第10話 生き残り
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「はしごの下をくぐると“半人半霊”...。」
「どちらも不幸という事ね~。」
「...。はぁ~。」
ため息をつく少女。教会の修道服に身を包み、表紙のない本に一節を書きな加える。
― noli me tangere. ―
“四大騎士の一翼にして“霊智”の二つ名を冠している少女。最も高貴な色である紫を髪色に持ち、黄金色の瞳を持つ少女。
名前はリア。
そして、それに対峙するのは“半人半霊”のウィザー=ハーミスト。リアは神代の後の生まれであるのに対し、彼女の神代のその昔から生きていた。生きた長さは単純に強さに比例するのがこの占星術師の世界である。ましてや、神代時に、“代行者”という名の“異常者”がいなければ殲滅されることはなかった“龍”と並ぶ最強の存在。
故にリアは...。
「―開く―」
逃げることを選択した。しかしながら、精霊を従えるあの姉妹の片割れに会ってしまった以上逃げることは叶わない。そのために、呼び出した...。
「仕方ありませんね。」
現れたのはリアと同じく修道服を身に纏った女性。
「ん~?」
ウイザーは首を傾げる。どこかで見たことがある女性であったからだ。
「お久しゅうございます。おば様。」
「あらあら。ミカエリスちゃん?」
「はい。200年ぶりでしょうか?」
「ん~。私ね。興味のないことは覚えてないの。」
底知れぬ狂気。
しかしながら、ミカエリス=ハーミストもウィザーと同じ側の人間である。
「どいてもらえる~?ミカエリスちゃん?」
「5分間はむ...。」
ミカエリスが言い終える前に戦いの火蓋は切られる。
「 ―“微風の楽しき舞姫”― 」
「 ―曲がれ―
『理を曲げる剣』 」
美しき風の精霊が生み出した暴風。それをミカエリスは、魔剣を鎖でつないだ大きな斧に変化させ、その暴風を絡め取る。
「あらあら。すごいわね~。」
ハーミスト家
教会の12の氏族、通称“神下十二聖家”の穏健派であり、その家の始祖は“半人半霊”であり、ウィザー=ハーミストの妹ミカゲ=ハーミストである。始祖たる彼女は行方をくらましているが、それを抜きにしたとしても“神下十二聖家”の中でも筆頭格の家である。
(...。『理を曲げる剣』ね...。ハーミスト家にそんな魔剣あったかしら?)
魔剣
妖刀
聖剣
これらは占星術師の“固有式”の具現化である。
占星術の極めることにより発現する“固有式”。
そして、数少ない人間だけがたどり着く“具現化”。その先に“術式解放”が存在する。
この具現化の特徴としては本来の保有者が死ねばそれを他人が使用することができる事である。
「対象の物をねじ曲げるといった所かしらね~」
ウィザーはあり得ない方向に曲がった自身の腕を見る。近接戦に持ち込もうとしたウィザーであったが腕ごとねじ切られるところであった。
(私は時間稼ぎには向いていますが...。解析されれば負ける...。距離をとり続けなければ...。)
「それではお先にね~。」
第3の選択肢。ウィザーは解析することでも精霊の力でゴリ押すこともせずに回避して、リアを追いかけることにした。
「えっ...。」
ミカエリスは驚きはしたものの一瞬で察した。
(あっ...。ラッキー。これで、帰れる。)
「まあ、頑張ってくださいリアさん。」
――――――――――――
「ったく...。バリスタと投石器ね...。」
「それは、どういうことかしら~?」
「それは、どちらも威力は...。」
(なんで、一瞬で追いついてるのよっ!)
リアの“固有式”は「重力操作」
ウィザーは「精霊使い」
自然の法則に干渉する能力か
自然を作り出す能力か
両者の能力はどちらも相性が悪いと考えている。ウィザーから逃げたいリアと、“黄”とリアを合流させたくないウィザー。二人の思惑は完全にかみ合っていない。
戦局の停滞はどちらかがしびれを切らすか、奇策を用意するか、
第三者の介入によって終わる。
「くふっ...。」
白の髪に真っ白な無地のワンピースに身を包み、顔には真っ白な仮面を被っている少女。仮面には眼でそとを見るための穴はなく、人間というものを極限まで白くしたと言われてもおかしくはない。
「“暗殺天使”...。」
リアは少女を見て呟く。
「グ
ラ
」
占星術の一つである魔術。同様に西洋で使用される錬金術と違い、口から言霊が発動に大きく関連する。
少女は的確にリアの口、声帯を切りつけた。流石に、リアは声帯の方は避けたがとっさのことで口の方は受けてしまった。
「くふっ...。オバさん弱い。」
「誰が冬とひっくり返った杯だって?」
「何言ってんのこの人。」
「私の事を年増って呼んだかって聞いてんだよ。」
「うん。」
「なら...。」
リアは“固有式”を発動させようとするが
「遅い。」
少女の方が一手速い。
占星術師は表の世界で言うところの職業軍人と大して変わらない。表の世界に出てこずに国々を裏側から取り仕切るなんて事をしているから勘違いされがちだが、それは占星術という大きな力に裏打ちされたものである。
少女にあって、リアにないもの
「占星術師殺しね~」
占星術師は占星術師を殺すのは当然である。しかしながら、その勝負においては何処かに「正々堂々」や占星術師の本質である「相手の占星術を見たい」という好奇心等、結果的に相手を的確に潰すという事はしない。
その点で言えば、少女は有無を言わせずに、的確に占星術師、魔術師を潰すための行動をしている。
しかしながら、ウィザーが「占星術師殺しね~」と評価した理由は残念ながらそこではない。
少女には霊力や魔力等と呼ばれる占星術を使用するために必要な力が一切ないのである。
人類である以上のわずかながらもその力は持っていないとおかしい。でなけれその力に直結している寿命が無いに等しいのだから。
「まだ、生き残りがいたのね~。いえ、その子孫というべきなのかしら~。」
ウィザーは二人から距離を取りそれを眺める。
リアが知らないのも無理はない。後の時代には各国の占星術組織が常習的に少女のような占星術師殺しを保有する時代になり知らない人間はいないが、この時代のような国家という存在が安定的ではない時代に知らないのは当然であり、フランスの後の占星術組織の母体となるアクレシア家の秘蔵っ子であるから知らないのも無理はない。
後の時代、これは近代(近世)に入ってからの話にはなるが極東の“首切り浅右衛門”、大英帝国の“切り裂き”、そして、共和国の“暗殺天使”と並び称されるこの二つ名の初代保有者がこの少女なのである。
この少女を含め占星術師殺しは必ずと言っていいほど、誰一人として霊力や魔力といったその類のものを保有していなかったのである。
神代にはこのように言われてもいた
「相手にしないのが吉よね~
―“神に棄てられた人間”―なんて...。」
オルレアン近郊
教会“枢機卿会議派”・“四大騎士” “霊智”のリア
vs “半人半霊” ウィザー=ハーミスト
アクレシア家お抱えの占星術師殺し“暗殺天使”の乱入により混戦模様
ジャンヌの質問コーナー
「当分、出番のない主人公です。
なぜないのかって?それは秘密です。
まあ、最終兵器の私ですからね。とんでもない出番が...。
ん?作者ですか?あぁ、何でも●これのイベント中みたいですよ。e3-1が突破できないとかなんとか...。乙にさっさと下げれば良いのに...。ウマ●のテーオーも完凸できていないみたいですし、どうするんですかね...。
」




