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超闘祭 三日目①

『さぁ、超闘祭も三日目になりました! 皆さん、まだまだ盛り上がっていきますよ!』


 クランクの掛け声に観客達は大きな歓声を上げる。

 俺達の順位は初日に比べて大分上がった。と言うか、四つのチームが同点で拮抗してる状況だしな。

 一位は妨害のお陰でジャーマスになってるのが腹立つな。

 二位は俺達と一点差でドラゴンナイトズだ。


「ん?」

「どうしたの?」

「いや……ドラゴンナイトズの奴等に知らねぇ顔がいんだ」


 アイツ等の方に目を向けると、見覚えのねぇ竜人族の女がいた。


「ホントだな。メンバー変えたのか?」

「知らねぇが……強ぇぞ、あの女」

「そうだね。雰囲気が違う」


 あの女の強さも少し気になるが、ジャーマスの対策も考えねぇとな。

 奴等をどうにかすんには、妨害をしてる証拠が必要だが……どうやって手に入れるか……。

 アールの占いじゃあ今日、何か変化が起きるらしいが。


『それでは皆さん! ただいまより、超闘祭三日目、午前の競技を始めます!』


 考えてる内に午前の競技が始まりそうになった。

 ちなみにうちからはアスレルだ。

 ジャーマス    ダーシ

 ドラゴンナイトズ オルグア

 光の兄弟     アスレル

 光族       クレン

 戦乙女      ミリーア

 ゴールドスマイル ヒビィ

 チーム4     ユール

 ファイヤーズ   ノバル


『三日目の競技名は、無限モンスターです!』


 随分物騒な競技名だな。

 三日目の競技、無限モンスターは、一人づつ異空間に入り、異空間内に現れる魔物を、制限時間の20分以内に倒した数を競う。

 そして競技名通り、その異空間内では、魔物が無限に溢れる。強さは大体三級程度らしい。


『それでは最初の挑戦者、どうぞ異空間へ!』


 王宮魔術師が生み出した異空間への入り口に足を進めたのは、なんとアスレルだ。

 アイツが一番手なのか。

 アスレルは足を進めて異空間に入った。


「一人だけなら、ジャーマスに妨害される事は無いね」

「ああ。思いっきり行け、アスレル」


――――――――――――――――――――


 異空間に入ったアスレルは、まずは周囲を見渡した。

 そこはまるで、何も無い空間の中に浮く大きな丸いステージのようだ。


「ここが舞台ね。ん?」


 空が一瞬光ると、上空に20:00のカウントが現れ、更に空間の壁から魔物が次々と現れると同時に、上空のカウントが減り始めた。


「競技開始って訳? じゃ、行きましょうか」


 アスレルは鞭を手に持つと、魔物達へ向かって走りだした。


――――――――――――――――――――


 魔法で空中に投影された映像、マジックビジョンで、俺達は異空間内の様子を見ていた。

 競技が始まると、アスレルは魔物の群れへ向かって走り、鞭を魔物の首に巻き付けると、持ち上げて魔物を振り回し魔物達を倒していく。


「流っ石、豪快だな」

「20分って時間が限られてるからね。時間との勝負でもあるよ」


 ある程度倒したアスレルは、巻き付けた魔物を放し、別の魔物の首に巻き付けて再び振り回す。

 振り回しながら蹴り飛ばしたりして魔物を次々と豪快に倒すからか、観客達は言葉を失ってる。

 残り時間が僅かとなり、もう数十体倒した頃、アスレルは鞭で巻き付けてる魔物を振り上げて別の魔物に叩きつけ、放した鞭をまた違う魔物に巻き付けようと振りかざした瞬間、空中のカウントが0になった。


『しゅ……終了ぉぉぉ! 光の兄弟アスレル、結果は……百体!』


 観客達から歓声が上がると、異空間の出入り口から汗を拭うアスレルが出てきた。

 俺達に向けて親指を立てると、俺達も同じ様に親指を立てて返した。


『こ、これは……予想以上の結果が出ましたね』

『流石以外の言葉が出て来ねぇな』

『全くだね』


 実況達もこの結果には驚きを隠せねぇみたいだな。


『で、では気を取り直して、次の挑戦者、お願いします!』


 次に挑戦するのは戦乙女のミリーア。

 右手に鞭、左手に鉤爪を着けて魔物の群れに挑むが、やはりアスレルと比べて全然勢いが無く、戦乙女の結果は、32体。

 次のファイヤーズのノバルは15体。ゴールドスマイルのヒビィに至っては九体だ。

 そして次はジャーマスのダーシ。

 どんな戦いをするのか俺達は注目し、ダーシが異空間に入ろうとすると、突然足を止めて手を挙げる。


「……棄権」

「は?」


 謎の棄権宣言に俺達は呆気に取られ、観客もどよめく。


『え、えっと~……棄権、という事でしたら、ジャーマスは〇ポイントです』

「どういうつもりだ?」

「分かんない。戦闘が苦手なのか、何か企んでるのか……」


 疑問は残るが、次はドラゴンナイトズのオルグア。

 オルグアは雷竜の鎧の力で次々と魔物を倒し、結果は68体。

 次のユールは、流石史上最短記録でSSランクに昇格しただけあって順調に倒していき、結果は86体だ。

 そして最後のクレン。

 二つのブーメランを巧みに使って、アスレルと同じぐらいの勢いで魔物達を倒していき、結果はギリギリで99体だ。


『競技終了! 光族達がワンツーフィニッシュ!! 凄い事になったぞ!』


 観客達も大いに盛り上がり、俺達も結構ポイントを手に入れられて満足した。


 一位 ジャーマス    28ポイント

 二位 光の兄弟     27ポイント

 三位 光族       25ポイント

 四位 ドラゴンナイトズ 24ポイント

 五位 チーム4     22ポイント

 五位 戦乙女      22ポイント

 七位 ゴールドスマイル 19ポイント

 八位 ファイヤーズ   13ポイント


――――――――――――――――――――


「オウワさん。仕込み終わりました」


 ダーシからの報告を聞いたオウワは頷く。


「よくやった。これで、我々の完全勝利となるだろう」


 オウワはフッと笑みを浮かべる。

 ジャーマスの観覧席に繋がる通路の角で、身を隠し聞き耳を立てているサシェは、その場から去り観覧席に戻った。

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