試験は速記で終わる
試験当日___僕は少し遅れて会場に入る。
「すいません、遅れました」
「プレートは?」
「これです」
「うむ、……よし、席について始めろ」
僕は既に用意されている答案が置いてある席に着く。特に難しいものもなく、初等部の総復習みたいな感じだった。
書き始めてから約10分、全て埋まった。見直しをした後、答案を半分に折り、試験官に提出する。
そのまま出て行こうとすると、ピリピリした目線を送られたため、即座に出て行く。今回もか。
「……はぁ、暇だなぁ………」
筆記試験はあと30分は残っている。何もする事がない。暇なので初級魔法を今どれくらい浮かべられるかを試してみる。
1…5…10…20…25…30…40…45…50…60、…8、0…。
「ふうっ、ここまでかな…切りがいいところまで行きたいけど…後は努力!」
「あっ、アルヴ、君」
「ん?誰?」
「あううう……」
その顔には見覚えがあった。確か、エルフっ娘の…エーティアちゃんかな?
「久しぶり、エティ」
「は、い。久しぶりです」
「どうしたの?顔まっ」
「な、なんでもありませんん!!」
「あ、うん」
あれぇ?僕何かしたっけ?
「あ、いや、そうじゃなくて、えとですね」
「うん、どうしたの?」
「そ、そのぉ」
「うん」
「わ、私と」
「うん」
「か、買い物にい」
「ちょーっとストーーップ!」
「はひぃっ」
そう言って現れたのはティナだった。
「ティナ、終わった?」
「うん、やっぱり応用以外は簡単ね。ね、エティ」
「はう、はい。でしちゃ」
「でしちゃ?」
「うにゅぅぅぅ…」
「ちょっとアルヴいい?」
「え、うん」
真剣な顔になって小声でボソッと、
「彼女、同性愛者だから」
「ブフッ!」
「ちょっとぉ、そこで言わないでくださいよぅ」
「だってあなた勘違いしているんですもの」
「え?」
「前から言ってたじゃない、アルヴは男の娘よ」
「ええええぇぇぇぇぇ!」
おい、最後の一文字だけ違った気がするが…まあ、いいか。
そんなコントをやっていると生徒が集まってきて最後に試験官がきた。
「はいはーい始めますよ」
…キタ。僕にとっての癒しの時間。ふふふふふふ…………。




