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Just like starting over〜アメリカ帰りの幼馴染に振り回されちゃって~からのあかりんとTallのそれから〜  作者: 優月菜


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13/26

*膝に乗れ


宴もたけなわといったところか。


ほぼほぼ、男性陣は飲み交わした缶ビールの本数分酔いが相当回っている。

由美子も強い方だが、昨日の今日で、少し控えめに飲んでいた。


「おいキティ」

「はい、お義祖父様」

「膝に座らんか?」

「「え?」」


享と灯は同時に声を上げる。


「おい、ジジイ、酔ってるからっていい加減にしろよ。灯は僕の妻なんだぞ!」

「メグは呼んだら、こういう席では一緒に飲んだり食べたりしたぞ」

「え?母さんが」


享は思わず達志の顔を見た。


「親父は何言っても言うこと聞かないし、まあメグは物おじしない性格だったからな。親父の相手するのも手慣れたもんだった」


「だからって、父さんまで灯に対してマネしないで欲しいんだけど」

「仕方ないじゃないか。あかりんはさ、僕の中ではまだ10歳なんだよ」

「は?」

「可愛い隣のうちの女の子のままなんだ」


享と達志父子が、そんなやりとりしている間に、灯は享より大柄なスチュワートの片膝にチョコンと腰かけた。


「お前、ちゃんと飯食ってんのか?軽すぎる」

「食べてますよ」

「それしても本当にちゃんと食ってんのか?ホントに子猫くらいの重さじゃないか?」

「まさか、そんなことないですって」

「そうか……じゃあ、まあこれを食ってみろ」


スチュワートから差し出されたフォークに刺さった大き目のサイコロ状のステーキ肉。

灯は一瞬、その大きさに躊躇するも思い切ってかぶりつき、一口でそれをほおばった。


「おぉ!キティ!食えるじゃないか」


もぐもぐと口だけ動かす灯。

『口の中に隙間もない……飲み込めるのか?どうなんだ灯?大丈夫か?』と自問自答を繰り返しながら、ずっともぐもぐを続ける。


「灯!頑張るな、口から出せ」


享がナフキンを持って近寄る。

それをスチュワートが制し、


「今、キティは俺との勝負に挑んでる最中なんだ。外野は黙っとけ」

「ジジイ!灯を窒息させる気か?」


灯も享に向かって手で大丈夫の様な仕草をした。

皆が注目する中、灯のもぐもぐが続くもようやく飲み込めた時、スチュワートは笑いながら大声を出す。


「よし!それでこそローレンスの嫁だ!よく食った!」

「美味しかったです!」

「そうかそうか、よしよし、じゃ、次はこれだな」

「え?」


次に差し出されたのは、既に用意されていたジョッキに入った缶2本分はあろうかという量のビール。


「これですか?」

「おお、そうだ。そういう付き合いもローレンス家の一員としては出来んとな」


享が口を挟む。

「ジジイいい加減にしろよ。灯はついこの間初めてお酒を飲んだばかりなんだ」


それを聞いた由美子も達志もバーバラも驚いてる。

達志がその疑問を口にした。


「22歳だったよな?飲み会(コンパ)とかって言うやつは行かなかったのかい?」

「はい、相棒(バイク)で大学に通ってたので、飲み会(コンパ)に行かなかったわけではないんですが……飲んだことなかったんです」

「享、確信犯だな?」

「そういう席に本当は行かせたくなかったんでしょ?」


達志と由美子に言われちょっと焦る享。


「そんな付き合いまで邪魔するような器の小さい男じゃない」

「本当か?」


達志に笑われて思わず享は赤面した。

それを見てスチュワートは大笑いしながら


「それじゃあ、むしろキティがどのくらい飲めるのか確かめておかないとだな!メグは酒豪だったよな!バーバラ」

「誰に似たんだか、メグは本当に底なしだったわね」


おばあちゃんが笑っているのを見ると、灯はスイッチが入ったかのようにスチュワートの持っていたジョッキを取り上げ、いきなりビールを飲み始めた。

ほとんど一気飲みの勢いだ。

スチュワートは唖然としていたが、底が見えてきた時、ニンマリとした。


「灯!無理するな!」


と享が言うも、灯はジョッキ一杯飲み干した。

そして由美子がスチュワートに怒りながら


「もう!スチュワート!無理強いしないでよ。もしも灯に何かあったらどうするの?」

「キティ、もう一杯どうだ?」


由美子の話を無視して上機嫌のスチュワート。


「ちょっといい加減にしてくれよ!」


達志も止めに入るが、灯は真顔で


「はい、いけます!お義祖父様!!」

「おぉ、そうかそうか、よしよし。待ってろ、今注いでやるからな」

「はい!」


享は灯が何を考えているのか分からず、ただ、今スチュワートから引き離すのは、スチュワートの機嫌を損ねそうで、それが灯にとってマイナスになるのだけは避けたかった。


灯のジョッキにビールを注ぐスチュワート。

灯もスチュワートのジョッキにビールを注ぐ。


そしてお互いのジョッキをカチンと合わせてスチュワートは大声を上げた。


「ローレンス家の未来に栄あれ!」


灯はその声に合わせるようにニッコリ笑うと、スチュワートと同時にジョッキを傾けた。

スチュワートは灯の様子を伺いながらビールを飲んでいたが、灯はほとんど息もつかずにビールを飲んでいる。

先にジョッキを空けたスチュワートが感心したように呟いた。


「キティ、飲めるくちだな」

「お義祖父様ほどではないですよ」

「お前、可愛いやつだなぁ」

「あ、義祖父様」

「なんだ?


灯がテーブルの上のナフキンを取って言った。


「立派なおヒゲにビールの泡が……」

「ん?んん」


灯は持っていたナフキンでスチュワートの口ヒゲを丁寧に拭き始めた。

先ほどまでの勢いはどこに失せたのやら、少しドギマギしているスチュワートを見て、享は今だ!と言わんばかりに灯を抱きかかえると家の中に連れ去った。


「可愛いな、キティ……」


スチュワートの独り言に由美子も達志もバーバラも苦笑した。


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