現師は戦う。


「……分かりました」


 小水内が先に答え、笠井と七瀬も不満を飲み込むように頷いた。


「よろしい」


 南はすぐさま討伐部隊へ向き直る。


 程なくして、開現師たちが次々とドリームコンバータへ接続し、鬼夢内部への潜行を開始した。


「では、三人は職員さんの指示に従ってくれたまえ!」


 根岸も観測師用の機器へ向かう。


「氷川君! 三人を頼んだぞ!」


「分かりました」


 氷川が短く答えた。


「では、こちらへ」


 職員に促され、笠井たちは氷川と共に病院内へ足を踏み入れる。


 院内では、すでに大半の患者と職員の避難を終えていた。


 普段なら人で溢れているはずのロビーも、今は不気味なほど静まり返っている。


 だが――まだ全員ではない。


 病室には、どれだけ呼びかけても目を覚まさない患者や職員が残されていた。


 ただ眠っているだけなのか。


 それとも、すでに鬼夢へ取り込まれているのか。


 外から見ただけでは分からない。


 笠井たちは職員と共に各病室を回り、残された人々を院外へ搬送することになった。


 初めての実戦任務。


 だが、思い描いていたものとは随分と違っていた。


 ◇◇◇


「では、こっちもお願いします!」


「はい!!」


「こっちも頼む!」


「うっす!!」


 作業が始まれば、息をつく暇もなかった。


「この患者は侵食が浅い! 院外への搬送をお願いします!」


 院内を駆け回る観測師たちは、患者や職員を《視》て、鬼夢への侵食度を測っていく。


 侵食が深まれば、その者自身が新たな根源となり、鬼夢がさらに拡大する危険がある。


 だからこそ、戦う者だけでは足りない。


 現実側で被害を食い止める者たちもまた、現場には欠かせなかった。


「こっち、手伝ってくれ!」


「分かりました!」


 担架を運びながら、笠井は周囲を見渡す。


 開現師。


 観測師。


 職員。


 それぞれが違う役目を担いながら、一つの鬼夢に立ち向かっている。


 自分たちが、いかに現場というものを知らなかったのか。


 三人は否応なく思い知らされていた。


 ◇◇◇


「三人とも、ありがとう。人手が足りなかったから助かったよ」


 ひと通りの搬送を終えたところで、菩提府から派遣された職員が声をかけてきた。


「いえ。俺たちも……かなり勉強になりました」


 笠井たちは受付前の椅子へ腰を下ろす。


「つっかれたぁ……」


 七瀬が背もたれへ身体を預けた。


「普段の訓練とは、疲れ方が違うな」


 小水内も額の汗を拭う。


「ああ……」


 笠井も短く答えた。


 悪鬼と戦うことだけが、開現師の仕事ではない。


 南から言われた意味を、ようやく少し理解できた気がした。


「残りはこちらでやっておくから、君たちは少し休んでていいよ」


「いや、俺たちもまだ――」


 カシャン。


「…………?」


 笠井が言葉を止める。


 カシャン、ガタガタガタ……。


 静まり返った廊下の奥から、何かがぶつかる音が聞こえてきた。


「何だ? まだ誰か残ってるのか?」


 職員が歩き出す。


「……待て」


 低い声が響いた。


 氷川だった。


 職員の前へ出て、その進路を塞ぐ。


「何っすか、急に」


「様子がおかしい」


 氷川は廊下の奥から視線を逸らさない。


「全員、そこから動くな」


「でも――」


「下がれ」


 淡々とした声。


 だが、有無を言わせない迫力があった。


「おい――」


 笠井が言い返そうとした、その時。


 ゾワッ――。


「ッ!?」


 全身を針で突き刺されたような悪寒が走る。


「……なんだ、これ」


 七瀬からも笑みが消えた。


「嫌な感じだ……」


 小水内も廊下の奥を睨む。


 重い。


 息をするだけで肺の奥まで汚されるような、濃密な瘴気。


「…………」


 笠井の顔から血の気が引いた。


 知っている。


 この感覚を。


 二年前。


 あの夜の校舎で――確かに感じた。


