魔術師は約束をする
心地よい眠りから覚めた俺はここで重大なことに気がつく。
「ア、アルヴ!」
「ん…?ふあああぁぁ…」
「マスター、お目覚めですか」
ティナは切羽詰まったように、俺は呑気に、アスタルテは残念そうに。
「どーしてアスタルテに膝枕されてるのかな〜?」
「え……………」
「マスターが疲れていると思ったためです、ダメでしたか?」
「いやもういいです、ぷいっ」
ティナが拗ねた。でも、拗ねたティナも可愛いなぁ…。まあ、このままだとこじれていきそうだし、
「じゃあさ、ティナの傷が治ったら街にでも出かける?」
「でも……、あんなことがあったばかりだし……」
「大丈夫、次は対策があるから」
その策はあとで身を持って知る奴らがいるだろう。奴隷商とか、奴隷商とか、ロリコンとか。
「へ〜、じゃあ行こっかな♪」
「うん、一緒に行こ」
「でも条件」
何だろうと思い、首をかしげる。
「今度は手も繋いでて欲しいな」
「いいよ、今度はあんな危ない目には合わせないから。絶対に」
「えへへ、ありがと…う…………」
そこまで言うとティナは疲れたのか眠ってしまった。時間帯は辺りが暗く、月、は当てにならないな。仕方なく部屋に戻ることにする。戻る前にヒヒイロにティナの護衛を頼み、帰った。帰りの最中、あった生徒はいなかった。
「9時…かぁ………」
まあ、あわなかったのにもこんな時間に戻ったのが理由か。そんなことを考えていると、
突然息が苦しくなり、喉の奥から何か這い上がってくるような嫌な感じがした。
「かはっ…かひゅ、げほっげほっ」
それを吐き出すと紅く輝いた石だった。強い魔力を帯びているのがよくわかる。
「これは、魔晶石……?なぜ……」
アルヴは底知れぬ恐怖を感じた。なぜこれが自分の体から出てきたのか、さっぱりわからないからだ。
そして、知識から一つの結論を出した。魔晶石は魔力濃度が濃いところに生成される。つまりは……
「この魔力量は、危ないのか……?」
今は平気だが魔力量が伸びているのは自分でもわかる。このままだと高等部に行くまでに死ぬだろう。
「どう…しよう……」
と、深刻な顔をしていると、
「マスター、一つ宜しいですか?」
アスタルテが何か言いたそうにしている。
「うん、いいよ」
「では。魔力が多いのであれば分散してしまえばいいのです。マスターが使っている薔薇の城、私、ヒヒイロ殿に分ければ問題はありません」
「でも、その場合与える影響とかはないのか?」
「ありません、私達は常に魔力を消費しています。動くだけでも魔力を消費します。魔法を使う私は多くても足りないくらいです。見た所、マスターの魔力回復速度は、1日に一回大きく回復します。なので私達に補給したら問題ないかと」
「そうなのか…ん?ま、いいか。じゃあ、今度から頼む」
「はい、マスター」
良かった、死ぬ前に方法が見つかって。このままじゃ、また前世のように置いていくところだったよ。
まあ、なんとか溜めてくやつとか、魔力を霧散させてく魔道具を作らないとなあ…




