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第1話 千年準備した告白が、一秒で終わった


「だーかーらーっ! 私は十九歳の小娘よ!」


 目の前の少女が、ばん、と机を叩いた。

 白髪。  黒のゴシックドレス。  深い群青色の瞳。

 どう見ても、可憐な少女である。


「……なるほど。永遠の十九歳、と」

「違うわよ!?」

「さすが最強ババア」

「人の話を聞きなさい!」


 おかしい。

 私は千年を生きる最強術師に恋をしたはずだ。

 戦場を蹂躙し。  国を閉ざし。  誰より恐れられ。  災厄として語り継がれた、伝説の魔女。

 目を閉じれば、そこにいるのは。  長い年月を生きた、威厳ある老婆のはずで――

 なのに。


「……ええと、つまり若返った?」

「違う」

「ふむ。なるほど、時空間魔術を」

「違う」

「……肉体を作り替えた?」

「違うったら違う!」


 少女は頭を抱え、深々とため息をついた。


「……お願いだから、現実を受け止めてちょうだい」


 現実。

 つまり。

 目の前の少女は、本当に十九歳で。

 私が千年、焦がれ続けた“最強ババア”は。


「……別人?」


 沈黙。

 少女の眼差しには呆れの色。

 "彼女"の青は、もっと明るい藍玉色だった――

 遅れに遅れて、ようやく理解が追いつく。

 いや。  理解したくない。


「私の……初恋が……」


 がくり、と膝から崩れ落ちた。

 千年準備した告白は、一秒で終わった。

 振られた。


 いや、そもそも。

 焦がれた相手は、疾うの昔に消えていた――







挿絵(By みてみん)

お読みいただきありがとうございました。


千年想いを寄せた彼女は、どうやら“別人”だったようです。

――では、“最強ババア”とは一体誰なのか。


ハイスペック不死の魔術師ヤータンの、

壮絶で、ピュアで、ちょっと残念な恋愛譚。

とくとご覧あれ。


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