【G・W企画 笑って泣いて7日連続投稿】第1章 ギルド会議と別の会議(後編) -マドラ国シャーカラ-
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(”ギルド会議と別の会議(前編)” の続き)
マドラ国シャーカラに到着したキャラバン、ジャティラ隊長はギルド支部を訪れる、そこで、支部長のヴァースデーヴァからパンチャーラ国の野盗集団が勢力を拡大したことを聞かされた。
Aho! Pubbehi bahutarā honti kho
ヴァースデーヴァ支部長;
Evaṃ etaṃ. Rājaputto Khattiyo Vīrasenassa coragaṇo dve vassā niaddhānaṃ vegena pabhāvaṃ vitthāresi, gaṇassa ca janasaṅkhyā balavatī ahosi
サルディーニャ護衛隊長;
Evaṃ mahantena gaṇena, nūnaṃ vīsati-purisānaṃ eka-senā, sace sakkā dve senā icchitabbā
ヴァースデーヴァ支部長;
Sādhu, evaṃ karissāma. Maturaṃ pāpuṇituṃ puuṃ āṇāpessāmi
ジャティラ隊長;
Tena hi, bahuṃ upakāraṃ bhavissati
ジャティラはサルディーニャの方を向き、軽く頷くと、サルディーニャ護衛隊長も同じように頷いた。
更に、二人の副隊長にも暗黙の眼差しで意見を求めた。
モッガラーナ副隊長;
Mayhaṃ pana kiñci natthi
カルダッタ副隊長;
Mayhampi tath’eva
ジャティラ隊長;
Tena hi, ettāvatā
ヴァースデーヴァ支部長;
Sādhu, evaṃ hotu. Appamādena gacchatha
会議の部屋を出て、支部長室を抜けてエントランスに向かう廊下に出たところで、ジャティラ隊長が言った。
Tumhe pubbeva āvāsaṃ paṭinivattatha
ジャティラは一人になると、ヴァースデーヴァ支部長に話しをした。
Nīla-nivāsanaṃ nivāsetvā ‘Kei’ nāma paribbājako sace Madra-Sūlaseṇa-raṭṭhesu gacchati, taṃ anuggahituṃ icchāmi. Yuttakaṃ paṭidānaṃ paṭinivattane dassāmi
Sādhu, mayhaṃ bhāro hotu
Sundaraṃ, taṃ vo anuggahessāmi
Devānaṃ anuggaho hotu
Devānaṃ anuggaho hotu api
ジャティラは丁寧に挨拶を交わし、スーラセナ国商業ギルドの支部会館を後にした。
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{別の会議}
一方、そのころチャンパーラ国とヴァッツァ国を隔てるチャンバル川畔の野盗野営地では...
Vansaṃ pavisitvā ekābaddhaṃ ākoṭetuṃ seyyo hoti
Rājā na bhikkhati.
Tena hi, kathaṃ kātuṃ maññatha?
―パチパチ パチッ―
大野盗集団の総統ラージャプッタ・カッティヤ・ヴィーラセーナは、 副頭目ウパナー ヤカ・スーラ・ミッタを始め、百人隊長サターディパ・ケーマ、同じく百人隊長ローヒタ、
弓の名手でもあるディーガーユ百人隊長、先陣槍の百人隊長チャンダソーマらが焚き火を囲んで会議をしていた。
総統カッティヤ・ヴィーラセーナは没落した王家の末裔だった。
代々の伝統で帝王学を学び、経済、政治、心理学など、集団を統率する能力は他者を寄せ付けなかった。
野党と言えども、実際には博学で記憶力に優れ、才気に満ちているものも多かったのである。
古代インド、シュードラの日雇賃金が一日に豆を1杯か2杯買えるだけの極貧生活の時代においては、善と悪という倫理の隔てを外せば、彼らは生きてゆくため、”職業としての野盗という場”を得ていた。
Vansa-raṭṭhassa ca Kosala-raṭṭhassa ca antaraṃ kiṃ atthi?
Ayaṃ Chambala-nadī, mahārāja
Ahaṃ imaṃ nadiṃ heṭṭhimamukhaṃ anugacchissāmi; evaṃ sati carānaṃ cakkhūnampi na pākaṭo bhavissāmi
総統の計略を聞いた百人隊長たちは目を見張った。
誰一人として、河原を移動することなど考えつかなかった。
Sādhu, yathā hi mahārājā cinteti, na tathā mayaṃ. Tena hi, Vansa-Kosala-sīmāya ettha taṃ karissāma
Madurapuraṃ yāva gamissāmi; tattha tiṭṭhatha. Ākoṭanaṭṭhānaṃ pana Vansa-raṭṭhe yeva bhavissati
Āmo, mahārāja
Satādhipa Khema, Madurapurā yāva tīṇi vāre rattim khuddaken asenāgaṇena ākoṭaṃ karohi, yattha Chambala-nadī ca satthavāho ca araññena puthu-bhūtā honti
Evaṃ, mahārāja
やがて会議は終わり、酒宴に移って行き、焚き火のゆらめく炎が百人隊長たちの頬骨を赤く照らした。
男たちの革製の防具には、饐えたような汗の匂いが深く染みついていた。そこへ酒樽から立つ酒の芳香が混じり合い、息を吸うだけで酔ってしまいそうだった。
[BGM]
“SEROJA MELAYU ORKESTRA COVER BY HARMONY”
総統 カッティヤ・ヴィーラセーナは、その場を離れ専用の天幕に戻っていき、Rājakula-vandana-āsana を地面に敷いた。
そして、五体を投げ出す形で礼拝を三度行った。
彼は、自らの祈願を達成するまで、一切の酒と女を遠ざけることを心に固く誓っていた。




