第7話 赤色
色んな方々に見てもらって本当に感謝感激です。
レビューとか評価待ってます。
「―ったく。久々に細切れにされたな...。あんな芸当ババアでもできないんじゃないか?」
“赤”はオルレアンの街を眺めていた。魔女は人の世に災いをもたらす存在とよく捉えられるが、魔女の大半は人類に興味はない。あったとしても、それは人類が愛玩動物に興味を示す事があるのと同じように興味示すときもあるという程度の事である。
「あら、生きてたんですね。えぇ。」
「てめぇ。伊勢守知ってて黙ってやがったな。」
「いえ、黙って居たわけではありませんよ。色無しであろうとも強い魔女は強い。色持ちなんて概念は―“原初の魔女”の思いつきでしかないですからね。えぇ。」
「そりゃ。そうだ。色なんてのはあの戦い以降に自分に関わりのあるやつに与えたものだ。俺は一応、ババアとは一緒に戦っているからな。まあ、ババアの直弟子でもない限り色持ちの実力に到達できるやつ...。いるにはいるか。
ただ、ババアが用意した色は“赤”、“青”、“黄”、“緑”、“紫”、“黒”、“白”の七色。」
「存じてますよ。しかし、“青”は“原初の魔女”の大罪に手を出し追放。“黄”は“黒”を殺害し、逃亡。今は、教会に身を隠している状況でしたかね。えぇ。」
「お前、俺より多分詳しいぞ。こんなこと知ってるの俺達魔女でも少ないのに、他で知ってるとしたら、“円卓”の魔術師か“半人半霊”の生き残り姉妹くらいだぞ。お前、本当に極東の島国の出身か?」
「私は、雇い主から聞いただけですからね。えぇ。」
「...。」
“赤”は伊勢守の雇い主とは知り合いであるが、《《世代が違うために》》詳細は知らない。あくまでも、《《魔女同士》》としての知り合いである。
「それにしてもあの色無し...。俺の色を奪うつもりはないみたいだな。実力試しか...。それとも...。」
「大罪魔法の回収よ。」
「「!?」」
二人のもとに現れる魔女。
“赤”と昼の間に激しい戦闘を繰り広げた魔女。その彼女がまるで“赤”が復活することを《《最初から》》知っているかのように現れた。
「“憤怒”。”それが“赤”である貴女の大罪魔法でしょう?」
「よく知ってるな。他の色持ちもまともに知らな...!?。」
「そういうことよ。
私は、―“黒”―。」
「なるほどな。」
「仮ではあるけどね。」
“赤”はどこか納得していた。
色無しと色持ちの差は歴然と言われながら、色無しの魔女でも色持ちの魔女に勝つことはできる。それは色持ちの魔女の存在が―原初の魔女の護衛や側近に近い属性を有していた事から、研究職の魔女も初めは色持ちとして存在した事に起因する。
それに加えて、色を奪うことができるというルールがあったため、腕に覚えのある色無しの魔女は研究職や文官の魔女を狙ったのである。故に―原初の魔女―が止めるまでそれが続き、色は《《結果的に》》七色になってしまった。
そのため、その七色の唯一の研究職である“緑”をのぞけば、神との大戦を生き残った猛者達しかいない状況になった。
「三だ...。いや、“黒”とお呼びしましょうかね。えぇ。しかしながら、貴女もあの戦いを?」
3人はいつの間にか用意された椅子に座りゲームを始める。
「私は、違うわ。あの戦いには参加はしていない。その後に生まれた魔女よ。」
「「...。」」
「それについては、私が保証するわ~。」
もう一つの椅子に座る少女。
耳が尖っていて、透けてしまいそうな青白い肌。
この少女は人でありながら人ならざるもの―半人半霊―である。
「ちっ...。“黒”...。」
「貴女がこいつが苦手なことは知っているわ。おばあさまがいつも言ってたわよ...。なんでも...。」
「少し、黙ってろ。」
「気になりますね。えぇ。」
「あらあら。“赤”ちゃん。赤ちゃんをいじめてはだめよ。」
「赤ちゃん扱いされても困るのだけど...。」
「あらぁ~。1000歳以下は赤ちゃんよ~。」
「それなら、私も赤ちゃんですね。えぇ。」
「伊勢守ちゃんわね...。」
「私の方が多分、年下なんですがね。えぇ。」
「てか、長耳。お前は...。」
「―半人半霊―はいついかなる時であっても誰かの味方はしないわ。けどね、私と妹以外を殲滅した神の実験をする人間なら論外よ。」
「...。ということは長耳は...。」
「いいえ。味方よ。“黒”ちゃんのね。」
―半人半霊―
神代の時代にブリテン島を中心に勢力を持った種族。魔女とは比較的友好な態度をとっているが原則として永世中立の立場であった。しかしながら、神代の時代の終わりを告げる―神々の遊戯―の最終盤において、神界との門を開くために二人を除いて殲滅された。