「あの野郎……来やがったのか……」


「は? 亮、お前、何か知ってんのか?」


「静かに」


 氷川が遮った。


 先ほどまで聞こえていた物音が――止まっている。


 不自然な静寂。


 氷川が僅かに腰を落とした。


「……来る」


 カシャン。


 カシャン……カシャン……。


 何かが、こちらへ近づいてくる。


 やがて、曲がり角の向こうから一人の男が現れた。


「……人?」


 七瀬が呟く。


 手術衣を着た医師らしき男。


 だが、一目で異常だと分かる。


 焦点の定まらない目。


 半開きの口から垂れる涎。


 右手には、銀色に光るメスが握られていた。


「止まれ」


 氷川が前へ出る。


「それ以上、近づくな」


 しかし、医師は足を止めない。


「……ちりょう……」


「…………?」


「……治療が……必要だ……」


 次第に、その声がはっきりと聞こえてくる。


「止まれ!」


 氷川が再び警告した。


 その瞬間――。


「治療が必要だァァァァッ!!」


「ッ!?」


 男の目が、かっと見開かれる。


 メスを振り上げ、一気に笠井たちへ襲いかかった。


 ダッ!!


 次の瞬間、氷川が動く。


 迫る医師の懐へ潜り込み、低く身を屈めた。


「なっ――」


 勢いのまま踏み込んできた医師の身体が大きく前へ崩れる。


 ドサッ!!


 床へ倒れてなお、男はメスを振り回した。


「遅い」


 氷川は一瞬で手首を捉え、腕を背中へ回す。


 さらに首元を固め、暴れる身体を床へ押さえ込んだ。


「ぐ……が……」


 数秒後。


 カラン――。


 男の手からメスが落ちる。


 やがて抵抗がなくなり、身体から力が抜けた。


「こ、殺したのか?」


 七瀬が思わず声を上げる。


 氷川は答えるより先に、ポケットから結束バンドを取り出した。


 慣れた手つきで男を拘束する。


「殺してない。ただ、少し眠ってもらっただけだ」


「すげえな……あんた、めちゃくちゃ強えじゃん」


「ああ! 映画みてえだったぜ!」


 興奮する二人とは対照的に、氷川は表情一つ変えない。


「おい。感心してる場合じゃないぞ」


 小水内の声で、空気が変わった。


「ああ~……まだ退院できないんですかぁ……?」


「吉田さ~ん……どうされましたかぁぁぁ……?」


 一人。


 また一人。


 廊下の奥から人影が現れる。


 患者。


 看護師。


 医師。


 誰もがふらふらと身体を揺らし、焦点の合わない目をこちらへ向けていた。


「お、おい……あれ!」


 七瀬が集団を指さす。


 白衣や病衣に混じって、黒い背広を纏った者たちがいる。


「あれは……潜行部隊じゃないのか!?」


「そんなはずは……」


 小水内の顔から血の気が引いた。


 彼らはつい先ほど、南と共にドリームコンバータへ接続した開現師たちだ。


 本来なら今も、現実の肉体は接続機器に横たわっているはずだった。


 だが、黒い背広の男たちの身体には、外れた接続端子がいくつもぶら下がっている。


「……自分で、接続を外したのか?」


「違う」


 氷川が低く答えた。


 男たちの虚ろな目を睨む。


「操られてる」


「現実の身体まで……?」


 小水内が息を呑んだ。


 鬼夢の侵食が、潜行中の開現師の肉体にまで及んでいる。


 それが何を意味するのか。


 今の三人にも、それが尋常ではない事態だということだけは分かった。


「くそッ……南先生は!?」


 笠井が一歩踏み出す。


「他人の心配をしている場合か」


 氷川が三人の前へ出た。


「自分たちも危険な状況にいる。それくらい分かるだろ」


 迫る集団から目を離さず、冷たく言い放つ。


「お前たちは下がってろ。仕事の邪魔だ」


「何を――」


「亮」


 小水内が腕を掴んだ。


「今は従え」


「…………ちっ」


 三人が下がったことを確認すると、氷川は重心を低くする。


「とっとと終わらせるか」


 ダンッ!!


