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#49 小人族の証言

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#49 小人族の証言


12月30日。


この日、仕事も学校も休みだった私は藍や美歩にいつもの公園へ呼び出される。

その理由は、この3人だけで遊びに行きたいという藍の要望のためだった。


午前中から渋谷のカラオケに行ったり、

新宿のデパートで藍や楓の誕生日プレゼントを選んだり。

午後は飲み物片手におしゃべりするなど、3人でしか味わえない

ゆっくりとした時間を過ごしていた。


そして再びこの公園に帰ってきたのは午後5時頃。

まだ完全に日が落ちたわけではないが既に街灯の明かりが点くほど暗かった。


2人とは早めの解散をして自分も帰路につこうとしたそのとき。

草むらのほうに何かいるような気がした私はその正体を追う。


そして追った先で見つけたのはなんと

向こうの世界にしかいないはずの小人族であった....?!


....小人族から知恵の実というワードが出たことで私はさらに話を聞くことにする。


「ねえねえ。アンタたちがこの世界に来たのは知恵の実と何か関係があるの?」


知恵の実のような神聖な実を持つことのできる小人族が

何の用もなくこの世界に出歩くなんて考えにくい。

だってそれはわざわざ知恵の実を奪われに行くみたいなものだから。


....その質問のあと、小人族は黙って袋から知恵の実を取り出して私に見せる。すると.....


「....???!!」


次の瞬間、小人族たちと同じ目線になって話をしていた。

さっきの草むらが高く大きく見える。どうやら小人族と同じ大きさにさせられたらしい。


「はい....ここからはあなたのことを信頼してさらに詳しくお話しさせていただきますね。

ただし他の人間に見つかっては面倒なのでしばらくこの姿でお話を聞いてもらいます。」


なるほど....私は小人族に信頼されたのね....

小人族の信頼はつまり、穢れのないことの証明でもあった。


「....ライトニーさん。あなたの考察通りです。私たちは[彼ら]に

この世界を救ってもらうためにやってきました。」


ライトニーだなんて....

まさかこの世界に来てその名を聞くなんて思ってもいなかった。

....?ライトニー.....?


「ああっ、こら!その名前で呼んじゃダメ!今は風野優衣奈さんでしょ?!」


話していた途中で女性小人は言う。

まるでこの子たち、親子みたいね。


「ええ....親子みたい、ではなく本物の親子ですから.....」


するとこれまであまり話さなかったもう一人の男性小人が言う。

ってことはパパ小人かしら。


そしてしれっと私の思考に介入していることに私は気づく。

なるほど...彼らの前で隠しごとはできないってわけね。


「ごめんなさいごめんなさい....それで、どこまでお話しましたっけ....?」


今度はママさん小人が息子小人の代わりになって言う。


「え....?確かあなたたちがここにいる理由を聞いている途中だったと思うけど....」


「分かりました。ではここからは私が続きをお話しします....」


そうして息子小人をパパ小人に預けたママさん小人。

そのまま目を瞑って私の手を握る。


「優衣奈さん、あなたも目を閉じて。」


「あ....うん.....」


何が何だかよく分からないけど、言われる通り目を瞑る。


すると....


「....何....これ....」


手を繋いだママさん小人のほうから何やら映像が送られてくるような感覚がして...?!


-------


「さて....今日は.....部屋の片づけでもするかな。」


すると頭の中に校長を俯瞰する映像が映し出される。これは一体.......


[...まさか、校長の家....?!]


驚いて声を出す私だったがどうやら私のことは見えていないらしい。

そもそもこれは小人たちが見せたただの映像(幻覚)だった。


「お父様、ちょっといい....?」


「おお、沙奈、どうした?」


しばらく映像を眺めていると、校長は娘沙奈に呼ばれて部屋を出て行ってしまう。

すると.....


[わ、わあっ?!]


突然映像が動き出し、先ほど校長が片付けようとしていた本棚のところに

紙を挟み込む仕草を行っていた。まさかこれって......!


-------


驚いて目を開けると、そこに校長の部屋はなくママさん小人が目の前にいるだけだった。


「はい、今のが今しがた起きた出来事です。

そしてそれが[彼ら]に世界の危機を救ってもらうために行った手助けのひとつ。」


きょとんとしていた私だが、

なんとなく今の説明だけで分かる気がした。

しかしなぜ分かったのかは私にも分からない。


「今、この世界には危機が訪れようとしています。それも絶大な力を誇る魔族によって。

それを救えるのは[彼ら]しかいません。

だからこの危機を伝えにやってきたというわけです。」


「えー、だったらその彼らに直接会いに行けばよかったじゃん!」


話を聞いてなんとなく理解した私の意見はそうだった。


「[彼ら]というのはあくまで総称です。つまり、

この世界を救うには[彼]だけでは成り立たなかった....」


「....ねえどういうこと?もっと分かるように説明しなさいよ!」


「まあ落ち着いて落ち着いて。

....残念ながら今の校長及びその娘沙奈さんには魔力エネルギーが足りず

私たちを感知することができません。なので例え[彼]が分かったとしても

校長らは私たちの存在について否定するでしょう。」


「....?」


なんとなく分かるような分からないような。


「そもそも世界を救うためにはまず、

奇跡の雫という魔力のこもった雫を[彼]...勇者様に飲ませることが必要なのです。

しかしそれを作るにはこの知恵の実を粉にし、

水とカフェインの入った瓶に混ぜる必要がある。」


なるほど....?

やっぱり分かるような分からないような。


「ただ....それを混ぜるのはこの世界で最も若き魔力エネルギーを持つ子孫でないといけない。

効果を最大限に引き出し、安定させるためにはね。

その最も若き魔力エネルギーを持つ子孫こそが、彼女....つまり校長の娘沙奈さんなの.....」


ここまで聞いてようやくすべてが繋がる。

簡潔に言うと、奇跡の雫を作るためのサポートを行い、

世界を危機から救ってもらうためにあなたたちは今ここにいるのね。


「はい....だから私たちはその校長の家に赴き、このヒントを与えに行った....

そういうことになります。」


「なるほどなるほど。じゃあ今から勇者様のところにそれを伝えに行くの?」


「ええ。もちろんそうするつもりでしたが.....」


話をしながら俯いてしまうママさん小人。

今度はパパ小人が話を続ける。


「どういうわけか、彼らの居場所が分からなくてですね....。

ただ、この近くにいるということは分かっているのですが.....」


ママさん小人と同じように困った様子で呟くパパ小人。すると.....


「だけど君からは勇者様と同じにおいがする。

だから君を信頼して全て託してもいい。」


息子小人が私を信頼していた理由を話してくれた。

なるほど。それで私を観察していたから、息子くんが隠れそびれて今に至るというわけね。


「.....あなたたちのしたいことはなんとなく分かったわ。

まあ...正直なところその勇者様っていうのに心当たりがあるの。私に任せてもらってもいい?」


すると小人たち3人は大きく顔を上げたあと頷き、私を元の大きさに戻した。

そして[期待している]と一言告げ、そのまま草むらの陰に隠れて行ってしまう。


これまた大事になりそうね....

小人族からの期待とこれからの不安で眠れない夜となる私なのであった....


続く....


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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