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エピソード0

メキメキと燃える音がする。

彼女が手から小さな火を放ち薪に火をつけたからだ。


そして彼女は、何もないところからフライパンや包丁と言った調理道具を取り出した。空間が歪んだように見える。


....はぁ...もう驚かない。大方、予想が出来た。


「あの~...」

「はい?なんですか?」

「先ほどの、生き物を倒した時の雷や今使った火ってもしかして....」

「魔法ですよ」

「そうですか...」


予想してた通りだ。先ほど彼女は、この洞穴はフィルスティナ王国の北に約300キロ離れた洞穴と言っていた。


....フィルスティナ王国、聞いた事がない国名だ。つまり...異世界なのか。そう予想すれば納得のいく点が多い。空気や水と言った生命活動に必要なものはこの世界にもある。目の前の女性も人間であることから人間も存在しているのだろう。


そう言えば彼女の名前を知らいないな...

「俺は新谷カナトといいいます。先ほどは助けてもらいありがとうございます」

「私は、アフィアと申します。それよりも、新谷カナト?...いえ、貴方様は魔王シルギ様ですよね」


「シルギ?...そもそもアフィアさんは何者なんですか?」

「何者か?ですか...」

「アフィアで結構ですよ。それに言葉遣いも気にする必要はありません。いつも通りにお話しください。....そうですね...どこから話しましょうか...」


//////

これは、今から約800年前の話だ。


その時代では、知性ある種族は共存し合い、この世界で生きてきた。どんな困難でも手を取り合い助け合ってきた。


そんなある日、人族が住んでいる大国の王族に1人の女の子が生まれた。赤ん坊は生まれながらに膨大な力が宿っており、国1番の魔法師と並ぶ魔法、王直属の近衛騎士団にも並ぶ身体能力は女の子が10歳の時に身に着けた力だ。国中の人々は1000年に1人の天才と呼び、喜び、父である国王もまた喜んだ。



しかし、その歓喜は長くは続かなかった。女の子の才能は人々の憧れの対象から、恐怖の対象へ....人々の希望から絶望へと、人々は彼女の恐ろしすぎる才能に恐れた。.....そう化け物と


人々が自分の娘を化け物と呼ばれる姿を見る事に苦しんだ国王は一つの策を思いついた。


人々が娘を恐れてのは自分達にその力の矛先が、いつ向くか分からないからだ。

だったら、矛先を決めてやればいいと...


当時、風の噂で娘と同等の力を持つものがいると聞いた事があった国王。


その人物はは、少数だが神に限りなく近いと呼ばれる魔神族。その種族の天才と呼ばれ少年だった。














名前は...............シルギ。










魔神族は少数だが個々の力は人族を遥かに上回る為、少年の才能が凄かろうと恐れる程では無かった。



国王は、それが許せなかった。


ーー何故?娘と同じ才能でありながら、一方では希望と呼ばれ、一方では絶望と呼ばれなければならないのか。


国王は、思いついたのだ。魔神族を悪に仕立て上げ、娘はそれを倒す、人々の希望(勇者)になればいいと。


国王は、魔神族を「この世界の悪だ」と呼び、魔神族以外の種族を味方につけた。


いくら、神に限りなく近い種族と呼ばれようと、全種族と戦うなると負けるのは必然。

尚且つ、魔神族の天才と対をなす人族の女の子もいた。


ただ、一つだけ国王には誤算があった。

それは娘の死だ。


同等の力のぶつかり合いだ。娘が勝てると決まった訳ではない。

魔神族の男の子と人族の女はほぼ互角ではあったが、確実に男の子の方が強かったのだ。


男の子は瀕死になり、女の子は死んだのだ。


瀕死となった男の子は生き残っていた。魔神族が連れ去り姿を消した。


こうして魔神族は国王の策略によって、歴史から姿を消し。それと同時に化け物の呼ばれた、女の子は救世主になり死んだのだ。


娘が化け物と呼ばれて欲しくない為に行った事は娘を殺したのだ。

その事実は国王を苦め自殺に追いやった。


女の子は世界を救った勇者となって死んだのだ。




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