 一気に集団の懐へ飛び込んだ。


 ドンッ!!


 掌底で先頭の患者を崩し、横から伸びてきた腕を取って床へ投げる。


 さらに背後から迫る看護師を組み伏せた。


 一人。


 二人。


 三人。


 必要以上に傷つけず、反撃する力だけを奪っていく。


 彼らは悪鬼ではない。


 操られているだけの被害者だ。


 ――それが、《防人》の戦い方だった。


 ものの数分で、廊下に立っている者はいなくなった。


 氷川は倒れた人々を順番に拘束していく。


「おい」


 笠井が声をかけた。


「……何だ」


「それ、手伝おうか?」


 氷川の手が止まる。


「……うるさい。お前たちは黙ってろ」


「ああ?」


 その瞬間。


 いつも冷静な氷川の顔に、初めて明確な苛立ちが浮かんだ。


「そもそも俺は、南隊長の護衛だと聞いていたんだ。それが蓋を開けてみれば――」


 三人を睨みつける。


「なんで、お前たちみたいなひよっこのお守りをしなきゃならない!!」


「……なんだと?」


 若手の防人として頭角を現していた氷川にとって、南の護衛を任されることは、自分の実力が認められた証のはずだった。


 だが、実際に命じられたのは――その弟子三人の護衛。


「お前たちは、とっととここから離れてろ!!」


 吐き捨てた――その時。


「…………?」


 氷川の視線が床へ落ちる。


 拘束した患者。


 看護師。


 医師。


(待て……)


 先ほど確かに見えていた。


 彼らの中に混ざっていた、黒い背広。


(――開現師がいない!?)


 シュッ!!


「ッ!?」


 黒い影が死角から飛び込んだ。


「ちッ!!」


 患者たちを盾に潜んでいた開現師。


 氷川が油断する瞬間を狙っていたのだ。


 鬼夢への耐性を持つ開現師は、一般人より侵食されにくい。


 だが、操られないわけではない。


 残された戦闘経験までもが、今は敵に利用されている。


 ブンッ!!


「ぐッ!?」


 振り下ろされた鉄パイプを、氷川が腕で受け止める。


 そのまま懐へ踏み込み――。


 ドッ!!


「ぐはッ!」


 膝蹴りが男のみぞおちへ突き刺さった。


 男が崩れ落ちる。


 だが――。


「ッ!」


 背後から、もう一人の開現師がメスを振り上げる。


 氷川が反応した瞬間、足元の男が脚へしがみついた。


「なっ!?」


 頭上で銀光が煌めく。


(――間に合わない!)


「バカ! 何やってんだよ!!」


 横から笠井が飛び込んだ。


 ザシュッ!!


「ぐッ……いってえええ!!」


 メスが右腕を深く切り裂く。


「笠井!?」


「小水内! 七瀬!!」


 痛みに顔を歪めながらも、笠井が叫んだ。


 だが、二人はすでに動いていた。


「今だ!!」


「おらあああああ!!」


 ドンッ!!


 左右から同時に体当たりを叩き込む。


 男が弾き飛ばされた瞬間、氷川も動く。


 脚にしがみつく男を押さえ込み、続けざまにもう一人を組み伏せた。


 ダンッ!!


