超闘祭 四日目②
超闘祭四日目、最終試合。
まだ始まっていないにも関わらず、これまでよりも大きな歓声が上がっていた。
『いよいよ始まります。超闘祭四日目、最終試合! 優勝候補の光族に対するは、現在一位のドラゴンナイトズ! 注目の一戦が今、始まろうとしています!』
コロシアムのフィールドには、既に四人の選手が出揃っていた。
光族からはガクラとエスティー。そしてドラゴンナイトズからはスインとログラス。
それぞれのチームの最強タッグが選出された。
盛大な歓声が響き渡る中、スインは自分の心音で一杯で、歓声が耳に入らなかった。
(心臓の音がうるせぇ。こんなのは初めてだ)
光族と戦う事に緊張するスインだったが、内心では楽しみが勝っていた。
『それでは最終試合……開始!!』
「行くぜ、ログラス!」
「ああ」
試合開始のベルが鳴り、スインとログラスが一歩前に出た瞬間、ガクラとエスティーが一瞬で二人の目の前まで迫り、二人を殴り飛ばした。
殴り飛ばされた二人は地面を転がり、殴られた箇所を手で押さえる。
「痛ってぇぇぇ、やっぱ凄ぇパワーだ」
「デケェ口叩いた割りにはこんなもんか? さっさとお前等の竜装見してくれよ。じゃねぇと本気出す前に負けるぜ」
「言ってくれるじゃねぇか。じゃあ見せてやるよ、俺達の竜装」
そう言ったスインは腰の鞘から白い剣、白竜の剣を抜き、ログラスは両手に黒い鉤爪、黒竜のツメを着けた。
ガクラとエスティーも自分の武器を手に持ち、ガクラはスイン。エスティーはログラスと対峙した。
ガクラに向かって走りだしたスインは、白竜の剣の刀身に白い光を纏わせて振り下ろし、ガクラは大剣で受け止めた。
「ふーん。ちょっとは良い剣だな」
「まだまだこんなんじゃねぇぜ!」
距離を取ったスインが再び刀身に光を纏わせると、刀身が伸びてガクラに向かって突き出す。
ガクラは飛び退いて避けると、伸びた刀身が鞭の様に撓り、ガクラに巻き付いた。
「うおっ!?」
「驚いたか? こんな事も出来るんだぜ!」
再び刀身を伸ばしたスインは、ガクラに向かって剣を振り下ろし、地面に当たると大きな土煙が上がった。
動けなくし、確実に攻撃が当たり、スインは思わず口元を笑わせる。
「いや~、ビックリした」
「っ!?」
スインが後ろを振り向いた瞬間、ガクラは拳を突き出して殴り飛ばした。
スインの攻撃が当たる寸前、拘束を力づくで解いたガクラは、土煙に紛れてスインの背後へ回っていた。
少し退屈そうな顔をしたガクラは、ログラスと戦っているエスティーの方に目を向ける。
ログラスはエスティーに黒竜のツメによる連続攻撃を放っているが、エスティーは全て両手の剣で軽くあしらっていた。
「なんかスピードが上がってきてるな」
「黒竜のツメは影の力。装備者の素早さを上げる」
次第にログラスのスピードが上がっていき、攻撃の間隔が短くなっていった。
「影の力は姿を見せずに相手を――」
ログラスが背後から振り下ろしたツメを、エスティーは右手の剣で受け止め、左手の剣の腹で吹き飛ばした。
「相手を……何だって?」
エスティーはログラスに目を向けて、肩に剣を乗せると、先程ガクラに殴り飛ばされたスインが起き上がった。
「うう……やっぱ強ぇな。まさか一回もまともに当たらねぇなんてな」
立ち上がったスインは白竜の剣をガクラに向けると、刀身にこれまでよりも強い光が纏い、ガクラは目を細めた。
「俺の最高威力だ。行くぜぇ!!」
剣先をガクラに向けながら走り、巨大な矢の様になった光の刀身をガクラに向けて突き出した。
……だが、ガクラは突き出された剣先を大剣で逸らし、左拳をスインのみぞおちに叩き込んだ。
「ごほっ!?」
腹を押さえたスインはフラつきながら後退し、エスティーもログラスを追い詰めていた。
『ドラゴンナイトズのスインとログラス、手も足も出ず! 最強タッグ対決は、光族が優勢か!?』
息を切らしボロボロのスインとログラスは、ゆっくりとだが立ち上がっていく。
「タフだなぁお前等。まぁ別に悪い事じゃねぇな。むしろ評価出来るな」
「へっ、そりゃどうも。ハァ……簡単には勝てないってのは分かってたんだけど、やっぱ想像以上だ」
スインは白竜の剣を強く握った。
すると、剣から白いオーラが現れ、スインの体に流れオーラを纏っていく。
それを見たガクラは眉を顰めると、ログラスも同じく、黒竜のツメから出た黒いオーラを体に纏わせていった。
「何だありゃ?」
「さぁな」
ガクラの元にエスティーが来て、二人は雰囲気が変わったスイン達を警戒する。
「何が起きてんのか分かんねぇが……多分、あれも竜装の力だろ」
オーラを纏い、これまでと雰囲気が一変したスインが二ッと笑う。
「見せてやるよ、竜装の力」




