魔術師の人助け
「う…ん…、ふわぁ……」
日差しがまだ出ていない頃、少し冷え込んだ空気で僕は起きた。暖房などは一応あるが、僕は寒い中暖かい布団にくるまって寝るのが好きなのでつけていない。つけるときは起きている時だけだなぁ。魔力とかもそんなので無駄に使いたくないし。顔を洗い、制服に着替え、脱いだ服をカゴに入れる。カゴに入れた後はは後で運んで洗ってくれるらしい。
「よしっ!ちょっと校舎見てこよう」
昨日一応は見て回ったのだが、まだ把握できていない。なんせ、初等部と中等部の校舎くっついてるしね。初等部3年間、中等部も3年間、高等部も3年間の計9年間のカリキュラムだ。くっついてる方が便利なのだとか。魔法の研究などで危ない高等部は流石に離されている。そして、15歳で卒業ということは、つまりは、15歳で成人、ということらしい。
「うーん、やっぱり迷いそうだよなぁ…」
てくてく歩きながら暇つぶしに魔術で遊んでいる。火と風の素因を組み合わせフレアストーム、火と水の素因を組み合わせインフェルノ、など威力を弱めて使っていた。手の上でだが。そうして遊びながら見て回っていると、
「なあ、いいだろぉ?」
「ひっ、や、やめてください!」
いやあ、なんとも清々しい朝に胸糞悪くなるものを見ちゃった。
「助け呼んでもこねぇよ、こんな時間だしな」
「ところがどっこい、それがいるんですよ」
お痛している男子生徒を右手の指先に魔力を収縮させ、:スタンガン:を発動させる。
これは、ぼやけている昔の記憶から持ってきたものだ。スタンガンという電気で昏倒させる小ちゃな箱型のような物の特性を銃型にした。パシュッと音がすると男子生徒の首筋に吸い込まれ、パリッとスパークすると、
「アバババババババババ!」
バリリリリィッ!と凄まじい閃光と共に倒れた。うわぁ、エゲツない。
「あの、ありがとう。助けてくれて」
「いや、なんか見過ごすのも嫌だっただけで」
助けた人は、ポニーテールの黒髪ロングの人でザ・委員長って人だな。
「ううん、同じ女の子なのに助けてくれるなんて勇気あるよ!また後日、お礼するから!」
そう言うと走り去って行ってしまった。
「僕、男の子です………」
この声は届くことがなかった。