 僅かな間に二人を制圧する。


「いってぇぇ……」


 笠井が右腕を押さえて座り込んだ。


 指の間から血が滲んでいる。


「亮!」


「見せろ」


 氷川もすぐに膝をつき、傷口を確認した。


「深いが……動脈までは達してない」


「そりゃ……よかったな」


「強がるな」


 氷川がガーゼを押し当て、小水内が包帯を巻いていく。


「きつくないか?」


「痛えに決まってんだろ……!」


「それだけ喋れるなら大丈夫だな」


「てめえ……」


 七瀬が思わず苦笑した。


 応急処置を終えると、小水内が笠井へ手を差し出す。


「立てそうか?」


「ああ」


 笠井がその手を掴み、ゆっくりと立ち上がった。


「しばらく右手は使い物になりそうにねえけどな」


「だったら無茶するなよ」


「うるせえ。お前に言われたくねえよ」


「たっくよ……冷や冷やさせやがって」


 七瀬も軽口を叩くが、その顔には安堵の色が浮かんでいた。


「…………」


 そんな三人を、氷川が黙って見つめる。


「……すまない。俺のミスだ」


 三人が揃って氷川を見た。


「はっ! 何だよ。さっきの威勢はどこ行ったんすか」


 笠井が笑う。


 氷川は何も言い返さなかった。


「それより――」


 小水内が倒れた開現師たちへ目を向ける。


「彼らまで操られたとなると……状況はかなりまずい」


「ああ」


 笠井の表情から笑みが消えた。


「南先生が危ねえ」


「だったら、助けに――」


「待て、亮」


 駆け出しかけた笠井を、小水内が制する。


「ああ?」


「先生から言われただろ。勝手な行動はするな、と」


「…………」


 笠井の眉間に皺が寄った。


「じゃあ、ここで黙って待ってろってのかよ」


「そんなことは言ってない」


 小水内は周囲を見回す。


「まず根岸さんに知らせる。潜行部隊で何が起きているのか、観測側からなら確認できるかもしれない」


「なるほどな」


 七瀬も頷いた。


「それで南先生が危ねえって分かったら、今度こそ助けに行きゃいい」


「…………ちっ」


 笠井は苛立たしげに舌打ちする。


 今すぐにでも南のもとへ向かいたい。


 だが、小水内の言うことは正しい。


「……分かったよ」


 苦々しく吐き出した。


「だったら、とっとと根岸さんのところまで行こうぜ」


「それがいい」


 小水内が頷く。


「氷川さん」


「何だ?」


「俺たちを根岸さんのところまで案内してくれ」


「…………」


 氷川は三人を順に見た。


「現状、本来ならすぐにでも病院から離脱させるべきだ」


「でも、潜行部隊まで異常をきたしてる」


 小水内が返す。


「この状況を観測班へ伝えなければ、さらに被害が広がる可能性がある」


「それに、根岸さんなら南先生たちの状況も分かるかもしれねえんだろ?」


 七瀬も続いた。


「…………」


 氷川は僅かに考え込む。


「……分かった」


 三人の前へ出た。


「根岸さんのところまで連れていく。ただし、俺から離れるな」


「ああ」


「分かりました」


「任せろ!」


「それと――」


 氷川が笠井の右腕を見る。


「特にお前だ。無茶はするな」


「分かってるよ」


「本当か?」


「しつけえな!」


「ハハッ! 信用ねえな、亮!」


「うるせえ!」


 一瞬だけ、張り詰めていた空気が緩む。


 だが、廊下の奥から漂ってくる瘴気は、先ほどより明らかに濃くなっていた。


 氷川が表情を引き締める。


「行くぞ」


 三人も頷いた。


 南のもとへ、今すぐ駆けつけるわけにはいかない。


 まずは状況を知る。


 四人は警戒を強めながら、根岸の待つ観測班を目指して歩き始めた。


 その先に、さらなる異変が待ち受けていることも知らずに――。

次回予告


 現実世界へまで及び始めた、鬼夢の異変。


 外部との通信は断たれ、南たち潜行部隊との接続も途絶えてしまう。


 残された手段は――自ら鬼夢へ潜ること。


 初めて本物の鬼夢へ足を踏み入れた笠井、小水内、七瀬。


 訓練で培った連携を武器に、三人は囚われた人々を救うため奥へと進んでいく。


 しかし――。


 瘴気の先から笠井を誘う、二年前の記憶。


 ようやく噛み合い始めた三人は、再びそれぞれの道へと分かれていく――。


 次回、第102話「噛み合わない三人」

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