第11話 一石二鳥
艦これのイベントやってて遅くなりました。新艦堀が終わったのでまた、投稿頑張ります。よろしくお願いします。(学マスもやってました。はい。マブガルもそこそこ頑張ってました。はい。)―土下座―
トゥーレル砦への攻撃開始と同時刻 アクレシア家 本邸
「お姉様。本当によろしいので?」
「んあ?何がだ?」
フランスを中心に勢力を持つ占星術一門のアクレシア家。まるで絶対王政期のフランスを思わせるような広大な庭園。(この作品の世界線は中世です。ここがおかしいだけです。)どこを見ても一面に広がる花園。
その中にある噴水。
その噴水に腰をかけている幼女。身の丈にあっていない大きな本を幼女は眺めている。端から見れば、この幼女が現アクレシア家当主ヴェローチェ=アクレシアだとは誰も思わないだろう。
そして、ヴェローチェをその妹であるフィロ=アクレシアが見守っているような構図になっている。
「オルレアンへの救援作戦ですよ。魔女が来てからまともに戦力を送り込んでいませんよね。」
「ん~。まあ、そうだな」
「オルレアンが落ちれば、ここもだめになるでしょう。しかし、お姉様はまるで動こうともしない。」
「魔女には魔女。アタシ達は介入する必要もない。攪乱に必要な奴は送った。」
「まさか...。暗殺天使を?」
「あぁ。あいつを制御できるやつは今アクレシア家にはいない。それに...。」
ヴェローチェは本を閉じ、花園の端に立つ少女に目を向ける。
「ったく...。アタシの傷はまだ完治してないんだがな。」
「やっほー。まじ、おひっさーじゃん。ベロちゃん。」
「私は、ベロじゃない。ヴェロだ。」
「何が違うのかな?」
「これだから、オリエントの先の人間は...。」
「まあ、いいや。ベロちゃん。今回は戦いに来たわけではないから、お茶でもしよっか。」
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「いやっ。流石に分が悪そうですねっ。」
”黄”は戦局を見ている。
別に、フランス王国軍が勝利してオルレアンを解放することは問題ではない。しかしながら、"黄”としては大罪魔法を回収しておきたい。
その目的は...
「おばあ様への復讐。そして、魔女としての研究的好奇心から"聖域実験”をするなんてね...。」
"黄”の後ろに少女が立つ。
黒のドレスに右側にまとめた黒の長い髪。
神代の魔女である"黄”とは違い神代の後に生まれた魔女。
新しい魔女の中で唯一の色持ち。
「"黒ですかっ...。まあっ、配分を考えれば貴女がここに来るのは当然ですねっ。」
「貴女の魔法を考えれば当然ね。」
「しかしながらっ、貴女では私には勝てないっ。」
「負けそうになってたけど?」
「...。可愛くないですねっ。」
「あら、若さへの嫉妬?」
ぶつかり合う魔力の奔流。
ろくに霊力を持たない兵士達もこの異常には気がついた。根源的な恐怖を誰もが感じ、戦意喪失どころではない状態になってしまった。
魔女の魔法の根本的な所には"恐怖”が存在している。
例えば、"赤”の血。
基本的に、人類である以上血が出ると生命の危機を感じる。鼻血や擦り傷程度であればにはなるが、この時代にはまだ破傷風の治療法は確立していない。つまり、血が出ることは即ち死に直結する可能性がある。
であるとすれば、二人の魔法は何なのだろうか?
"黄”の魔法はネタが割れてしまっている。しかしながら、その根源的恐怖が何なのかは分かっていない。
「それとも、貴女の根源的恐怖かしら?」
「...。」
「貴女の魔法は"穢れ”。だから、与えられ...。」
"黒”はその先の言葉を紡ぐことはできなかった。その先に紡がれるはずだった言葉に"黄”の方がキレたからである。
"黄”は性格的にはふざけた人間を装っているが、元の性格はとても短気である。
加えて、戦闘センスで言えば"黒”に劣る。"緑”とは違う理由でこの魔女は戦闘センスがない。
その理由は...。
「"不死”...。」
「痛いですねっ。無銘の魔剣は...。」
"黒が使用しているナイフは魔剣である。厳密に言えば、占星術の具現化による魔剣ではなく、占星術により作成された例外中の例外の魔剣。
東方の鍛冶が作りだした切る事に特化した魔剣で基本防御は不可能に近い。しかしながら、その真価が発揮されていないのは、神の血を浴びてしまっていた"赤”と自身の魔法により死ぬことのない"黄”を相手してしまっているからである。
「貴女では勝てないっ。先代と同じ...。」
"黄”の胸を刀が貫く。それは、"黒”の味方のような振る舞いをしている教会所属の伊勢守ではない。
「「 ―嘆き苦しめ―
『青荊』 」」
「馬鹿なっ。」
アリシア=アクレシア。
彼女の"固有式”の具現化である妖刀。その能力は、対象の毒を生成する。原則として、有機物、無機物に関わらず対象に有効な毒を『青荊』が対象を理解した地点で生成する。
「だがっ、私の事は理解して居ないはずっ。」
「そうね。対象を”黄”としているならね。」
「まさかっ...。」
アリシアの能力については教会に協力している以上、”黄”は理解している。
だが、何故味方に近い自分をアリシアが刺しているのか。
なぜ、体が溶けるような感覚がしているのか。
「魔女を殺す毒だ。流石に神の血を浴びたような俺でもない限り無理だろうな。」
魔法や占星術は解釈の問題だ。本人の解釈能力によりその能力は拡大していくものである。簡単にいえば「想像力」=「センス」に該当するようなものだろうか。あくまでも能力の範囲を広げるだけなので、その能力の範囲を広げても使用するための霊力や魔力がなくてはならない。
簡単な話ではないのではあるが、”黄”としては簡単な話であってほしい。
魔女二人に何故か裏切りに近い形で攻撃してきた教会の占星術師。
「恐らく、死にはしないと思うわよ。」
「流石に色持ちならそうか。」
「なるほどっ...。アリシア=アクレシアを何らかの形で操りっ、”赤”の神の不死性を利用して魔女を殺す毒を生成したとっ。」
「正解よ。厳密に言えばあと少し違うのだけど。」
“黒”は動けなくなっている“黄”の前に立つ。そして、ナイフを頭に刺す。
「 ―簡易結界+黒揚羽― 」
“黄”の首はあっけなく飛ばされた。
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「あ~あ。まじで楽しい。戦争にこんな血がたぎるなんて何年ぶりかな。ワクワク。」
争いを好む魔女、“戦争の魔女”はオルレアン攻防戦を見ながらその裏で行われている魔女達の戦いを肴にお酒を飲んでいた。
「ここに私の登場。ドキドキ。」
「阿呆やな~。」
間延びした声と共に後ろにいる少女から“戦争の魔女”の頭に繰り出される鋭いゲンコツ。
「自分が出て行ったところで殺されるだけや。よう考えてみ。」
「いっ、いった~い。まじで痛いんですけど。シクシク。」
「色持ちが集まるゆうから来てみたけど...。」
少女は片目隠しながら魔女達の戦いを眺めている。
彼女達は運よければ色持ちを倒し、色持ちになれるのではと淡い期待を抱いていたが、やはり、そのような期待でどうこうなるレベルの世界観の争いではない。
「一石二鳥とはいかんいかんみたいやな。」
「流石にまだ私たちは生きたいからね。あんな天災みたいな奴らにチョイと殺されるなんてごめんだよ。オモシロ。」
魔女達はまだ、“黒”達の戦いを観戦する。
何故ならまだ、“黄”は死んでいないのだから。
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