#55 沙奈探し...のはずが.....
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#55 沙奈探し...のはずが.....
1月の終盤。
今週で1月も終わりを迎える。
楓に魔術のことがバレて以降、特に目立った進展はなくただ日常が過ぎていった。
フィアラの話では例の警察署に魔王の弟....
つまり魔術によって我々を支配しようとする奴の親玉がいるとのこと。
私もそれは薄々感じていたのだが、
結局のところ気絶させられたり会う前に時間が戻ったりしてまだその正体を見ていない。
ただ私や店長のことを操れるほどの魔力を持っているのだから
この世界においてかなり危険な存在だということが分かる。
しかしこの魔王の弟も、魔力エネルギーを無限に使えるわけではなく、
ある程度エネルギーをチャージする必要があるみたい。
その証拠に1月1日以降向こうから襲ってくることはなく
今のところ平穏な日々が続いている。
恐らく1月1日の時点で私たちを始末するつもりでいたのだろう。
この間、私たちは
奇跡の雫を作るための準備を進めていた。
ただし藍たちにバレないようにするため、日常生活を普段通り行いながら....。
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「...えーっと?奇跡の雫に必要なのは知恵の実の粉と.....校長の娘、沙奈なんだよね...?」
ある日の放課後。
私と楓はフィアラに呼ばれ、誰もいない空き教室の中で作戦会議をすることに。
しかしさっきまで一緒だったフィアラは
突然先に帰るとか言い出してそのまま帰ってしまった。
そのほうがカレー屋の準備を心配する必要なく
ギリギリまで会議、調査ができるからなんだって。
確かにそのほうが効率はいいだろうけど自分から呼んでおいていきなり....
なんて思いつつも、会議や調査自体は2人でもできるから今はそれに従うことにした。
...ちなみに今のところ沙奈についての情報は、私たちと同じ学園にいるという情報だけで
実際どの学年で普段どこにいるのか私たちは知らない。
校長の娘なのだから校長に聞くのが手っ取り早いのだろうが、
残念ながら校長は今、年度末に向けての仕事と魔王の弟への監視などで忙しく
なかなか会うことができなかった。そしてそれは福岡先生もである....。
「はいはい確認ありがと。
....それで?優衣奈は沙奈さんについて他に何か新しい情報は手に入れた?」
「いいや、何も....」
「困ったわねぇ....本当、校長や福岡先生に直接聞ければいちばん早いんだけど.....」
なお、福岡先生に関してはしばらく研修に出かけていて校内で会うことすら叶わない。
福岡先生がいないとなると他に頼れるのは....
「あっ?!だったら担任の厚木先生に聞けばいいじゃん!!」
「.....ああ!確かに!どうして今まで気づかなかったのかしら!ナイス優衣奈!」
先生と言えば別に福岡先生にこだわる必要はない。
厚木先生ならこの学園の名簿にアクセスできそうだし、
体育教師だから沙奈とも関わったことがあるはず。
ところが.....
「...あら、厚木先生なら今さっき体調不良でご帰宅されましたよ。
たぶんあの様子ではしばらく来れないでしょうね....」
職員室に行くと、なんとも運悪く厚木先生に会うことができなかった。
ええーっ、だったら先に厚木先生にも相談しておくべきだったー!
「...そうですか。ありがとうございます.....」
校長だけでなく、厚木先生、福岡先生にも話を聞くことができないだなんて....。
いや、待てよ....
必要なのは沙奈の情報だけなのだからここにいる先生なら誰でもよいのでは....?
大人しく帰ろうとした楓の肩を掴んで耳元でそっと囁く。
[ねえ....麦田先生に名簿見せてもらえないか聞いてみようよ....]
麦田先生というのは先ほどの先生で家庭科の教師である。
[ああ、なるほどね。今日の優衣奈ってば冴えてるじゃない....!]
こうしてもう一度麦田先生に話を聞く。
「な、何度もすみません、麦田先生....
どうしても確認したいことがあるので、
この学園の名簿を見せてもらうことってできないでしょうか....」
「あらあら、名簿が見たかったの?
んー....ちょうど今日は生徒会が名簿を持っていく日だったのよねー。
最近生徒会も忙しいからまた日を改めたほうがいいかもしれないわ。」
な、何....名簿すら手が届かないというの....?
今日は本当にタイミングが悪い。
「わ、分かりました....ありがとうございます.....」
私と楓はもう一度空き教室に戻ってくる....。
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帰ってきた私はさすがに落ち込んでしまった。
だって、提案すべてがことごとく嚙み合わなかったのだから.....
「ねえ....今日はもう帰ろ....?私の作戦がことごとく上手くいかない日だから....!」
すると楓は私の言葉に耳を傾けることもなくスマホを取り出し、
誰かに電話をする。
「...あ、もしもしフィアラ?あなた今カレー屋にいるでしょ?
今の私の魔力に違和感は感じる...?」
電話の相手はフィアラ。
...え?どういうこと...?
もし今魔力で何か細工されているのであれば私のほうが気づくって!!
「....そう、ありがと....。やっぱりあなたの違和感は正しかったというわけね。
....分かった。またあとで。」
....電話を切ったあと、私は楓に話しかける。
「ねえ、ちょっと....
どうして私じゃなくてフィアラを頼ったの?
私だって魔術を感知できるんだからそういう違和感があるなら私にも聞いてよ!」
すると楓はいいや、と首を横に振って話を続ける。
「優衣奈....ごめん....私に魔力が憑りついているみたい.....」
「???」
「違うの...あなたが魔力で違和感を感知できないのは、
私がその魔力を吸収してしまっているから....
奴らは既に、私たちに沙奈の情報を渡さないよう魔術細工をしていたのよ.....」
「?????」
い、意味が分からない....
さすがの私も意味が分からない.....
「魔力って、感知さえすれば誰でも微力ながら持つことができるわけだけど、
たぶんこの前の魔術書で私がその魔力に触れたことを気づいた奴らは、
既にそれを感知して私自身に他人の魔力を吸収する魔術と
沙奈についての情報を遠さげる魔術をかけているってこと.....」
「魔力....奴ら...?」
あれ....何かおかしいわ.....?
さっきまでの私なら簡単に理解できていたような気もするが、
なぜか今の楓の話を聞いてもよく分からなかった。
[これは....思った以上に厄介なことになったわね.....]
楓はひとり、そう思う。
しかし楓もこのままではどうすることもできない...
「とりあえず優衣奈、カレー屋に行きましょう。
そこでみんなにも話をしていかないと....」
こうして今日は撤退することになった楓と優衣奈。
果たして優衣奈は魔力を取り戻し、無事に沙奈と出会うことはできるのであろうか.....
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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