そのため、彼女には“黒”に味方する意味が存在する。
「で、まさかだが聖域実験をやろうとしている阿呆がいるんじゃないだろうな。」
「そうよ。色持ちを殺害し、大罪魔法を回収。そして、その大罪魔法を使用することで...。」
「魔女世界に存在する神界の門を開くということか。あの裏切りやろうめ...。」
4人に沈黙が訪れる。神界の門をひらくということは即ち世界の終わりを示唆する。門が一度開けば損害は計り知れない。西暦1000年頃には極東の島国にて神界の門が開き騒ぎになったが、一人の天才が自身の命と引き換えにその門を閉じその門の鍵を12分割した。
基本的には長く生きる占星術師は神の門を開くことを望んでいないのに対して、神の再来を至上とする教会はこの神界の門を開き神代の訪れを望むもの達により作られた。
「つまり、ババアはお前を利用して神界の門の鍵となっている大罪魔法の回収をしようとしている訳か。」
「言い方は悪いけど概ねその通りよ。私以外にもその任についている魔女はいるけどね。」
「大罪魔法が鍵に...。しかしながら、それは―原初の魔女―が管理しておけばよかったのではないですかね?えぇ。」
「それができないんだとよ。」
「そうね。神界の門の鍵は閉じておく封印の意味もある。いくら魔女でもそこまではまかないきれないのと、それだけのリスクを条件にしないと封印できないの。」
「ふむ...。面倒ですね。えぇ。つまり、封印できるほどの術者が鍵を保有しないというリスクを条件に封印をより強固に絶対的にするという認識で間違いないですね?。えぇ。」
「条件付加系統は伊勢守の出身地の方が専門的だろう?」
「そうですね。えぇ。厳密には結界のほうですがね。えぇ。」
「でもよ。“黒”。回収した大罪魔法はどうするんだ?」
「それは、私の魔法を使えば...。」
「“黒”。それ以上はいい。それよりも、あのガキにはこの事は伝えているのか?」
「ガキ...。あぁ。ジャンヌの事ね。伝えてはないわ。あの子は頭が良いから無理に事情を伝えない方が良いのよね。絶対に逃げ出すから。」
「そっちの問題かよ...。まあ、長耳が来てるなら本当だろう。大罪魔法ならやるよ。」
「いいのかしら?」
「それに、奪えるなら奪えてただろう。てことは何か他にして―。がっ...。」
「「「!?」」」
“赤”の胸を貫く手。
「ややっ。骨が折れましたよっ。いつになったら暫定“黒”君に渡すために隠してた大罪魔法を出すのかってねっ。」
おまけ “半人半霊”ママ(偽)の質問コーナー
「あらあら、質問が来てるわね。『大罪魔法ってなんですか?』という質問ね。
そうね。どこから、話そうかしらね...。
遙か昔、神の支配に反対した魔女を含む占星術師と神々で戦争が起こったの。結果的に、人間が住む場所と神の住む場所を強制的に分けることで戦争を終わらせようとしたんだけど、飼い犬に手をかまれたことに怒り狂っていた神々は人間が住む場所に介入しようといくつかの門を作り出したの。それで何人もの占星術師が殺された。私達、“半人半霊”もその一人よ。
多大な犠牲は払ったとはいえ、戦争は集結した。けど、腹の虫が収まらない神々は“代行者”という存在を極小さな門を創って人間の世界に送り込んでから、大規模な神界の門を創らせようとした。途中で、何人かの強力な占星術師が気づいてその門を閉じたけど何人かの侵入を許してしまった。その何人かが作り出したのが教会。そして、何人もの戦争経験者を殺害し、神の門を開くことで素晴らしい事だと、戦争経験を経験してはいない占星術師や一般人にまで吹聴してまわったの。
それで、何でこの話をしているかなんだけど、その極小さな門というのが魔女の世界に存在したものなの。その扉を閉めるために魔女ちゃんは7つの鍵を創ってそれから自分が保有しないことを条件に封印した。他にも条件があったのだけれど神を封印するに近しい事をしているから、魔女ちゃんは自分の魔法を犠牲にしてそれを鍵にして自分に近い魔女のうちの7人に適当に色とともに付与したの。ほとんどの魔女はしらない話にはなるんだけどね。
簡単にいうとね大罪魔法とは始まりの魔女ちゃんの魔法。だけど、現在は神界の門を開くための鍵になってるということ...。
あらあら~。赤ちゃん達寝てしまいましたわね~。私の昔話がとても面白かったんでちゅね~。」
「多分、難しくて寝たんだと思うんですがね。えぇ。まぁ。読み聞かせは睡眠習慣を形作るものですからある意味、妥当ですね。えぇ。」




