#53 隠しごとをしました
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#53 隠しごとをしました
1月9日。
平日のこの日、もうすぐ誕生日を迎える楓と少し前に誕生日を迎えた藍、2人の誕生日を祝う。
昼休み、みんな揃っている絶好のタイミングだったので楓や藍にプレゼントを渡す。
プレゼントは無事2人とも喜んでくれたのだが、
フィアラは2人の誕生日が近いことを知らなかった。
それ故2人へのプレゼントを持っていなかったフィアラは魔術を使って2人を祝福。
魔術のことを知らないみんなに魔術を知られるのではないかと冷や汗をかいたが
なんとかそれはマジックだということで片がつく。
ところがその帰り。
カレー屋の仕事に行くために楓やフィアラと話しながら歩いていたところ、
話題は例のマジック(魔術)の方向へ。
そこでそのマジック本を読んで練習したというフィアラにその本を見せてほしいと頼む楓。
さすがにそれ以上は危ないのでは....と止めに入る私だったが
逆にそれで楓を混乱させてしまう。
するとフィアラは本屋に行ってマジック本を買い、それを渡すという提案をしたため
結局今から本屋に行くことになり....
....その流れで本屋に到着。
場所はカレー屋からさらに歩いたところで商店街が近い。
懐かしいわね。
結局この辺りは最初の頃、藍たちと来て以来だったから。
けれどその向かい側に本屋があったことは知らなかった。
「何してるの。早く行くわよ。」
フィアラに呼ばれ、私は商店街のほうを眺めるのをやめて本屋へ入る。
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「いらっしゃいませー。」
へえ...ここが本屋.....
図書室とは違う落ち着いた空気が漂っていた。
「...あれ、フィアラ。もしかしてここ来たことあるの?」
「いや、全然。」
私はあまりにも本屋に溶け込んでいたのでフィアラに質問してみる。
するとどうやらフィアラもはじめてだったみたい。
...って、あれ...?じゃあなんでこの本屋を選んだのよ!
ところがその答えというのはすぐに分かることだった。なぜなら....
「あ、あったあった。ねえ、もしかしてこの辺?」
そう、楓がこの本屋に来たことがあったから。
つまりこの本屋も実質楓が選んだってこと....?
私とフィアラが色々眺めていたところ、楓が目的の本がありそうなところを見つける。
そう、今回の目的はマジック本だったからね。
私とフィアラはその辺りを適当に眺めながら小声になって言う。
[ねえ....これからどうするつもり....?]
[いや、適当にそれっぽいのを見つけてこの本と同じってことにするのよ]
[ああ、なるほど....]
幸い、楓はこのとき別の本を見ていて話しに気がつかなかった。
今のうちに私とフィアラでそれっぽいマジック本を探す。
[ねえ、こんなのはどう?]
[...なるほど。いいじゃない。じゃあそれを楓に....]
こうして私は楓のところに本を持っていく。
「ねえねえ、楓!あったよ!この本なんだって!」
「おっ、ほんと?
へえー。じゃあほんとに一緒かどうか確認するから、フィアラの本も見せて!」
「へっ....?」
「だから、フィアラの本も見てから確認するの!」
しまった.....
まったくケアしていなかった部分を突かれた。
そこへフィアラも合流してくる。
「あっ、フィア.....」
思わずフィアラのほうを振り向く私だったが、
焦りなどもあっていつもより力強く振り向いてしまう。
ゴトッ!
振り向いた先にフィアラがいて、その衝撃でフィアラの持っていた本が2冊落ちてしまった。
もちろんその中には本物の魔術書もある。そして....
「ああ...やっぱり何か隠してたでしょ.....」
落ちた本を拾いながら呟く楓。
これは....終わった....
「なるほどなるほど....。これを隠していたのね....」
楓に魔術書を見られ、もはやどうすることもできない私。
フィアラも軽く俯いて黙ってしまった。すると....
「....ごめんっ!2人とも....!!実は私.....魔術の話....聞いてしまったの...!」
「え....?」
最初に楓の口から出てきたのは謝罪の言葉だった。
しかしその言葉を聞いていたのは私たちだけでない。
「あら....ネタバレ...?」「あ、あのーお客様....お静かに.....」
当然だが本屋には他のお客さんや店員もいたのだ。
幸い魔術というワードはフィクションの話ということで受け入れられている様子。
「と、とりあえずこの話はあとにして.....帰るわよ....!」
こうして逃げるようにカレー屋へと走る私たち。
ただ、帰ったらカレー屋の仕事がはじまる時間で
すぐに仕事がはじまってしまうのであった....。
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「い、い、いらっしゅわいま....せ....」
私はいつものように接客を担当していたが
仕事中も先ほどのことが頭から抜けず動揺してしまう。
「あれー?どうしたのー、優衣奈。変わろっか?」
これには一緒に接客しているバーランドも心配して声をかけてくれる。
「そうですね。体調が悪いときは無理せず交代してくださいね。」
同じく机の片付け担当の真乃も優しかった。
そのとき....
パリーン!!
「?!」
厨房のほうでお皿が割れる音がする。
そしてそれを割ったのはフィアラだった。
「ちょっとちょっと大丈夫?!まさかフィアラがお皿落とすなんて珍しい....」
動揺していたのはフィアラも同じであった......。
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夜。
なんとか仕事を終え、ようやく落ち着くことができる。
いつもならすぐに帰る私だがさすがにこのまま帰るわけにはいかなかった。
「あれ?優衣奈ちゃん、帰らないんですか?」
「....ああ、真乃....。このあと楓たちと話があってね。先、帰ってていいよ....」
「分かりました...お疲れ様です....」
こうして真乃とディエル以外の全員がカレー屋のテーブルに集まってきた。
例の魔術が楓にバレてしまったことは店長にも話しておかなければならない。
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「何、楓に魔術のことがバレていただと....?!」
「ああ、だから2人とも今日は様子が変だったんですね.....」
フィレッチェとリアンも状況を把握。
ところが....
「ま、魔術....とな....?どういうつもりだね....まさか知らないうちに我々を支配しようと....?」
やはり店長にはあまり理解されていなかった。そりゃあそうなるわよね....
「落ち着いて店長。私たちはまったくの逆。
知らないうちに我々を支配しようとする奴らから、みんなのこと....
この世界のことを守りたい...って思っているの。」
フィアラは一生懸命説明する。
「ああ、そうだとも。だがしかしこのことを.....魔術を知らない者たちが知ると
混乱を招くに決まっているからな。まさに今の店長のように....」
そしてフィレッチェもフィアラの補足をする。
「だから今まで隠してきたってわけ!
けど、秘密を知ってしまった2人にはすべてを打ち明けるしかないってこと!!」
バーランドだってそれは理解していて、
「すべてを理解する必要はありません....ただ、魔術のことは黙っていてくれませんか...?」
リアンの言葉もいつもより重みがある。
みんなの言葉を聞く限り、この世界を守りたいが人々の混乱は避けたい....
そういう考えはみんな同じだった。
私も何か言おう...
そう思ったそのとき.....
「なあなあ!みんな何の話してんだ?それより腹減ったぜー!」
ずっと眠っていたはずのディエルが話に割り込んできて....?!
続く....!
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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