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超闘祭 三日目③

 ウルファーの活躍で、ジャーマスの違反が暴かれ、審議の結果、ジャーマスは失格となった。


『えー、何とも気分が優れない結果になりましたが……気を取り直して、次が本日最後の試合となります!』


 三日目最終試合。その組み合わせであるメイトとブラークがフィールドに姿を見せた。


「流石お前ぇ等だな。奴等のイカサマが堂々と明るみになったぜ」

「ウルファーのお陰だよ。……ところで、さっきからチーム4の観覧席の方で……」

「言わなくていい。分かってる」


 視線を動かしたメイトの視線の先には、試合に出られず悔しがるカゲキリが映った。

 凄腕の剣士と戦うのが好きなカゲキリにとって、メイトはまさに絶好の相手だった。


「ランダムなんだからしょうが無いんだけどよぉ」

「そうだね」


 二人は呆れるも、すぐに互いを見る。


『それでは、三日目最終試合……開始!!』

「んじゃあ始めるか。とうっ!」


 最初に動いたのはブラークだ。

 ジャンプしたブラークが拳を握り、察したメイトが飛び退くと、ブラークの拳が地面に当たり、大きな砂煙が上がった。


「強化魔法無しでこのパワー。流石だね」


 感心しているメイトに向かって、土煙の向こうからブラークがブーメランを投げ、メイトは体を捻らせて避けると、今度は鞭を伸ばしてメイトの腕に巻き付けた。

 ブラークは鞭を引っ張り、引っ張られそうになるメイトは踏ん張る。

 そんなメイトに、先程のブーメランが戻ってきてメイトの後頭部に向かって飛ぶと、当たる直前にメイトは回し蹴りでブーメランを蹴り飛ばし、腕に巻き付かれた鞭を解く。


「ま、この程度軽くあしらえるよな」

「まぁね」


 メイトは鞭を巻き付かれた腕の手首を回しながら答えた。


(ブラークの強みはあの腕力だけじゃない。色んな罠や武器を扱う所。武器は背中に背負ってるサーベルと、さっきの鞭とブーメランの三つ。罠を造るような道具は……無さそうだね)


 メイトはブラークが罠を造るような道具を目視出来ず、そう推測する。

 ブラークは背中の鞘からサーベルを抜き向かって来た。

 メイトも走りだし、剣とサーベルがぶつかり合った。


「悪いな。カゲキリ姐さん程剣の腕が無くて」

「別に良いよ。ブラークは剣士じゃないんだから」


 その後も斬り合っている最中、ブラークは先程メイトが蹴り飛ばしたブーメランを拾い再び投げる。

 飛んできたブーメランをメイトは躱してブラークに向かって走りだす。

 すると、ブラークが投げたブーメランが、ブラークが出てきた入場口に張られているロープを切り、入場口から岩が飛んできた。


「え!?」


 驚いたメイトは後ろから飛んできた岩を避けるが、ブラークがその岩を受け止め、メイトに向かって投げつけた。

 メイトは剣で岩を真っ二つに斬るが、岩の向こう側からブラークが飛び出し、拳を突き出すと、メイトは左手で受け止めた。


「おっ。これも駄目か」

(光の兄弟の中では細身だが、やっぱ力はあるな)


 メイトから距離を取ったブラークは、次第に試合が楽しくなってきた。

 その後も二人の攻防は続き、時間が過ぎ……。


『試合終了! 三日目最終試合は、引き分けです!』


 結果は引き分けだったが、メイトもブラークも、満足そうな顔だった。


『ここで冒険者、観客の皆さんにお知らせです。明日の四日目ですが、三日後の最終日の準備の為、午前中のみとなりますので、ご了承ください』


 超闘祭は残り二日となり、冒険者達の熱意が更に上がる。


 一位 ドラゴンナイトズ 28ポイント

 二位 光族       27ポイント

 二位 戦乙女      27ポイント

 四位 光の兄弟     22ポイント

 五位 チーム4     20ポイント

 六位 ゴールドスマイル 17ポイント

 七位 ファイヤーズ   12ポイント


――――――――――――――――――――


「ズリぃぞブラーク!! メイトと戦ってぇぇぇ!!」

「文句言わないでくれカゲキリ姐さん。ランダムなんだからしょうがないだろ」


 メイトと戦えなかった事を悔しがるカゲキリ姐さんは、ブラークの頭を掴んで揺さぶる。


「まぁまぁカゲキリ姐様。まだ二日残ってるから、機会はありますよ。それにジャーマスもいないから、正々堂々と戦えますし」

「これまでにも色々悪どい事をやって来たみたいだね。冒険者登録を抹消されたみたいだし」

「光族を相手にしたのが運の突きだな」


 面倒な奴もいなくなったし、これでちょっとは楽しめるようになりそうだ。

 俺も肩の力が抜けて体を伸ばすと、宿のドアがノックされ、一人の竜人族の男が入ってきた。


「失礼します。超闘祭の運営の者ですが、光の兄弟と光族の両チームのメンバーはお揃いでしょうか?」

「ん? まぁ全員いるが……運営が何の用だ?」


 わざわざ運営が来るとは、一体何だ?


「本日、ジャーマスが失格となり、参加チームが七つとなりました。これにより、明日の試合が組めなくなってしまいました」

「そっか。チーム数が奇数じゃ組めないね」

「でもよぉ。確か明日って午前中だけだろ? なら試合じゃなくて競技じゃねぇのか?」

「そうですね……。国王様から許しはいただいてるし、大丈夫でしょうか。実は、明日の四日目は競技ではなく、二対二のタッグマッチを行います。つまりこのままでは、一チーム余ってしまうのです」


 タッグマッチ……二対二か。

 もし、俺達の相手が『アイツ等』だったら……。


「つまり、僕達両チームを統合して一チームにしてほしいって事だよね。その場合ポイントはどうするの?」

「両チームのポイントを足して半分に割ります。よって、24ポイントになります」

「俺達、二位から三位に下がんのか。まぁ別に良いが」


 エスティーのチームは下がるが俺達のチームは上がる。

 まぁそこはどうでもいい。

 アールの占いの『変化あり』はコレもなのかもな。

 それにもしかしたら明日……。


「分かった。そういう事なら俺はその話受ける。エスティーは?」

「このままじゃ進行出来ねぇんだろ? 当然受けるさ」

「分かりました。新たな五名は誰に?」

「そうだな……」

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