*恋人?夫婦?この距離感
おはようございます!
今回のこのアフターストーリー。
灯と享のイチャイチャがあるので、少し遅い時間の投稿をしておりましたが……今までご覧頂いてた方々が読みにくいですかね?
そこで一旦朝方に戻してみようかなー?と。
誠に勝手ながら朝八時に投稿に戻させて頂いてみますね!!
これからも二人の応援を宜しくお願いします╰(*´︶`*)╯
優月菜
「灯、灯」
「ん?何?」
「起きて、ワシントンに結婚承認手続きに行く」
「え?今から?」
朝早く起こされた灯。
「いつ結婚承認手続きに行かれるか分からないし、フィアンセ査証は入国から九十日間しか有効じゃないから早めに行動したいんだ」
「ようやく"妻"になれるって訳?FBI捜査官さん」
「え?」
「いつになったら話してくれるのかと思ってた」
「言い出しにくくて……弁護士事務所からのオファーもあったから……そっちを選んだら、灯に贅沢な暮らしをさせてあげられたのに……とか、まだ思うところもあって」
「どうしていつも肝心な事は後回しなのかな?面接もあるなんて知らなくて、こっちは大慌てだったんですけど」
「あっ!アメリカ大使館から呼び出されたんだ!」
「卒業目前に、そんな話が来て慌てて学長に相談して、面接の対応を教えてもらったけど……Tallからは何の連絡もないし、せっかく面接もクリアして承認も下りたってフィアンセ査証が発給されたのに、お迎えもないから忘れられちゃったと思った。だから就職も決めたのに」
「あの時、自分自身も初めて任務に圧倒されながらの毎日を過ごしてて……ごめん。灯、その前に身元調査もされてたんだよね」
「新居は本拠地があるバージニアじゃなくてワシントンとかいうし」
「アレクサンドリアって言う街でワシントンが近いんだ。その方が気軽に灯が買い物とかに行きやすいところだからと思って」
「新居って、おうち買ったの?」
「いや、賃貸だよ」
「FBIの本拠地って言うクワンティコからどの位かかるの?」
「車で小一時間かな」
「じゃ、もっと近いところに変えて」
「え?何で、昼間、一人でいるの淋しいでしょ?」
「ううん、Tallが早く帰って来てくれる方がいい」
「灯」
享が嬉しそうな顔をした時、トントントンとドアをノックする音。
「ボストンまで送るから急ぎなさい」
優しい達志の声がした。
「今行く」
享が短く答えると灯にキスして、
「支度して、朝ごはん用意出来てるから」
「分かった」
『考えてみたら……あの面接の時、確か半年から一年くらい審査にかかるみたいに言われたのに。もっと早くビザは届いた気がする。もしかして達志が本部にいるからかな……』
そして今また二人は国内線に乗りながら、空の上だ。
おばあちゃんは「なんだか大げさねぇ」と言うが、灯が戻るまでの当分の間、仕事は今は休める達志が泊まり込むことになっていた。
ということは、状態は決していい訳ではないとしか思えなく、それも含めて灯も早く手続きは済ませたかった。
「そう言えば、今、Tallはどこに住んでるの?」
「え?……クワンティコからは近いけど……」
「どのくらいの広さ?」
「まあ、一応、家族でも住めそうな一軒家だけど」
「そこに住んじゃダメ?」
「でも、一人だと淋しいかも」
「大丈夫だよ!Tallが気に入って住んでるところでしょ?私だって好きなはずだよ。それにそこは賃貸じゃないんでしょ?」
「何で分かったの?」
「Tallは常に自分の隠れ家みたいなの用意したがるから」
「そうかな……」
「そうだよ。それでクワンティコから、どのくらい時間はかかるの?」
「車で十分くらいかな、あ、でも僕はいまバイク通勤だけどね」
「じゃ、そこがいい!」
「でも……一人にするのは、ちょっと不安な場所ではある」
「何で?」
「敷地が広くて林の中の一軒家みたいなところだから、お隣さんまで全力疾走しても、灯だと十分くらいかかる」
「そんなこと言ってたら、おばあちゃんちだって、お隣さんは見えないよ」
「でも、あそこは治安もいいし……」
「Tallの住んでるところがいいの」
「分かった」
「本当?」
「うん。セキュリティも万全にする」
享は灯の気持ちが嬉しかったが、むしろ自分の独占欲を見透かされている様で、ちょっと胸が痛かった。
「あとね、そこに住む様になったら、ワンちゃんが飼いたい」
「え?犬?」
「うん、番犬!」
「番犬か……いいね!灯が一人でも寂しくないね」
「うん!……ところで、そこは何ていうところ?」
「スタッフォードだよ」
「スタッフォード……買い物とかは不便なのかな?」
「まあ、そうだね。一週間分買い出しに行って、冷蔵庫や保存庫をいっぱいにしておく様な感じかな」
「私!国際免許も取ったから!バージニア州のやり方次第だけど、こっちの免許証も取れるよね?」
「灯……凄いね」
「え?」
「何でも先回りして、相変わらず男前だ……」
「日本にいる間にネイティブの先生に英会話習って、その時、色々、こっちの事情も聞かせてもらったの」
「それにしても手回しがいい」
『僕の出番ないんじゃないだろうな……週末、一緒に買い物にいくとか必要なかったりとか……』少し寂しく思う享。
「まだまだ分からないことばかりだし……Tall教えてね」
「もちろんだよ」
享は灯を抱き寄せる。
『おい、Tallちょっと待て……アメリカはこれが普通なの!?』
灯は享に聞く。
「この距離感は普通なの?」
「え?」
「すぐ抱きしめたりキスしたり、当たり前なの?」
「新婚だし……当たり前じゃない?」
「本当に?」
灯が言うか言わないかのうちに、享の唇が灯の口を塞いだ。
※K-1ビザ(フィアンセビザ)
アメリカ市民である新郎が、日本の婚約者の新婦をアメリカに呼び寄せるために「K-1ビザ」をあらかじめ取得する必要がある。




