王女との邂逅
〜教室にて〜
「ねえ、あなた」
「うーん、分離と分解が相乗しあってる〜、一体どうすれば…」
「そこのあなた?」
「やっぱり別のところに組み込むしかないのかな…」
「ねえ、聞いてる?」
「でもそうするとラグが生じるし、それはやだなぁ〜」
「聞・い・て・ま・す・か?」
「そこは翼人の研究本を参考にー、誰だよお前さっきから煩いな集中してる時に横から茶々入れられるのが嫌いなんですよ。今休み時間ですよね?後にしてくれないですか?」
仕方ないことだが、僕、もといアルヴ君はアスタルテとの戦闘の後、少しづつ人格が統合していきました。少しごっちゃりしているけど問題はなかった。良かった、記憶消えなくて。
で、このアルヴ君。魔術について考えてる最中に話しかけるなどの集中を散らすようなことをすると、キレます。例外としてティナや家族はないですが。
まあ、この喋り方も人格が統合された影響なのかもしれませんね。不具合はないですが。少しティナに過保護なだけですが。自動治癒、カウンター、防御、薔薇の城を組み込んだものを手渡したのは、いえ、過保護じゃないです。あんなことが二度目に起きたら次は一時的な狂気何処ではないでしょうね。
っと、話が逸れました。多少とはいえ、威圧をかけたのですが女生徒はひるんでいなかったのです。そして、
「あなた、アルヴィン君、で良いわね?」
「はぁ、なんでしょうか?」
周りの生徒達がジロジロ見てくるが、それは俺ではなく目の前のこいつだ。
「私は『アンジェリカ=ジークリウット』それだけ言えばわかるかしら?アルヴ君?」
ジークリウッド。確か、旧英雄の名前を冠する王家の性だったけな。名を借りる事をしたら不敬罪で死刑。怖いなぁー(棒)
「それで、王家の方が僕如きに何の用でしょうか?」
「ふふっ、言葉については何も言いません。それで要件なのですけど…」
「はい、なんでしょう」
「私にあの魔法を教えて欲しいのですが」
恐らく、言っているのは授業中にぶっ放していた水素爆発の事だろう。
しかし、あれは魔法ではなく、魔術。僕は性質上、あれを使えますが魔法しか使えないうえに魔力も僕の半分の10分の1以下。それくらいの魔力がないと制御、維持、顕現のプロセスに行くまでに魔力が枯渇する。そして空中に浮かぶあの魔術陣を書くのは魔術の光であり、魔力ではない。無駄な魔力を使うだけ。意味がない、ので僕ははっきり言いました。
「無理です」
「…何でか、理由をお聞かせ願おうかしら?」
「魔力が少ない上にあれは魔法じゃな…」
そこまで言って、僕は墓穴を掘った事を知りました。
「ねえ、今なんて続けようとしたの?」
「いえ、なんでもありません。では、次の授業がありますのでー」
「次もここよね?」
ちっ、ばれてる。なんで授業のスケジュール把握してるんですかねぇ。
ああ、面倒くさい。
「…アスタルテ、止めなさい」
王女の後ろを見ると片目を紅色に輝かせたアスタルテがドリルを構えていた。
「はい、マスター。ですが、それ以上の接触をするようなのであれば…」
一瞬だけ殺気を放ったアスタルテ。僕以外に放たれているとはいえ、さすがにビリビリ来るな。
王女はそれを感じ取り、僕から離れると、
「…また、来ますわ」
また来るの?時間の無駄なのに。
ところでー。
「アスタルテ、ティナの護衛はどうした?」
「(ビクッ)」
「さぁて、お仕置きかなぁ…(にっこぉ)」
その時、同室だった生徒達はアルヴの可愛いながらも死神を彷彿とさせるその笑顔に怯えているアスタルテを見て同情していた。




